ウメノファイバー (英: Umeno Fiber)は日本の競走馬、繁殖牝馬。おもな勝鞍は、優駿牝馬、京王杯3歳ステークス、クイーンカップ。1999年JRA賞最優秀4歳牝馬(部門名は当時)。東京競馬場を得意とした。
以下、馬齢は旧表記(数え年)とする。
経歴
3歳
1998年7月函館競馬場でデビュー。2戦目となる折り返しの新馬戦で初勝利を挙げた。函館3歳ステークスでは、追い込んで4着に入線。素質の片鱗を見せた。
札幌3歳ステークスを経て、京王杯3歳ステークスに出走。大外から鮮やかに差し切り重賞初制覇を果たした。続く阪神3歳牝馬ステークスを6着として、3歳シーズンを終える。
4歳
4歳初戦のクイーンカップでは、レッドチリペッパーが断然の人気を集めたが、上がり3ハロン34秒6の末脚で同馬をクビ差抑えて勝利する。この後、桜花賞に直行するが、プリモディーネの6着に敗れた。次走の優駿牝馬では血統的に距離が長いと判断され、7番人気にとどまった。レースでは後方で脚をため、直線で抜け出したトゥザヴィクトリーを大外から強襲、ハナ差とらえて優勝した。
その後は、ぶっつけで秋華賞に出走。12番人気のブゼンキャンドルが制する波乱の展開だったが4着に食い込んだ。次走のジャパンカップは強豪がひしめく中では厳しく12着に大敗した。
5歳
古馬となってからは、京王杯スプリングカップの4着が唯一の掲示板入りだった。東京競馬場でのレースでは穴人気を集めるなどファンの期待は依然として高かったが、優駿牝馬で見せた末脚がよみがえることはなく、2000年の阪神牝馬特別の6着を最後に現役を引退した。
引退後
競走馬引退後は生まれ故郷の斉藤安行牧場(YSスタッド)、その施設と事業を継承したハクレイファームで繁殖牝馬として暮らしていた。しかし、ウメノファイバー自身の産駒に重賞を勝利するような産駒は現れなかった。
2019年をもって繁殖を引退し、のちの2021年9月21日に老衰により死亡した[2]。25歳没。
競走成績
以下の内容はnetkeiba.comの情報[4]に基づく。
競走日 |
競馬場 |
競走名 |
格 |
距離(馬場) |
頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 |
タイム (上り3F) |
着差 |
騎手 |
斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) |
馬体重 [kg]
|
1998.07.12
|
函館
|
3歳新馬
|
|
芝1200m(良)
|
10
|
5
|
5
|
012.10(5人)
|
07着
|
R1:13.6(38.2)
|
-1.3
|
0山本康志
|
53
|
エイシンコールマン
|
412
|
0000.07.26
|
函館
|
3歳新馬
|
|
芝1000m(良)
|
8
|
8
|
8
|
018.80(5人)
|
01着
|
R0:59.1(35.6)
|
-0.3
|
0山本康志
|
53
|
(クリムゾンクローバ)
|
412
|
0000.08.02
|
函館
|
函館3歳S
|
GIII
|
芝1200m(良)
|
16
|
4
|
7
|
090.7(15人)
|
04着
|
R1:11.7(36.7)
|
-0.6
|
0山本康志
|
53
|
リザーブユアハート
|
412
|
0000.09.26
|
札幌
|
札幌3歳S
|
GIII
|
芝1800m(良)
|
14
|
8
|
13
|
044.30(8人)
|
07着
|
R1:51.7(38.1)
|
-1.4
|
0山本康志
|
53
|
マイネルプラチナム
|
418
|
0000.11.14
|
東京
|
京王杯3歳S
|
GII
|
芝1400m(良)
|
9
|
8
|
9
|
018.50(6人)
|
01着
|
R1:22.8(35.4)
|
-0.1
|
0蛯名正義
|
53
|
(ロサード)
|
416
|
0000.12.06
|
阪神
|
阪神3歳牝馬S
|
GI
|
芝1600m(稍)
|
13
|
3
|
3
|
013.10(8人)
|
06着
|
R1:38.9(39.1)
|
-1.9
|
0柴田善臣
|
53
|
スティンガー
|
414
|
1999.02.21
|
東京
|
クイーンC
|
GIII
|
芝1600m(良)
|
16
|
1
|
2
|
007.70(2人)
|
01着
|
R1:36.6(34.6)
|
-0.1
|
0蛯名正義
|
54
|
(レッドチリペッパー)
|
420
|
0000.04.11
|
阪神
|
桜花賞
|
GI
|
芝1600m(良)
|
18
|
6
|
11
|
021.80(8人)
|
06着
|
R1:36.3(36.9)
|
-0.8
|
0蛯名正義
|
55
|
プリモディーネ
|
416
|
0000.05.30
|
東京
|
優駿牝馬
|
GI
|
芝2400m(良)
|
18
|
8
|
16
|
016.90(7人)
|
01着
|
R2:26.9(34.6)
|
-0.0
|
0蛯名正義
|
55
|
(トゥザヴィクトリー)
|
428
|
0000.10.24
|
京都
|
秋華賞
|
GI
|
芝2000m(良)
|
18
|
5
|
10
|
008.50(4人)
|
04着
|
R1:59.5(36.6)
|
-0.2
|
0蛯名正義
|
55
|
ブゼンキャンドル
|
444
|
0000.11.28
|
東京
|
ジャパンC
|
GI
|
芝2400m(良)
|
14
|
2
|
2
|
020.60(8人)
|
12着
|
R2:28.1(37.7)
|
-2.6
|
0蛯名正義
|
53
|
スペシャルウィーク
|
446
|
2000.05.14
|
東京
|
京王杯SC
|
GII
|
芝1400m(良)
|
18
|
7
|
14
|
084.8(12人)
|
04着
|
R1:21.3(34.1)
|
-0.3
|
0佐藤哲三
|
56
|
スティンガー
|
446
|
0000.06.04
|
東京
|
安田記念
|
GI
|
芝1600m(良)
|
18
|
7
|
13
|
010.10(8人)
|
12着
|
R1:34.7(34.9)
|
-0.8
|
0後藤浩輝
|
56
|
フェアリーキングプローン
|
440
|
0000.10.15
|
東京
|
府中牝馬S
|
GIII
|
芝1800m(良)
|
13
|
7
|
11
|
007.80(4人)
|
11着
|
R1:49.8(34.7)
|
-1.5
|
0佐藤哲三
|
56
|
トゥザヴィクトリー
|
454
|
0000.11.12
|
京都
|
エリザベス女王杯
|
GI
|
芝2200m(良)
|
17
|
4
|
8
|
014.90(5人)
|
12着
|
R2:14.1(34.2)
|
-1.3
|
0O.ペリエ
|
56
|
ファレノプシス
|
450
|
0000.12.17
|
阪神
|
阪神牝馬特別
|
GII
|
芝1600m(良)
|
14
|
1
|
1
|
033.8(10人)
|
06着
|
R1:34.9(35.3)
|
-1.1
|
0佐藤哲三
|
56
|
トゥザヴィクトリー
|
450
|
優駿牝馬をはじめ重賞3勝を挙げる活躍をしたが、1番人気での出走は現役中1度もなかった。
繁殖成績
初仔レディーダービーが、ヴェルデグリーン(2013年オールカマー、2014年アメリカジョッキークラブカップ)、グリューネグリーン(2022年京都2歳ステークス)の2頭の重賞勝ち馬を産んでいる。
※成績は2024年2月27日現在
血統表
母のウメノローザは、グランドチャンピオン2000を制する[20]など大井競馬場で活躍。母を管理した大井競馬の調教師・石田貞雄によれば、その産駒の多くは小柄であったため、本馬を含めた牝馬の産駒については、芝コースで走らせるべく中央競馬へ送ることになったという[20]。
近親には京王杯スプリングカップなどを制したウインラディウス、セントライト記念を制したサンデーウェルなどがいる。5代母は1947年の皐月賞・優駿牝馬を制し東京優駿(日本ダービー)も2着、繁殖牝馬としても成功を収めたトキツカゼである。さらに牝系を遡ると、小岩井農場の基礎輸入牝馬の一頭であるフラストレートにたどり着く。
脚注
外部リンク
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(旧)最優秀4歳牝馬 |
1950年代 | |
---|
1960年代 | |
---|
1970年代 | |
---|
1980年代 | |
---|
1990年代 | |
---|
2000年代 | |
---|
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最優秀3歳牝馬 |
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- 1 2001年より馬齢表記法が数え年から満年齢に移行
*2 1972年、1981年は2頭が同時受賞 *3 1954-1971年は「啓衆社賞」、1972-1986年は「優駿賞」として実施。
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1930年代 | |
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1940年代 | |
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1950年代 | |
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1960年代 | |
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1970年代 | |
---|
1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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