山東 昭子(さんとう あきこ、1942年〈昭和17年〉5月11日[1][4] - )は、日本の政治家、女優、声優、テレビタレント。自由民主党所属の参議院議員(8期)。
参議院議長(第32代)、参議院副議長(第27代)、科学技術庁長官(第2次海部改造内閣)、環境政務次官(第1次大平内閣・第2次大平内閣)、参議院外務委員長、同内閣委員長、自由民主党両院議員総会長、同党紀委員長、番町政策研究所(山東派)会長を歴任した[5][6]。
参議院議員選挙での8回当選は史上最多で[7]、女性として初めて自由民主党の派閥の会長を務めた[5]。衆参両院を通じて、女性で初めて議長・副議長の両方を歴任した。
来歴
現在の東京都世田谷区生まれ[1]。
作曲家・團伊玖磨の紹介で11歳でラジオ東京(現在のTBSラジオ)の子供番組の司会として芸能界入り[1]。15歳でラジオドラマ「赤胴鈴之助」のナレーターを務める[1]。16歳で東映と専属契約を結び、「旗本退屈男 謎の蛇姫屋敷」で北大路欣也の相手役として映画デビュー。その後、高倉健とコンビで「太郎シリーズ」等に出演する[1]。
19歳でフリーとなり、テレビにも進出。美貌と頭の回転の速さを活かしてドラマだけでなく司会業にも力を入れる[1][8]。テレビ番組『クイズタイムショック』では5週連続で勝ち抜き、「クイズの女王」と呼ばれた[9]。また『スパイ大作戦』や『女刑事ペパー』などの日本語吹き替えで声優としても活動した[10]。
参議院議員に初当選
1974年、当時の内閣総理大臣・田中角栄に請われ第10回参議院議員通常選挙に全国区から自由民主党公認で立候補[1]。約125万票を得て32歳の最年少参議院議員として初当選[9]。1980年(全国区)、1986年(比例区)の参院選でも再選される。
1990年12月、第2次海部改造内閣で科学技術庁長官に任命され、史上6人目の女性閣僚として初入閣[9]。
1992年の参院選では比例名簿順位を下位とされたため落選。1995年、田辺哲夫の死去に伴い3年ぶりに繰上当選するが、翌1996年に参議院議員を辞職し同年の第41回衆議院議員総選挙に神奈川県第6区から立候補するも落選。
その後、2001年の参院選で比例区から出馬し5年ぶりに返り咲き、2007年、2013年、2019年と連続当選する。
2007年、第21回参議院議員通常選挙で自民党が大敗し第2党となったため同党から副議長を出すことになり、第167回国会で女性では初の参議院副議長に就任した[11][12]。副議長就任に伴い、自民党会派を離脱。
2012年、参議院日仏友好議員連盟会長を務める等のフランスとの友好関係を重視する活動が評価され、フランス共和国レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを受章した[13]。
2015年4月、番町政策研究所(山東派)会長就任[5]。なお、参議院議員としての派閥領袖は村上正邦(政策科学研究所及び志帥会)に次いで2人目である。
2017年7月、番町政策研究所が為公会(麻生派)などと合流し志公会が発足。会長代行に就任する[14]。
同年、派内に上公会(参議院麻生派)を結成、会長に就任する。細田、額賀、岸田3派が主導権を握る参議院自民党での新・麻生派の存在感を高める狙いといわれる[15]。
2019年7月、第25回参議院議員通常選挙で参議院史上初の8期目の当選を果たす。
2019年8月1日に召集された第199臨時国会において、満票で第32代参議院議長に選出された。
史上23人目、女性としては扇千景(林寛子)以来2人目の参議院議長となり、正副議長の両方を歴任するのは衆参両院を通じて女性初となる[16]。
議長就任に伴い自民党会派を離脱して無所属となり、派閥(麻生派)からも離れた。
2022年10月、議長退任に伴い自民党会派に復帰。同時に志公会にも復帰し、同派の顧問に就任した。
2024年8月、翌2025年7月に改選を迎える第27回参議院議員通常選挙の自民党比例区候補として公認が内定した。改選時は83歳となり、既に70歳を超過しているため、党内規の比例定年の対象ではあるが「総裁が国家的有為な人材と認めた者」として、2013年・2019年に続く特例での公認内定となった。これにより自身の記録を塗り替える参議院で9度目の当選を目指すこととなった[17][18]。
略歴
- 1974年 - 参議院議員に初当選
- 1978年 - 環境政務次官(第1次大平内閣)
- 1979年 - 環境政務次官(第2次大平内閣)
- 1983年 - 自民党環境部会長(~1986年)
- 1984年 - 自民党婦人局長(~1986年)
- 1987年 - 参議院環境特別委員長
- 1989年 - 参議院外務委員長
- 1990年 - 国務大臣科学技術庁長官(第2次海部改造内閣)
- 1991年 - 自民党国民運動本部長代理
- 2001年 - 自民党北陸地方開発委員長(~2005年)
- 2004年 - 自民党両院議員総会長(~2007年)
- 2004年 - 自民党食育調査会長(~2007年)
- 2006年 - 参議院議員在職25年の永年勤続表彰
- 2007年 - 参議院副議長(~2010年)
- 2010年 - 自民党党紀委員長(~2019年)
- 2012年 - 自民党食育調査会長
- 2013年 - 参議院内閣委員長
- 2019年 - 参議院議長(~2022年)
活動
- 1987年、参議院環境特別委員長を務めていた時、ゴルフ番組「ゴルフだよ人生は」(テレビ東京)の収録で公害健康被害補償法に関する本会議を欠席したことが問題となり、2か月で委員長辞任に追い込まれた[19]。
家族
曾祖父は元神奈川県参事を務め、陸奥宗光の懐刀であった、紀州高野山出身の教育者・官僚である山東直砥[注釈 2][50][51]、大叔父は元衆議院議員の児玉亮太郎[52][53]。
所属団体・議員連盟
選挙歴
出演作品
テレビドラマ
- 若いやつ(1962年、TBS)
- お気に召すまま 第9話「挑戦者」(1962年、NET)
- 蒼い描点(1962年、CX)
- 赤穂浪士(1964年、NHK大河ドラマ)[1] - お蝶 役
- 青年同心隊 第4話「鬼の同心」(1964年、TBS) - おみね
- あしたの家族(1965年、NHK) - 陽子 役
- ザ・ガードマン(TBS / 大映テレビ室)
- 第75話「殺人者の館」(1966年)
- 第78話「宝を抱いて地獄へ行け」(1966年)
- 第87話「檻の中の女」(1966年)
- 第118話「大泥棒一家」(1967年)
- 第130話「結婚サギ師の多忙な生活」(1967年)
- 第145話「私の愛した死体」(1968年)
- 第173話「幽霊の招く館」(1968年)
- 第186話「奥様は泥棒稼業」(1968年)
- 第203話「怪談・呪いの館」(1969年)
- 第225話「嫁と姑がうまくいく方法」(1969年)
- 第320話「ボウリング場殺人事件」(1971年) - プロボウラーの笠松時枝 役
- 新吾十番勝負 第31話「必殺道場破り」(1967年、TBS / 松竹テレビ室) - お柳
- 渥美清の泣いてたまるか 第28話「ある結婚」(1967年、TBS / 国際放映)
- 快獣ブースカ 第28話「宇宙から来たんだ」(1967年、NTV / 円谷プロ) - 幼稚園の先生 役
- キイハンター 第16話「亡霊は真夏の太陽の下」(1968年、TBS / 東映) - ダイバーガール 役
- マイティジャック 第3話「燃えるバラ」(1968年、CX / 円谷プロ) - Qの殺し屋 役
- プロファイター 第3話「冷たい肌の女」(1969年、NTV / 宝塚映画)
- 大岡越前第2部 第6話「権三と助十」(1971年、TBS / C.A.L)
- さぼてんとマシュマロ(1971年 - 1972年 、NTV)
- 太陽にほえろ!(1972年、NTV / 東宝) - 新聞記者の美山優子 役
- 第1話「マカロニ刑事登場!」
- 第4話「プールサイドに黒いバラ」
- 第24話「ジュンのお手柄」
- 水曜ドラマスペシャル「妻の知らない夫の顔」(1986年、TBS / ユニオン映画)
映画
- 旗本退屈男 - 菊路 役
- 旗本退屈男 謎の蛇姫屋敷(1957年)
- 旗本退屈男 謎の南蛮太鼓(1959年)
- 少年猿飛佐助(1958年) - 百合姫 役
- 少年猿飛佐助 牢獄の姫君(1958年)
- 少年猿飛佐助 天空の白馬(1958年)
- 続一丁目一番地(1958年) - 大坪房子 役
- 鶯城の花嫁(1958年) - お時 役
- 殿さま弥次喜多 怪談道中(1958年) - お松 役
- 若君千両傘(1958年) - お菊 役
- 希望の乙女(1958年) - ピー公 役
- 柳生旅ごよみ 女難一刀流(1958年) - お初 役
- 娘の中の娘(1958年) - ヒデ 役
- 獣の通る道(1959年) - かつみ 役
- 素晴らしき娘たち(1959年) - 佐藤わか 役
- 空は晴れたり(1959年) - 西原ルリ 役
- 月光仮面
- 月光仮面 幽霊党の逆襲(1959年) - 大岡はる子 役
- 月光仮面 悪魔の最後(1959年) - 妙子 役
- 富嶽秘帖(1959年) - お雪 役
- 長七郎旅日記 - おさち 役
- 長七郎旅日記 魔の影法師(1959年)
- 長七郎旅日記 はやぶさ天狗(1959年)
- 特ダネ三十時間
- 特ダネ三十時間 拾った牝豹 午前零時の顔(1959年) - 小山レイ子 役
- 特ダネ三十時間 白昼の脅迫 女の牙(1960年) - 黒田ノリ子 役
- 特ダネ三十時間 笑う誘拐魔(1960年) - 川原トシ子 役
- 特ダネ三十時間 曲り角の女(1960年) - 川原トシ子 役
- 特ダネ三十時間 危険な恋人(1961年) - 黒木冴子 役
- 特ダネ三十時間 東京租界の女(1961年) - 伊沢まり 役
- 百万両五十三次(1959年) - お春 役
- 緋鯉大名(1959年) - お梅 役
- 拳銃を磨く男
- 拳銃を磨く男 あの女を探せ(1959年) - ミッチー 役
- 拳銃を磨く男 呪われた顔(1960年) - 横田陽子 役
- 天下の快男児
- 天下の快男児 万年太郎(1960年) - 若原若子 役
- 天下の快男児 突進太郎(1960年) - 小柴千秋 役
- 天下の快男児 旋風太郎(1961年) - ルリ子 役
- 野狐笛 花吹雪一番纏(1960年) - おはる 役
- ずべ公天使(1960年) - 秋子 役
- 続ずべ公天使 七色の花嫁(1960年) - 秋子 役
- 地獄の渡り者(1960年) - 大館リカ 役
- 波止場野郎(1960年) - マリ 役
- 警視庁物語
- 警視庁物語 血液型の秘密(1960年) - 民謡酒場の光子 役
- 警視庁物語 聞き込み(1960年) - 光子 役
- 十七才の逆襲 向う見ずの三日間(1960年) - チエ子 役
- つばくろ道中(1960年) - おなつ 役
- 嫁さがし千両勝負 恋しぐれ千両勝負(1960年) - お千賀 役
- ぽんこつ(1960年) - 犬塚花江 役
- 姿なき暴力(1960年) - 幾子 役
- 億万長者(1960年) - 鯛子 役
- 俺が地獄の手品師だ(1961年) - 弘子 役
- 若い涙を吹きとばせ(1961年) - 芳枝 役
- 花ざかり七色娘(1961年) - マッチ 役
- がめつい奴は損をする(1961年) - 由美 役
- 腕まくり七色娘(1961年) - ゆかり 役
- べっぴんさんに気をつけろ(1961年) - チャ子 役
- カメラ・トップ屋 お嬢さんが狙ってる(1961年) - 昌子 役
- 東京パトロール - 野村道子 役
- 東京パトロール 粋な二人のお巡りさん(1961年)
- 東京パトロール 終列車の少年(1961年)
- 万年太郎と姐御社員(1961年) - アイヌの娘 役
- 街(1961年) - 伊原律子 役
- 新婚シリーズ 月給日は嫌い(1962年) - 芦川亜子 役
- 最初が肝心(1962年) - 芦川亜子 役
- 暴れん坊一代(1962年) - お美耶 役
- 浪人街の顔役(1963年) - お弓 役
- 駅前シリーズ
- 忍法破り 必殺(1964年) - 巌修寺のかえで 役
- 殴り込み侍(1965年) - 八重 役
- 青いくちづけ(1965年) - 秋野文子 役
- あんま太平記(1965年) - 秋田すみ子 役
- 赤い鷹(1965年) - 小田菊子 役
- 恋と涙の太陽(1966年) - 花奴 役
- 関東も広うござんす(1967年) - 芸者小糸 役
- 濡れた逢びき(1967年) - おせん 役
- キングコングの逆襲(1967年) - スーザン・ワトソン(リンダ・ミラー)の声 役[4]
- 続セックスドクターの記録(1968年) - 山名京子 役
- 性犯罪法入門(1969年) - 池内幸子 役
- ダンプ・ヒップ・バンプ くたばれ野郎ども(1969年) - 坂本政子 役
- 喜劇 右むけェ左!(1970年) - 津田 役
- 女子学園 おとなの遊び(1971年) - 大庭光子 役
- 喜劇 昨日の敵は今日も敵(1971年) - 女医 役
- 起きて転んでまた起きて(1971年) - 竹田夫人 役
- 喜劇 泥棒大家族 天下を盗る(1972年) - 猪狩冬子 役
- RAMPO(1994年) - 伯爵夫人 役
- 手紙(2003年) - 校長 役
- しの(2003年)
吹き替え
俳優
- ヴァージニア・メイヨ
-
- ロッサナ・ポデスタ
-
映画
海外ドラマ
ラジオドラマ
レコード
著書
- 『がんばれ、日本の男たち』三笠書房 ぱぴるすbooks 1974
- 『個性派の節約178の作戦 物不足のときこそ効く』ロングセラーズ ムックの本 1974
バラエティ
ラジオ番組
CM
脚注
注釈
出典
外部リンク
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再編前 |
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再編後 | |
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省庁再編により、文部大臣と科学技術庁長官は文部科学大臣に統合された。テンプレート中の科学技術庁長官は国務大臣としてのもの。
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参議院外務委員長 (1989年-1990年) |
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参議院環境特別委員長 |
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第1回 (定数100) |
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†:当選無効・失格など、↓:途中辞職・死去など、↑:繰上げ当選または補欠選挙で当選(合併選挙で当選した3年議員を除く)。 |
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↓:途中辞職・在職中死去など、▼:除名、↑:繰上げ当選、x:繰上げなし |