小山力也
小山 力也(こやま りきや、1963年12月18日[6][10][11] - )は、日本の声優、ナレーター[7]、俳優。京都府[10]京都市出身[4][5]。劇団俳優座所属[8]。 経歴生い立ち近所に幼なじみに同じ病院で生まれた生年月日が同じの女子がおり、向かいにもお姉ちゃんがおり、ママゴトしたり、リカちゃん人形で一緒に遊んだり、女子とばかり遊んでいたという[2][5]。自分のことを「ウチ、ウチ[注 2]」と言っており、父に「男がウチって言うな!」と怒られていたという[5]。周囲に男性はいなくはなかったが、一番仲良しだった女子の友人が遊びに来てくれたため、その子の友人づてで、小学校低学年から中学年まで女子とばかり過ごしていたという[5]。 大学時代立命館中学校・高等学校を経て1982年に立命館大学法学部入学[4]。進学時は「何になろう」というはっきりした目標はなく漠然と国語の教師に憧れたりはしていたという[2]。男子校だったため、できれば女子校の国語の教師になりたいなあと語っている[2]。つかこうへいの『熱海殺人事件』が新入生の歓迎公演で上演するため、女性の先輩に「これはあげるから来てね」と言われて切符を渡されて観に行っていたところ「こんなにも人を一生懸命にさせる世界があるのか」と身を乗り出し[4][5]、劇団立命芸術劇場に所属する[8][10]。 劇団立命芸術劇場での同期に現TBSアナウンサーの長峰由紀がおり、長峰を「トットちゃん」と呼んでいた[12]。当時は別役実、つかこうへい作品などを上演していた。京都の演劇鑑賞会に入り、一番最初に観た芝居が、当時、劇団青年座に所属していた西田敏行が主演、矢代静一の脚本の『江戸のろくでなし』であり、出演していた津嘉山正種も「何てカッコいいんだろう」、高畑淳子も「綺麗だなぁ」と思って惹かれていた[5]。NHK-FM放送のミニドラマ『ふたりの部屋』で西田と初井言榮が出演していたサスペンスドラマで色々役を演じており、初井の声が「素敵だなぁ」と思い、芝居を観ていたところ年配の女優だったことに驚いて、「ああ、(俳優とは)こんなこともできるんだ」と考えていたという[5]。 津嘉山が出演していたNHK-FM放送の『クロスオーバーイレブン』を見ており、憧れていたため、「あの人たちが、こんな舞台をしているんだ。僕も東京に行って劇団に入ろう」と思い、青年座に入団しようと、青年座の養成所に行こうとしていた[5]。その時に調べていたところ高畑が桐朋学園大学短期大学部出身だったこともあり、高畑にならって[5]、1987年に大学卒業後、京都から上京し[4]、桐朋学園大学短期大学部芸術科演劇専攻に進む[8][10]。部活動は水泳部に所属しており、水着になることには何の抵抗もないという。 キャリア卒業後に劇団俳優座入団[8][10]。1989年に『仮面ライダーBLACK RX』で俳優としてデビュー[5][8][10]。 声優としては『ER』がデビュー作であり[4][5][8][13]、当初は吹き替えを中心に活動していたが、2000年代以降はアニメ、ゲームなどにも多く出演している。また『うたわれるものらじお』をきっかけに、様々な女性声優と組んでのラジオ番組が急増した。 舞台俳優としても活躍し、2000年ごろからはヨーロッパでの舞台公演(イギリス・フランス・オランダ・ルーマニア・イタリア・ロシア)に積極的に参加。2001年にアントーニオ役で出演した『ヴェニスの商人』は、第9回読売演劇大賞優秀作品賞を受賞。 2001年より放映開始された大ヒットドラマ『24 -TWENTY FOUR-』シリーズの主演ジャック・バウアーの吹き替えを担当[14]。 現在まで2007年6月8日、期間限定の連載が終わり、『声優グランプリ』よりブログの提案を受けてブログ『力也の気持ち。』をスタートする。 2009年には神谷明の降板により、『名探偵コナン』の二代目・毛利小五郎役に抜擢。同年10月31日放送の553話・「ザ・取調室」より出演。過去にもテレビシリーズ、映画『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌』、ゲーム『追憶の幻想』にゲスト出演していた。 人物趣味・特技は空手と水泳[6]。テレビアニメ『タイガーマスク』が好きであり、その影響もあって強いものに憧れ、高校時代は空手を始め、町の道場に通っていた[2]。 特色数多くの洋画作品の吹き替えに出演しており[16]、特に『ER』以降、ジョージ・クルーニーの吹き替えは現在に至るまで専属(フィックス)で担当している。また、後述の『24』をきっかけにキーファー・サザーランドも専属で担当するようになった[17][18]。このほかにも、アーロン・クオックやガイ・ピアース、キアヌ・リーブス[19][20][21]、ジェラルド・バトラー、デンゼル・ワシントン、ドウェイン・ジョンソン、ルイス・クー、マ・ドンソク、ノーマン・リーダスなどを持ち役としている。『WITHOUT A TRACE/FBI 失踪者を追え!』では海外ドラマとしては初めて関西弁での演技に挑戦している(第2シーズンでは見られなくなる)。『TAXI NY』(フジテレビ系『土曜プレミアム』版)でも部分的に関西弁で吹き替えている(こちらは、キューバ系マフィアがしゃべるキューバ訛りの英語を吹き替える際、関西弁に置き換えている設定のため、小山が吹き替えたアンディ・ウォッシュバーン刑事が潜入捜査のため、関西弁を演じている)。 渋いキャラを演じることが多い[15]が、良き人物から冷徹な悪役、コミカルな役や豪快な役、ゲーム『インフィニット アンディスカバリー』のフリストフォールのような女好きキャラクターや『アンジェリーク』シリーズのレオナードの飄逸で自由な役といったように、シリアスからギャグまでカバーしている。得体の知れない不気味な役を演じることもある[22]。 『仮面ライダーBLACK RX』では、一部の危険なシーンを除き、ワイヤーアクションやナパーム爆破などアクションシーンのほとんどを自ら演じていた[8]。同作品プロデューサーの堀長文および吉川進とのつながりから、両者が担当していたメタルヒーローシリーズにも度々ゲスト出演していた[8]。 声優としての活動が多くなってからは、俳優としての顔出し出演はあまりしていない。2009年の『仮面ライダーディケイド』では、『RX』と同じ霞のジョー役での出演依頼を受けていたが、役柄のイメージに対する違和感や自身の年齢などからこれを断った[8]。2018年の『ドロ刑 -警視庁捜査三課-』が久々のテレビドラマ出演となった[8]。 エピソード高校生のころには既に今の声質となっており、当時電話に出ると、実の叔母に父と間違われることがあった[23]。 井口裕香(『仮面のメイドガイ・強制ご奉仕ラジオ』)、田中理恵(『だぶるあ〜る』)、広橋涼(『小山力也×広橋涼のあかね色に染まるラジオ』)、大原さやか、恒松あゆみ(『Sound Drama Fate/Zero -ラジオマテリアル-』)など、パーソナリティーを女性声優と務めることが多い。 『攻殻機動隊』や『24』などで共演が多い田中敦子とは「あっちゃん」「力ちゃん」と呼び合う仲である。 声優デビュー作となった『ER緊急救命室』の演出を務めた佐藤敏夫を「私の師匠」と呼んで尊敬しており[24]、「抜擢してくださったプロデューサーとディレクターが、僕の人生の大恩人です。吹替えの誇り、醍醐味、真髄を教えていただきました。いまも目指して精進しています」と語っている[25]。 声優としての憧れの存在は津嘉山正種。また、小山はケビン・コスナーが日本で人気となった要因に彼の吹き替えを専属(フィックス)で務めていた津嘉山の存在によるものが大きかったのではないかと分析している[16]。 『ER緊急救命室』をはじめとしたジョージ・クルーニーの吹き替えは当初、一生懸命背伸びしながら演じていたと回想している。年月を経た現在は落ち着いて演じられるようになったという[16]。なお、小山はクルーニーを「素晴らしい俳優」と評して敬意を払っており、吹き替える際には、クルーニーに畏怖の念を持つ事、尊敬する事、演技を注意深く観察する事を大切にしていると語っている。また、クルーニーの魅力に共感し、その特徴を見つけ出し、一体化出来るように想像力を働かせることを意識しているとも明かした[26]。また、『ファミリー・ツリー』の日本版予告編CMでは本作のクルーニーの役に扮したナレーションを行い、同作の日本版公式サイトにも小山のコメントが寄せられていたものの[27]、本編のクルーニーの吹き替えには起用されず、磯部勉(小山の次にクルーニーを多く吹き替えている)が担当した。 代表作である『24 -TWENTY FOUR-』のジャック・バウアーは、小山のはまり役ともいえる役の一つである。2010年末には『24 -TWENTY FOUR-』ファイナルシーズンのキャンペーンおよびファン感謝祭にてジャック役のキーファー・サザーランドと対面を果たし、握手を交わした際に「君の仕事には、本当に感謝しているよ。有難う」と感謝の言葉を貰い、感激したと語っている[28]。キーファー本人も小山の吹き替えを気に入っており、小山がジャック・バウアーの口調で歌うTVスポットCMを観た際には大爆笑していたという[17]。 2014年にはノーマン・リーダスとも対面を果たし、握手を交わしたと同時に「Thank you for your nice work!」と感謝の言葉を貰ったことを明かしている[29]。 『マトリックス』(ソフト版)で初めて担当し、森川智之や宮本充と分け合う形で担当しているキアヌ・リーブスについて「子供がそのまま大人になったような方。素直で、誰に対しても裏表がなく、心のキレイな方」と評している。演じる際にはキアヌの繊細な演技を潰さないように気をつけているといい、『マトリックス』シリーズは自身の代表作であると同時に絶対に忘れられない作品であるために、今でも時折見返して明日に繋げていると述べている[19]。1作目は、オーディションではなくワーナー・ブラザースからオファーを受けてキャスティングされたといい、きっかけは『ER緊急救命室』と同じ制作担当の人物から声が掛かったことであった。小山にとっては初めての長編映画かつ大作への出演であるにも関わらず、事前にテストもなかったことなどから緊張し、喜びと不安の両方を感じたと回想している[30]。同シリーズの4作目にあたる『マトリックス レザレクションズ』では長いブランクを経て吹き替えを続投した[31][19][32][33][34]。また、共にキアヌを持ち役としている宮本とは親交があり、ラジオCD「TVアニメ『血界戦線&BEYOND』技名を叫んでから殴るラジオVol.2」では両者がキアヌを吹き替えていることについて触れたジョークが展開された。なお、フジテレビの番組『私のバカせまい史』内のコーナー、「海外スターお忍びグルメ史!」では来日したキアヌが『九州じゃんがら』に来店し、人気ラーメンである「こぼんしゃん全部入り」を注文し、実食していた当時のキアヌを小山が吹き替える一幕もあった[35]。 楠大典と分け合う形での持ち役となっているドウェイン・ジョンソンの演技については「鋼のアクションに加えコメディーのセンスも抜群」と絶賛しており[36]、『ジャングル・クルーズ』の公開時には「プロレスのみならずドラマでも魅せ、観客の人生を励まし明日の元気を届ける超一流のアクター。日々進化し、演技の幅がグッと広がっていく、優しく強い男。そんな俳優の成長を感じられると、こちらもパワーを貰える」と述べ、吹き替える度に良い刺激を受けていると明かしている[37]。 吹き替えを担当した中でも思い入れ深い役に『ザ・ロック』(日本テレビ版)のニコラス・ケイジをたびたび挙げている。小山にとって本作は初めてのゴールデンタイムの洋画番組の主役であり、本作のソフト版をはじめ多数の作品でニコラスを専属で担当している大塚明夫は脇役のマイケル・ビーンに回ったものの、その大塚からは「頼むよ、力也。しっかりやれよ」(もしくは「リキ!頼むぜ!!」)と激励を受けたことに感激したといい、「自分がいざ、逆の立場に立った時、明夫さんのように声を掛ける事が出来るかどうか、笑顔で、その人を励ませるかどうか、正直、自信がありません。大塚明夫という役者は、それほどの器です」と大塚に敬意を表しているという[38][39][16]。 特に好きな担当俳優にデンゼル・ワシントンを挙げており、「彼(デンゼル)は役ごとに全然違う演技で、観察眼の鋭さ、構築の緻密さに感服する」と語り、声を担当出来ることが本当に嬉しいと話している[16]。 出演太字はメインキャラクター。 テレビアニメ
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