欧勝馬出気
欧勝馬 出気(おうしょうま でぎ、1997年4月9日 - )は、モンゴル国トゥブ県出身で、鳴戸部屋所属の現役大相撲力士。本名はプレブスレン・デルゲルバヤル。身長190cm、体重167kg、血液型はO型[3]。最高位は西前頭4枚目(2024年11月場所)。 来歴14歳の時にブフ、16歳の時にレスリングを始め、ドルゴルスレン・ダグワドルジ(元横綱・朝青龍)の紹介で高校2年の4月から日本の日体大柏高校に留学した[3]。来日の際に搭乗した飛行機には豊昇龍と朝白龍も乗っていた[4][5]。高校時代はレスリング部に所属し、2年次に高校選抜個人120kg級優勝、3年次に高校総体120kgで優勝の実績を残した[3]。本当は高校の途中から相撲に転向したいと思っていたが、モンゴルから同じ飛行機で来日した3人が全員レスリング部にいないのはよくないと遠慮しレスリング部に残留した。来日させてくれた高校のレスリング部の監督へのお返しとしてレスリングを頑張った面もあった[6]。 高校卒業後は日本体育大学スポーツ文化学部武道教育学科に進学し、大学では相撲部に入部[7][3]。つまり相撲は大学時代から始めた[8]。相撲転向1年目の大学1年次に全国学生選手権で3位になっている[3]。全国学生選手権は2年次にベスト8、3年次も3位に入賞して3年連続で大相撲の三段目最下位格付出の資格を取得し(有効期限は取得から1年)、最後の出場となった4年次には優勝して学生横綱のタイトルと幕下15枚目格付出の資格を獲得した[3]。全日本選手権も大学在学中は毎年出場していた[3]。大学4年次に日体大相撲部の監督から「十両でやっても10勝します」と、その実力を評価されていた[7]。 大学卒業後は日体大OBの15代鳴戸(元大関・琴欧洲)が師匠を務める大相撲の鳴戸部屋に入門し、2020年12月21日から研修を開始した[9]。当初から研修期間は半年以上になる予定だったが[9]、2021年9月場所前に正式に入門し、同場所の新弟子検査で合格した[10]。 「欧勝馬 出喜」という四股名は師匠の現役名「琴欧洲勝紀」と、デルゲルバヤルの実家で多くの馬を飼っていたことに由来しており、下の名は本人のあだ名の当て字である[11]。最初「モンゴル出身なのに四股名に『欧』の字が付くのは如何なものか」と違和感を覚える者もいた。新弟子検査に先立ち同年8月30日に行われた日本相撲協会の理事会で、幕下15枚目格付出での入門が承認されている[12]。舞の海も千秋楽のNHK大相撲中継の解説で「これだけ強いのに今までどうしてモタモタしてたんだろう」と入幕前に十両でしばらく停滞していたことに触れていた[13]。 初土俵は興行ビザの取得の都合上で同年11月場所になった[11]。初土俵の場所は4勝3敗と勝ち越したが、勝った4番の決まり手が全て叩き込みだったことや、初土俵の場所で3敗を喫したことから、「叩きではなく、押す相撲を取っていきたい」と相撲内容の改善を今後の目標に掲げた[14]。2022年3月場所は3勝3敗で迎えた7番目の相撲で初めて十両の土俵に上がったが、島津海に敗れて入門以来初めて負け越した。翌5月場所は7戦全勝で幕下優勝[15]。場所後の番付編成会議で、翌7月場所での新十両昇進が決定した[16]。鳴戸部屋からは初めての関取誕生となった[16]。 2024年5月場所で新入幕。新入幕会見では、同じ飛行機で来日した盟友・豊昇龍との対戦を熱望し、「10番勝ちたい」と三賞にも意欲を示した[17]。この場所では「千秋楽の金峰山戦で勝てば」の条件をクリアし、10勝5敗で敢闘賞を獲得[18]。7月場所前にはNHKのインタビューで「大学の後輩大の里に離され過ぎずに近づいていきたい」と抱負を語った[6]。 取り口レスリングの経験を活かし、立ち会い低い姿勢で当たり、頭をつけて左で前廻しを引いて寄るか、おっつけて前に出る相撲が持ち味[19]。 いなしや引きの上手さもあり、出し投げも得意としている。 2024年9月場所後の記事では、首の後ろを掴む引き技のようなレスリングの癖を指して、元武蔵丸の武蔵川親方が「あんなの相撲じゃない。絶対強くなれないよ」と批判していた。師匠の鳴戸親方も、この癖はなかなか直らないと憂慮していた[20]。 人物
主な成績2024年11月場所終了時点 通算成績
各段優勝
三賞
場所別成績
合い口2024年11月場所終了現在 (以下は最高位が横綱・大関の現役力士)
※太字は2024年11月場所終了現在、現役力士。
改名歴
脚注注釈
出典
関連項目外部リンク
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