『劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!』(げきじょうばん ゲゲゲのきたろう ニッポンバクレツ!!)は、2008年12月20日に公開された『ゲゲゲの鬼太郎』第5期テレビシリーズの劇場版作品。配給は東映。カラー。ビスタサイズ。ドルビーデジタル。上映時間は83分。
解説
映画シリーズでは本作から前作までのセル画からデジタル制作に移行した。2008年はテレビアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』が1968年の第1期放送開始から40周年となる節目の年に当たり、第5シリーズとしては初の長編アニメーション映画である本作は40周年を締めくくるビッグプロジェクトと位置付けられている。この映画の出来事は当時はまだ放送中だったTVシリーズ最終回(第100話)の後に起きた事件とされ、劇中に合計120体の妖怪が登場する。結果的に第5シリーズの最終エピソードとなった。
ストーリーは完全オリジナル。特色として公開地域別の「ご当地バージョン」があり、ネコ娘が本編のワンシーンにおいて上映地域にちなんだコスプレを披露し、各地の名所を駆け抜ける(名所の詳細は公式サイトを参照)。DVDやブルーレイではそのご当地全てを収録。
本編の前にはおまけ映画として「ゲゲゲ祭りだ!! 五大鬼太郎」が上映された[2]。この映画にはかつてのデザイン(色彩)を再現した鬼太郎が登場、なおかつ今まで鬼太郎を演じた野沢雅子、戸田恵子、松岡洋子も出演し、かつての鬼太郎を演じている。劇中には映像のみだが歴代猫娘、歴代ねずみ男、歴代一反木綿も登場している。
DVDレンタルは2009年6月12日。DVD&ブルーレイ発売は2009年6月21日。
ストーリー
風祭華は、最近起こり始めた身の回りの怪奇現象に悩み、幼い頃祖母より教わった「ゲゲゲの鬼太郎」に助けを求める手紙を出す。
その声に応じた鬼太郎だったが、華は鏡爺に連れ去られ、同時に家族は華の記憶を失ってしまった。鬼太郎も鏡の世界に閉じ込められ、仲間たちは全国各地に飛ばされてしまった。
何とか脱出する鬼太郎と華だったが、家族に忘却されたショックから華の頭に「人間の世界なんか壊れてしまえばいいのに」と世界の消滅を望む思いが過ぎり、それをキッカケに妖怪たちに異変が起こりはじめた。さらにその陰では、閻魔大王すら苦しめた恐るべき真の黒幕・古代妖怪ヤトノカミが復活しようとしていた。
鬼太郎はヤトノカミの復活を阻止しようとするが、ヤトノカミは華の魂を取り込み復活してしまう。圧倒的な力に全く歯が立たない鬼太郎だが、改心した鏡爺の協力で華の魂を取り戻し、四十七士の力も借りてヤトノカミを倒すことに成功するのだった。
登場キャラクター
鬼太郎とその仲間
- 鬼太郎
- 主人公。華を助けるために、ヤトノカミと戦う。
- 目玉おやじ
- 本作でも物知りで妖怪に詳しいところを随所で見せている。
- ネコ娘
- 日本各地に飛ばされてしまい、妖怪横丁に帰れなくなり焦る。
- ねずみ男
- マヤに変身した大蛇女に利用されたが、鬼太郎を放っておけず彼に協力する。
- 砂かけ婆
- 本作でも得意の砂かけ攻撃を披露する。
- 子泣き爺
- 北海道に飛ばされてしまう。
- ぬりかべ
- 本作でも怪力を見せる。
- 一反もめん
- 沖縄県に飛ばされてしまう。
- 閻魔大王
- 過去にヤトノカミと戦って封印したが、その際に地上に被害が出たことがあり、鬼太郎に事件の異変を知らせる。
妖怪横丁
- 蒼坊主
- 偶然ネコ娘と出会い、共に今回の異変に気付く。
- ぬりかべ女房
- ピンクの体色を使って壁と合体していた。
- かわうそ
- 本作でも口から水を吐く攻撃を披露。
- アマビエ
- 本作でもかわうそとコンビで活躍する。
- 呼子
- 本作でも呼び声による攻撃の大音響を見せる。
この他にも、小豆洗い、傘化け、油すまし、妖怪横丁の会長などが登場する。
妖怪四十七士
日本列島47都道府県のご当地妖怪。鉄鼠以降の未覚醒の妖怪は呼子の呼び声によって覚醒した。
- 雪女(葵)
- 赤舌
- 夜道怪
- なまはげ
- タンコロリン
- 座敷童子
- 火車
- 輪入道
- 白坊主
- 岩魚坊主
- 波小僧
- アカマタ
- 猫又(ノラ)
- 亀姫
- 長壁姫
- 黒鴉
- 以上はすでに覚醒していた妖怪たち。
- 鉄鼠
- 刑部狸
- 一本ダタラ
- 磯女
- すねこすり
- ひょうすべ
- 山爺
- 雷獣
- セコ
- ミンツチ
- わいら
- かぶきり小僧
- 一つ目小僧
- みかり婆
- 団三郎ムジナ
- 若狭の人魚
- ヤカンズル
- 松の精霊
- 一目連
- おさん狐
- 手洗い鬼
- ヤンボシ
ゲストキャラクター
- 風祭 華(かざまつり はな)
- 中学生の少女。黒髪のポニーテールが特徴。文武両道で、呼子から「完璧な美人」と評される。その一方で、心優しい性格にもかかわらず母親の教育方針もありそっけない態度をするせいで周囲からはきつく冷たい性格と思われて友達はいない。
- 風祭 京夜(かざまつり きょうや)
- 華の弟と思われたが、実は妖力で風祭家の人々の記憶を操作して存在しない弟として潜入したヤトノカミの仮の姿。弟を演じながら華の周囲との絆を徐々に壊す計略を実行し、風祭家の人々や周囲の人間から華の記憶を消して彼女を絶望させるまで追い込む。
- 風祭 琴(かざまつり こと)
- 華の母。鏡爺には「お琴ちゃん」と呼ばれている。ヤトノカミの術にかかり華のことを忘れてしまう。
- 華の祖母
- 華が幼い頃に鬼太郎を教えた。
- 鏡爺
- 鏡に出入りすることができる老人の妖怪。ヤトノカミに利用されてしまう。
- 日比野 マヤ(ひびの マヤ)
- 華の担任教師と思われたが、正体はヤトノカミの牙の欠片から生まれた大蛇女。ねずみ男が惚れた。
- ヤトノカミ
- 本作の黒幕。凶暴な性格の蛇神。閻魔大王に敗れ封印されていた。
スタッフ
キャスト
日本爆裂!!
ゲゲゲまつりだ!!五大鬼太郎
- 一期鬼太郎・二期鬼太郎:野沢雅子(特別出演)
- 三期鬼太郎:戸田恵子(特別出演)
- 四期鬼太郎:松岡洋子(特別出演)
- 五期鬼太郎:高山みなみ
- 目玉おやじ:田の中勇
- ネコ娘:今野宏美
- ねずみ男:高木渉
- のり平鬼太郎:小林のり一(特別出演)
主題歌
- ゲゲゲの鬼太郎
- 作詞:水木しげる 作曲:いずみたく 編曲:ザ50回転ズ 歌:ザ50回転ズ、妖怪横丁レギュラーズ(高山みなみ、田の中勇、高木渉、今野宏美、龍田直樹、八奈見乗児)
- テレビシリーズで使用したものに鬼太郎ファミリーが「妖怪横丁レギュラーズ」名義で参加している。また、鬼太郎ファミリー以外の妖怪横丁レギュラーズが参加したバージョンもある。
ご当地バージョン
その他
中部・北陸版のみ、中日ドラゴンズのマスコットであるドアラが登場している。
脚本・シリーズ構成を担当した三条は、雑誌『オトナアニメ』のインタビュー[要文献特定詳細情報]で、本作に登場する鬼太郎が恋をする人間の少女・風祭華をテレビアニメ第3シリーズに登場した天童ユメコのオマージュだと明かしている。鏡爺は第3シリーズでユメコが初登場したときの妖怪であり、劇場版で華と共に登場させるためにあえてテレビシリーズでは出さなかったという。
「劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂」製作委員会
脚注
外部リンク
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共:共同制作、製:製作のみ、実制作未担当 |