街道歩きの旅(かいどうあるきのたび)、または街道歩き旅(かいどうあるきたび)は、テレビ東京の土曜スペシャルでかつてレギュラーシリーズとなっていた企画である。
概要
毎回3 - 5人・組の芸能人が、駅伝形式で街道を徒歩のみで踏破する旅であり、何かとハプニングやUターンなどがつきものの旅である。第11回以降は、お笑いコンビ1組が加わることがあり、この場合はその1組 + 2人で6日間を担当する。
初回である2008年5月以降、毎年5月頃・11月頃に定期的に放送されていて、現在までに18回放送されている(2016年は、土曜スペシャル自体が「ナイトウ旅行社」を中心としたリニューアルを行っていたため、当企画は放送されなかった)。「ナイトウ旅行社」が事実上終了し、1年5ヶ月ぶりに行われた第17回よりルールを一新。2人1組のペアを3組で6日間を担当する。
開始当初は、徒歩のみで街道を踏破することだけが目的であったが、後述する第6回から第16回は物々交換によってわらしべ長者を目指そうという目的も付け加わっている。なお、この物々交換ルールを切り出した派生企画として、2014年11月8日に『物々交換ふれあい旅』が放送された。
2018年3月10日放送を最後に、街道を徒歩のみで歩く企画は放送されておらず、事実上これが最終回である。なお後に、2021年10月30日に山崎弘也(アンタッチャブル)の冠企画である『ザキヤマの街道歩き旅』が放送されている[1]。ただしこれは、街道を舞台にしている部分は変わりないものの、ミッションで資金を得て食事ができたり、路線バス・タクシーに乗車できるルールとなっているため、当企画とは大きくコンセプトが異なる。
旅の基本ルール
各回共通のルール
- 移動手段は徒歩のみ
- 基本的には指定された街道どおりに歩く。街道から逸れて、名勝地などに寄り道をするのは自由だが、寄り道したら元の街道から逸れた場所に戻って先に進む。次の人のことも考えて距離を稼いで歩かなければいけない。
- 街道が、線路や工場等の私有地になっていて通行できない場合は、迂回して元の街道に戻れるように歩く。
- 第18回では、中山道が通っていた場所の一部が、八木橋百貨店(埼玉県熊谷市)の店舗内になっていたため、八木橋に撮影許可を得た上で、八木橋の店内(街道が通っていた場所)を通過した。
- 第15回では、埼玉県と山梨県の県境に雁坂トンネルがあり、トンネル内は歩行者の通行ができず、山道も雪のため通行ができないため、ヒッチハイクによりトンネル部分のみ車の利用が許可された。なお、このトンネル部分は歩行距離(126km)には含まれていない。
- 第16回では、3日目にカイヤが栂池高原で昼食をとろうとしたが、撮影当時スキーのオフシーズンなどにより飲食店が営業していなかったため、唯一営業していた山頂のレストランに行くため(街道の距離とは関係ないため)、ロープウェイの利用が許可された。
- 1人の芸能人または1組のお笑いコンビ(第16回まで)・1つのペア(第17回以降)につき2日間あり、3人(3組)ならば計6日間、4人(4組)ならば計8日間、5人(5組)ならば計10日間で目的地を目指す。
- アンカー以外は、2日目に宿を確保した時点で、次の芸能人(第17回以降は、ペアのうち誰か1人)に引き継ぎを行う(その際、次の人を予約した宿泊施設に呼び出すが、その連絡を受けている(仕事中ないし移動中のロケバスの)状況も映ることがある)。
- アンカーは、回にもよるが概ね17:00 - 18:00頃までの到着が求められている。入場料を徴収する史跡・博物館など閉館時間が決まっている場所ならば、閉館時間までの到着が厳守である(後述する第13回のように、「最終入館時間」ではないこともある)。閉館時間がない場所の場合は日没までの到着が厳守である(第15回で、日没までのクリアが必須であると明確になった[2])。第16回までは、ゴール直前でのGMとして『栄光の架橋』(ゆず)が流れるのがお約束だった。
- 第6回は最終日に大雨に見舞われたこともあり、稲村ヶ崎到着が夜間になった。
- 第7回は規定の日数(6日間)ではゴールの大山山頂到着に失敗(夕方以降の登頂が安全上自粛となっているため)。日程延長によりゴールに到達。
- 第12回は最終日にU字工事の益子が寝坊するハプニングがあり、その後大雨に見舞われ福田が調子を崩すも、日光市には何とか到達した。しかし、東武日光駅に着いた頃には既に日没後であり、ゴールの日光東照宮には閉館時間(17:00)に間に合わず、中に入ることはできなかった。
- 第13回はルール上は成功となっている。ただし、金山が2日目に寝坊と、夜遅くの鳥居峠越えを安全上断念したことで目標距離に遠く及ばなかったこと。及び最終日に浅田が道を間違える失態を犯したなどの理由から、閉館5分前の16:55に到着となり、藤村記念館の中に入っての見学はできなかった[3]。
- 第14回は各旅人がそれぞれの事情(ずんが足場の悪い街道を通過、秋本が夜間の峠越えを断念、大和田が初日に白河駅前の城下町散策に時間を費やす、それらの蓄積で最終日に距離が多く残ったこと)により、到着が夜間になった。
- 第16回は、アンカーの魔裟斗が方向音痴だったことなどにより思いのほか距離が稼げず、ゴールの松本城に着いたのは閉門(最終入館時間)1分前の16:29になり、危うくではあるが第12回以来のゴール失敗は免れた。
- 第19回は、アンカーが草野仁と前園真聖によるペアであったが、最終日開始時点で草野に足の爪が剥がれかかるアクシデントが発生。やむなく草野がリタイアとなり、第12回以来の失敗となった。なお、最終日は前園だけで旅自体は続け、日没前にゴールしている。
- 食事と泊まる場所は自分で確保し、取材交渉も自分で行う。これは、『土曜スペシャル』で同じく人気企画である「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」と同様である。
- あらかじめ泊まる場所を調べたり、予約しておく等はできない。仮に行った場所で宿がなければ(宿があったが満室だったり撮影許可が下りない場合も含め)、宿が見つかるまで歩き続ける。
- 予約でいっぱいないし取材NGなどの理由でホテルが全く確保できないこともあり、第1回(第9日)・第6回(初日)・第15回(初日)ではラブホテルに、第12回ではカラオケボックス(初日)に、第17回では本来はショートステイ目的の施設(初日)に宿泊したケースもある。
- 第17回で、ルール上ネットカフェでの宿泊は禁止の旨が説明されている。
- 第5回のデヴィ夫人は泊まる場所が見つからないまま深夜になってしまったため、特例で携帯電話で宿に電話した[4]。結局深夜0時にようやく銚子市内のビジネスホテルを確保した。そのため、翌日は昼頃と遅めのスタートになった。
- 第15回のどぶろっくは、17km程度歩いた寄居町内にホテルがあったが、17kmでは目標未達で距離を稼げないため通過。目標としていたかんぽの宿寄居が満室と判明し落胆。仕方なくかんぽの宿から先に進んだが、先には全く宿はおろか民家すらほとんどない状態になり、ようやく見つけたラブホテルに到着したときには深夜3時になっていた。こちらも翌日(厳密には宿に到着した当日)は昼頃と遅めのスタートになった。
第16回までのルール(物々交換ルール)
- 第6回以降、1日1回、一般人と物々交換を行うことが条件となっていた。最終日の場合は、物々交換をせずに目的地についたとしても、それはゴールとは認められない。最終的な品物は視聴者プレゼントになる(番組公式ウェブサイトで応募)。なお、スタートの品物は、今回旅をする街道に因んだものになっている。
第17回からのルール
- 旅人は、2人1組のペアで一緒に旅をする。
- この新ルールにより、物々交換ルールは廃止され、視聴者プレゼントも廃止された。
以下は、第17回のみのルール。
- ペアのうち誰か1人は、出発直前までもう1人が誰になるのかは知らされていない状態で迎える。
- 旅をする街道の地図が渡されるので、その地図に記されている宿場に立ち寄ったら、地図に丸をつけること。
- 丸をつけていいのは、そこに宿場町があった証拠が見つかった時のみである(宿場後の石碑がある、その宿場を宣伝する看板がある、宿場があったことを示す古文書を持っている人を見つけた等)。
放送リスト
断りのない限り、土曜スペシャル内での放送。成否の欄で斜体字になっている回は、放送当時は「失敗」扱いにしていないが、後に「日没前のゴール」が明確化されたことに照らし合わせると失敗に相当することを示している。
第1回 - 第16回(個人・お笑いコンビ単位時代)
第17回以降(ペア時代)
スタッフ
- 第17回放送分
- ナレーター:槇大輔
- 構成:中丸智司、清隼一郎
- 撮影:大鋸玄記
- VE:山口聡
- 音声:片山健
- 編集:小川洋行
- MA:宮嶌宏道
- 音効:江連隆太郎
- 番宣:長江璃奈(テレビ東京)
- 技術協力:千代田ビデオ、テクノマックス
- AD:町田賢治、栗栖竜、手島梨絵
- AP:笠原由貴
- 制作協力:Oidooon
- ディレクター:大野寿之、井上陽二郎
- 演出:木戸隆文
- プロデューサー:高橋伸幸
- チーフプロデューサー:中居義孝
- 製作:テレビ東京、PROTX
- 過去のスタッフ
- 構成:兵頭潤、政宗史子、弓場伸治(第6 - 8,10 - 13回)
- 撮影:高師専吉(第13回)、新井直樹(第13回)、小村以織(第8,13回)谷口知己(第8回)、木戸康治、中馬越直人( - 11回)、杠政寛(第11回・第10回はディレクター)、松下謙二(第12回)、城戸康治、中村裕介(第12回、? - 第11回はディレクター担当)
- 音声:富成英貴(第8回)小笹直樹(第7,10 - 13回)、永井充(第13回)
- 照明:高橋勇士(第7回)、牛越宏明(第8回)、増田直人(第8回)、安間知子(基本的には照明を担当する。第8回は撮影・第10回は音声)、田村裕(第10,11回)、春本一大(第12回)、瀬尾慎太郎(第12回)
- 編集:井上達生(第8回)、本郷孝之、庄司裕幸(第6,7,10回)、小川洋行(第12回)
- MA:大矢研二(第8回)、武田明資(第6,7,10回)、大前智浩(第11回)
- 番宣:外池由美(第6,7回)
- 撮影協力:セイコースポーツライフ
- AD:田口稔大(第8回)、東山紗也、染谷薫、山田翔太(第11,12回)、山本詩織(第12回)
- ディレクター:青山海太(第7回)、祖山聡、長谷川たかし、高橋伸幸、辻章太郎(第10,12,13回・第11,13回はディレクター)、渡邊展久(第8,11 - 13回・第10回は演出、撮影担当回あり)、柳川邦顕(第10,12,13回・第6,7回はAD、第11回は撮影)
- 演出:井上雅晴(第8,9,11回・第7回までディレクター、第10回のみプロデューサー)藤掛匡史(第6,7,12,13回)
- プロデューサー:越山進
- プロデューサー → チーフプロデューサー:田中智子
- チーフプロデューサー:斎藤勇
脚注
- ^ “ザキヤマの街道歩き旅”. テレビ東京 (2021年10月30日). 2021年11月5日閲覧。
- ^ 第17回では、18:00までに到着することと紹介されていたが、スタッフより日没までにゴール達成できた旨が知らされていたので、こちらも実際は日没までのクリアが条件だったものと思われる。
- ^ これは、最終入館が16:45のため(藤村記念館公式ウェブサイトを参照)。館内の様子はVTR紹介でフォローされた。
- ^ 途中に舟宿はあったが、そこにデヴィ夫人を泊めるわけにはいかず、向かっていた銚子市内でバス・トイレ付きのホテルを確保する必要があったため。
- ^ 土曜スペシャル同時ネット局のうちテレビ北海道は、自社制作の単発ローカル番組「森永卓郎の発見!道内企業のソコヂカラ〜時代を創る北の経済スピリッツ〜」に差し替えたため12月1日に放送。遅れ放送は当初11月17日を予定していたが、「緊急生放送!池上彰の“ニッポンの政治”を見に行く〜家族でわかる国会解散と総選挙の行方〜」の同時ネット放送に急遽変更することになったため延期となっていた。BSジャパンでは26日遅れで、11月22日(木曜日17:00)に放送。テレビ北海道・BSジャパンとも遅れ放送では視聴者プレゼントがすでに締切となっているものの、視聴者プレゼントの告知はマスター送出で「現在、応募は終了しております」のテロップを挿入した程度で、そのまま放送された。エンディングの視聴者プレゼントの告知部分はBSジャパンでは「現在、応募は終了しております」のテロップを挿入した静止画に差し替えた程度でナレーションはそのまま放送されたが、テレビ北海道では視聴者プレゼントの告知がカットされ、番組案内スポットに差し替えた。なお、テレビ北海道では当初、一部の新聞テレビ欄(北海道新聞など)では「紅葉に包まれた極上温泉」(テレビ北海道と奈良テレビを除く同時ネット局で放送)が記載されていたため、番組開始冒頭のテロップおよびテレビ北海道ホームページのトピックスの欄で「一部の新聞発表と内容が異なりましたことをお詫び致します」と表記されていた。
- ^ 2時間半に拡大した完全版として18:30からの放送となるが、TXN系列ではテレビ東京のみの放送となり、その他のTXN系列各局(元から土曜スペシャル非ネット局であるTVQ九州放送を除く)は18:30-19:00の自社ローカル番組を通常放送する都合上、19:00-20:54の時間帯は別の単発番組に差し替え(そのうち、奈良テレビは3月16日、テレビせとうちは3月23日にそれぞれ2時間の短縮版を19:00から放送)。独立局では岐阜放送とびわ湖放送が同時ネット。なお、第6回から第10回までは90分短縮版、本編放送時間が2時間30分に拡大された第11回以降は90分短縮版および2時間短縮版では、物々交換のシーンがカットされている。
- ^ 途中でタイガーズアイのブレスレッドと交換したところ、最終的に4万円の自転車に化けたことから、幸運を呼ぶグッズとして登場。
- ^ 新白河駅の所在地は西白河郡西郷村であり、宿泊したホテルも新白河駅前にあるが、ホテル自体の住所は白河市内である。
- ^ 宇都宮は餃子およびジャパンカップサイクルロードレース(自転車)で有名であり、両方に因んである。なお、放送日である2014年10月18日は、ジャパンカップサイクルロードレース(クリテリウム)の開催日でもある。
- ^ 物々交換を行った福島県須賀川市は、ウルトラマンの生みの親でもある円谷英二の出身地で、須賀川市とM78星雲光の国は姉妹都市関係を結んでいる。
- ^ 19:00-19:30には『必笑!』(東京メトロポリタンテレビジョン)にも出演していたため、関東地区での当該時間は重複出演の形になる。
関連項目
外部リンク