高山みなみ
高山 みなみ(たかやま みなみ、1964年〈昭和39年〉5月5日[9] - )は、日本の女性声優、歌手、ナレーター[5]、作曲家。東京都足立区出身[10]。81プロデュース所属[3]。ES CONNEXIONおよびTWO-MIXのメインヴォーカル[11]。本名は新井 泉(あらい いずみ)[1][2]。漫画家の青山剛昌は元夫。 代表作に『魔女の宅急便』(キキ、ウルスラ)、『忍たま乱太郎』(猪名寺乱太郎)、『名探偵コナン』(江戸川コナン)、『ドラえもん(テレビ朝日版第2期)』(スネ夫のママ)[8]。 経歴生い立ち一般家庭よりも芸能界に近かったこと、母が高山の芸能界入りを考えていたこともあり、幼少の頃よりバレエ、日本舞踊、声楽などを習う[12][13]。子供の頃は通知表に書かれるほど正義感が強く、向いていると考えた警察官になることを目指していた[14][12]。卒業文集の将来の夢を書く欄には、「警察官になりたい」と書いていた[13]。交通安全指導で腹話術が必要であると思い、中学校時代の1978年に劇団ひまわりに入団、4年間在籍した[10]。しかし実際には芸能界入りは親の意向であり高山はその気はなく敷かれたレールを走らされているように感じ、腹話術のことは演技の勉強をさせるための理由付けで自分が考え出したものではなかった[15]。高校時代にラジオ『はしゃいで○○大放送』のディスクジョッキーコンテストの女子中高生DJコンテストで優勝、ラジオ好きで自由なトークへの魅力や声の仕事を面白く感じてDJになることを考えた[15][16][17]。 キャリア東京都立足立西高等学校卒業後[10]、DJになる方法がわからず芝居を続けるために日本工学院専門学校演劇科に入学[12]するが、先行きが不安になり芝居一切を止めようと中退して一時はOLとして働いていたものの、電話を取り次いだときに相手から「いい声だね」と褒められたことがきっかけで22歳で声優を目指し[14]、1985年にサンハウスミュージック声優部に入所するが[10]、その後に知り合ったマネージャーに声の仕事がしたいならうちに来ないかと誘われ1986年9月より81プロデュースに入所[2]、3年の新人期間のうち2年で芽が出なければ諦めてくれと言われ1年で結果を出そうと決心する[13][16][17]。 当初はヒロイン役のオーディションを受けていたが、可愛らしく読もうとしても「もっと女の子らしく」と別々の音響監督から言われ、3回連続で落ちたことからヒロインは向いていないのかもしれないとマネージャーに相談して少年役のオーディションを受けることになる[16]。1987年に『学園特捜ヒカルオン』の女子生徒役でデビュー[4]。その後少年役を回してもらうようになって3回目で『ミスター味っ子』の味吉陽一役で初主演を果たした[16]。 1989年には、アニメ映画『魔女の宅急便』でキキとウルスラの二役にも抜擢され、作品もヒット、一人二役は急遽決まったことで新人の自分には責任が持てないと断ろうとしたが宮崎駿から「責任は自分が持つから安心して」と言われ、自分が持てる限りのアンテナを駆使して挑戦、声優としての転機になった作品であった[12]。 ところが、このことで大役でないと受けてもらえないと思われ一時的に仕事が激減[12]、レギュラーが『らんま1/2』シリーズの天道なびき役のみという時期もあり、落ち込むが気を取り直して近所でアルバイトを始め、1990年代に入ると、『楽しいムーミン一家』(ムーミン役)、『まじかる☆タルるートくん』(江戸城本丸役)、『剣勇伝説YAIBA』(鉄刃役)など、少年役を中心に多くの作品で主人公・主要キャラクターを演じるようになり[12]、人気も定着。特に主役を演じている『忍たま乱太郎』の猪名寺乱太郎役と『名探偵コナン』の江戸川コナン役は、それぞれ1993年・1996年の放送開始から20年以上続いており、幅広い世代に高山の声が認知されることとなった。2007年には『ゲゲゲの鬼太郎(第5作)』で鬼太郎役[18]、2010年には『デジモンクロスウォーズ』で工藤タイキ役をそれぞれ担当[19]。 2011年には、第5回声優アワードにおいてシナジー賞(『名探偵コナン』)を受賞した[20]。 2017年1月9日、テレビ朝日にて放映された『人気声優200人が本気で選んだ!声優総選挙!3時間SP』で第7位に選ばれる[21]。 特色声優役柄としては、少年役で知られているが、女性役も多く演じることもある[15]。 歌手活動ES CONNEXIONや、TWO-MIX、高山美瑠とTWO-MIXとで高山美瑠 with TWO-MIXや高山美瑠とのユニットM★TWO-MinaMiru-として音楽活動も行う。『新機動戦記ガンダムW』の主題歌などで歌手として歌声を披露する一方、作曲も行っている。『名探偵コナン』第81話(1997年11月17日放送)では、TWO-MIX本人として永野椎菜と共にキャラクターとして登場した回もあり、同アニメのオープニングテーマを歌っていた時期もある[22]。 また、2005年にはジョー・リノイエを迎え入れ、II MIX⊿DELTAとして2007年にアニメ『キスダム -ENGAGE planet-』の主題歌を手がける。 人物・エピソード自身の長所を「のんびりしている」、短所を「のんびりし過ぎている」と評している[23]。 恩師のように敬愛する人物として、デビュー時から世話になっていた飯塚昭三を挙げている[24]。共演作である『忍たま乱太郎』のスタジオでは恩返しをしている気持ちであったといい、飯塚が稗田八方斎役を降板するまでやり取りができて幸せであったと語っている[24]。また、一龍斎貞友によると飯塚は見事にサポートをしており、高山の言うことは必ず聞いて頼りにしていたという[24]。 上述の仕事が激減していた際、唯一のレギュラーとして支えになっていたことから、思い入れの深い役柄の1つに天道なびきを挙げている。 『名探偵コナン』関連2005年5月5日、主演を務めた『剣勇伝説YAIBA』・『名探偵コナン』の原作者である漫画家の青山剛昌と誕生日に結婚[25][26]。しかし、2007年12月10日に離婚していたことが報道された[27]。ただしその後も「『名探偵コナン』の原作者と主演声優」としての関係は良好に続いており、現在も疎遠な仲ではない。結婚の際に贈られた愛猫・カイトは高山が引き取って飼い続けており、ブログでも元気な様子が報告されている[28]。 『名探偵コナン 沈黙の15分』の公開初日の舞台挨拶で震度4の地震が発生。とっさの判断で「地震、落ち着け〜。大丈夫、コナンがついてるからね」とコナンの声で子どもたちを落ち着かせた[29]。 コナンについては番組開始から長年演じ続けていることから、インタビューの度に「体の一部になっている」と公言している[16][30][31]。年間スケジュールが『コナン』で決まっていくこともあり[32]、座長として年に1回の旅行やバーベキューの計画を立てるなどして毛利蘭役の山崎和佳奈らレギュラー共演者らとはアットホームな関係になっており[31][33][34]、自身のライフワークに挙げている[31]。 コナン役は青山の前作『YAIBA』で鉄刃を演じていたためにイメージがしやすく、青山も「ぜひ」と言ったことから、オファーを受けて決まった[35]。 コナンを演じる時に、特に気を付けていることは1日がものすごく濃いが、常に「半年しかたってねーよ」と思っていることだという[36]。2016年時点ではコナンの身体が幼児化されたあの日から、蘭を20年も待たせているように見えるが、「そんなことはないぞ」と語る[36]。 役作りで苦労することはコナンが知っているところまでしか、情報を入れないようにしている[36]。誰かが先を知っていたとしても聞けず、答えや未来を知ってしまうと、通じさせる演技になりそうだという[36]。先がわからないからこそ、真剣に考え、向き合え、楽しいという[36]。 もともと警察官の中の捜査一課の刑事になりたいと思っていたことから探偵物にとても興味を持っており、実際のプロファイリングなどにも興味があり、ノンフィクション系の事件ファイルや犯罪心理学のものなど沢山の本を所有している。また作中の事件トリックが本当に出来ることなのかどうかが気になり、留守番電話のテープを引き出しておいて、本の下に鍵を滑り込ませる方法(単行本18、19巻)を試していたり、灰原哀役の林原めぐみとの間でも謎解きの話をよくしている[要出典]。 セロハンテープをドアのU字ロックに貼り付けて、ドアの隙間を通して引っ張って密室を作る方法(SSC8巻 FilE6)を新潟で一泊したキャスト陣に試して欲しいことを頼んでいて、実際に出来ることが判って大騒ぎになったと聞いている。「自分がその場にいなかったのは残念でしたが、本当に出来ちゃったんですよ、密室が!ただ、テープの跡はしっかり残るそうなので、見破られますね(笑)」と述べている[37]。 携帯電話の電波の入らない状況を狙った犯行のトリック(SSC30巻 FILE2)高木と佐藤が被疑者を護送している間、新幹線のトイレで被疑者が殺害されてしまう事件。三島から熱海の辺りでは、携帯が圏外になってしまうことが前提だったため、「そうだったっけ?」と思ってトンネルで電波状況を確認したとのこと。「そうしたら、本当にブチブチと途切れ途切れになったり、全然通じなくなってしまって、確認できました(笑)。今はもうすっかり携帯も通じるようになったので、あれは通用しませんね。20年の間に時代が変わったのは当たり前ですよね。以前のトリックが使えなくなったのは、ちょっと寂しい気もしますが…」と述べている[37]。 『コナン』の中で思い出に残るエピソードは『ピアノソナタ『月光』殺人事件』、『謎めいた乗客(後編)』を挙げており[36]、特に犯人の自殺を止められなかった唯一のエピソードである『ピアノソナタ『月光』殺人事件』はインタビューの度に「忘れてはいけない事件」として語っている[33][38]。 『忍たま乱太郎』関連コナンは自分の地と変わらないキャラクターとしている一方で、乱太郎は視力が悪い、走るのが速い、絵が上手いなど自分にないものを持っているキャラクターだと語っている[39]。それぞれ別の魅力があり、演じる上で大変さは全くなく、演じ分けの苦労も全くないという[40]。 乱太郎は自身とは遠いキャラクターだが、演じていて楽しいと語っており[39]、演じる上ではもう意識することは何もなく、あの顔と仕草で出てきてしまうという[41]。放送開始当時は初めての眼鏡キャラ、能天気なキャラと経験のないタイプだったので自信がなかったという[42]。 『コナン』と同様に長く続いている作品であることから、「アルバムのような作品です。普段忘れていても、何かきっかけがあって写真を見たら頭に浮かぶように、何かワードが出てきたら思い出せる」と思いを語っている[41]。新シーズンが始まると「は組のみんながそろったら宴会だね」と一年は組の声優陣で宴会をするなど、『忍たま乱太郎』の共演者とも良好な関係を築いている[39][43][44]。 第3次オーディションでは乱太郎役以外にもきり丸役も受けていた[42]。 『忍たま乱太郎』で好きなエピソードとして、『劇場版アニメ 忍たま乱太郎 忍術学園 全員出動!の段』を挙げている。あまり自覚していない感じだったが、「人のためになることがしたいんだ」という乱太郎の姿が印象に残ってるといい、「そんな乱太郎が好きですし、乱太郎が保健委員で本当によかったと改めて思いました」と語っている[45]。 出演太字はメインキャラクター。 テレビアニメ
劇場アニメ
OVA
Webアニメ
ゲーム
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吹き替え担当俳優・女優
映画
ドラマ
アニメ
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ラジオ※はインターネット配信。
ラジオドラマ
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デジタルコミック
ナレーション
その他
ディスコグラフィ→ES CONNEXIONでの活動については「ES CONNEXION」を、TWO-MIXでの活動については「TWO-MIX」を参照
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キャラクターソング
その他参加楽曲
脚注注釈シリーズ一覧ユニットメンバー
出典
参考文献
外部リンク
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