2022年のJリーグカップは、2022年2月23日から10月22日まで開催されていた第30回Jリーグカップである。
概要
ヤマザキビスケットを冠スポンサー(リーグカップパートナー)として[1]、「2022JリーグYBCルヴァンカップ」(英: 2022 J.LEAGUE YBC Levain CUP)の名称で行う。開始から30回目の区切りとなることから、ヤマザキビスケットの商品である「ルヴァンプライムスナック」の円型[注釈 1]をモチーフとした記念ロゴが製作された[4]。
大会レギュレーション
2021年12月21日に大会のレギュレーションが[5]、2022年1月21日にグループステージの組み合わせと日程、プレーオフステージ、プライムステージの開催予定日が公表された[6]。前年のレギュレーションを概ね踏襲している。
グループステージ
プレーオフステージ
- プレーオフステージはグループステージを勝ち上がったクラブ同士の対戦により、ホーム・アンド・アウェーでの2試合制で実施される。
- 勝者 (勝利数の多いクラブ。同勝利数の場合は下記により決定) がプライムステージへ進出。
- 2試合における合計得点数 (=得失点差)
- アウェーでの得点数 (アウェーゴールルール)
- 15分ハーフの延長戦 (第2戦の後半終了後に引き続き実施、アウェーゴールルールは採用せず)
- PK戦 (グループステージと同様)
プライムステージ
- プライムステージは準々決勝(プレーオフステージ勝ち上がりの4クラブ+ACL出場の4クラブ)、準決勝、決勝をノックアウト方式で行う。
- 準々決勝・準決勝はホーム・アンド・アウェー方式で、勝敗の決定方法はプレーオフステージと同様。
- 決勝は1試合勝負で、45分ハーフで決着しない場合は15分ハーフの延長戦→PK戦により勝敗を決定する。
- 組み合わせ抽選は6月29日に国立競技場正面にてプライムステージ進出クラブ代表によるオープンドロー(公開抽選)により行われ(報道陣にのみ公開)、Jリーグ公式YouTubeチャンネルで「JリーグTV」で生配信された[7]。参加選手はキャスパー・ユンカー(浦和・鈴木彩艶から変更[8])、橘田健人(川崎)、宮市亮(横浜FM)、甲田英將(名古屋)、山中亮輔(C大阪)、小田裕太郎(神戸)、鮎川峻(広島)、金森健志(福岡)。立会人にJリーグチェアマンの野々村芳和と「ルヴァンカップPR大使」の見取り図、司会はフジテレビアナウンサーの黒瀬翔生と鈴木唯。
また、エントリー下限人数(試合には少なくとも13人の選手をエントリーできなければならない)を設けることから、2020年大会の中断後の再開時に発表された「U-21先発出場ルール(その年に21歳になる、あるいはそれ未満の年齢の日本国籍選手を1人以上先発に含める)の適用取り止め」は今大会も継続する[9]。
大会日程
各日程については2022年1月21日に発表された[6]。分散開催がなくなった一方、前年までと異なり、週末開催の試合が増加している。日付は全て2022年。
ステージ
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ラウンド
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第1戦
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第2戦
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備考
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グループステージ
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第1節
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2月23日
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2試合が3月15日に延期(後述)
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第2節
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3月02日
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第3節
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3月26日
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1試合が4月20日に延期(後述)
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第4節
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4月13日
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第5節
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4月23日
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第6節
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5月18日
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プレーオフステージ
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6月04日
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6月11日
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プライムステージ
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準々決勝
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8月03日
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8月10日
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準決勝
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9月21日
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9月25日
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決勝
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10月22日
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グループステージ
Aグループ
Bグループ
Cグループ
- ^ a b 直接対戦の結果による。勝ち点(3)・得失点差(0)・総得点(4)で差がつかないため、アウェーゴール(札幌:3, 柏:2)で比較。
Dグループ
プレーオフステージ
組み合わせは2021年5月18日のグループステージ全日程終了後に発表された[13]。
プレーオフステージ第1戦
プレーオフステージ第2戦
二試合合計スコア 2 - 2 アウェーゴール 1 - 0 でアビスパ福岡がプライムステージ進出
二試合合計スコア 4 - 1でサンフレッチェ広島がプライムステージ進出
二試合合計スコア 7 - 1で名古屋グランパスがプライムステージ進出
二試合合計スコア 5 - 1でセレッソ大阪がプライムステージ進出
プライムステージ
プライムステージの組み合わせは2022年6月29日のオープンドローの結果、以下の通り決定した。抽選に当たっての具体的な方式は以下の通り[14]。
- まず、準々決勝において第1戦でのみホームゲームが開催できる広島の抽選を行う。下記のトーナメント表において上から2・4・6・8番目のみに入ることができるため、これらの4つの番号の入ったポットを用意しドローする。
- 残りの7チームについてはオープンで実施され、1・3・5・7の番号を追加したポットを各チームの代表が抽選する。
以下のトーナメント表では、第2戦が上のチームのホームゲームとして開催される。
準々決勝
準々決勝第1戦
準々決勝第2戦
二試合合計スコア 4 - 1で浦和レッズが準決勝進出
二試合合計スコア 3 - 3、アウェーゴール 2 - 1 でセレッソ大阪が準決勝進出
二試合合計スコア 5 - 2でサンフレッチェ広島が準決勝進出
二試合合計スコア 3 - 1でアビスパ福岡が準決勝進出
準決勝
準決勝第1戦
準決勝第2戦
二試合合計スコア 5 - 1でセレッソ大阪が決勝進出
二試合合計スコア 3 - 2でサンフレッチェ広島が決勝進出
決勝
決勝に駒を進めたのは、準々決勝で昨季J1王者の川崎相手に第2戦で試合終了間際に2ゴールを挙げ、アウェーゴールの差で勝利し[15]、準決勝では2年連続の対戦となった浦和相手に第2戦で4ゴールを奪い、2戦合計5-1で勝利。2年連続の決勝進出を果たし、初優勝した2017年大会以来2度目の優勝を狙うC大阪[16]と、準々決勝でJ1首位を走る横浜FMを2戦合計6-2で退け[17]、準決勝で福岡に接戦の末2戦合計3-2で勝利。8年ぶりの決勝進出を決め、初優勝を目指す広島[18]の2チーム。両チームは今季、決勝前まで3回(J1第17節と第27節、天皇杯準々決勝)対戦しており、広島が3戦全勝。C大阪にとっては名古屋に敗れ準優勝に終わった昨季ルヴァンカップ決勝も含めたリベンジマッチとなった。また広島は前週(10月16日)の天皇杯決勝に続く2週連続のカップ戦決勝となるが、その天皇杯決勝では甲府相手にPK戦の末敗れ準優勝に終わっており[19]、加えてルヴァンカップでは過去2回(2010年、2014年)決勝で敗れている。広島にとっても2つの意味でのリベンジマッチとなった。
試合は前半、互いにチャンスを作り出すも決定機までは至らず、スコアレスで後半に折り返す。後半に入り8分、広島DF佐々木翔からGK大迫敬介へのバックパスがやや短くなり、これに反応したC大阪FW加藤陸次樹が奪い、GKを交わして無人のゴールに流し込み、思わぬ形でC大阪が先制点を挙げる[20]。しかし後半31分、中盤でC大阪DFマテイ・ヨニッチと広島FWナッシム・ベン・カリファが交錯、その際にヨニッチがベン・カリファの顔面に拳を突き出したことがビデオ・アシスタント・レフェリー (VAR) の介入によるオンフィールドレビューで確認されたことから、ヨニッチにレッドカードが提示され、C大阪は10人で逃げ切りを図る必要に迫られた[20][21]。以後必死に守るC大阪を広島が攻め立てる展開が続いたが中々ゴールを割ることは出来ず、試合はアディショナルタイム (AT) に突入する。
VARの介入もあり「9分」という長いATが取られたが、AT+4分に広島のコーナーキックからのペナルティエリア内での競り合いにVARが介入。オンフィールドレビューの結果、C大阪DF鳥海晃司がハンドの反則を犯したとして広島にPKが与えられる[21]。天皇杯決勝では試合終了間際のPKを失敗していたが、この日は途中投入の広島FWピエロス・ソティリウがゴール右隅にきっちりと決めて、土壇場で同点に追いつく。なおも広島の勢いは止まらず、終了間際のAT+11分に広島MF満田誠のコーナーキックにゴール前のFWソティリウが右足で合わせ、逆転に成功。そのまま広島が2-1で勝利し、悲願の初優勝を成し遂げた[20]。一方C大阪は2年連続の決勝で苦杯を嘗める結果となった。
この試合の前日の10月21日、広島にも在籍歴のあるJ3宮崎所属のFW工藤壮人が急逝しており[22]、両チームのゴール裏から工藤の死去を悼む横断幕が掲げられた中行われた試合で、広島にとっては工藤に捧げる初優勝ともなった[23]。
表彰
得点ランキング
出典: J.League Data Site
脚注
注釈
- ^ ヤマザキビスケットのヤマザキナビスコ時代の主力商品「リッツ」は円形であったが、「リッツ」のライセンス元であるモンデリーズ・インターナショナルとのライセンス解除時の申し合わせで「リッツ」の類似製品を販売出来なかったことから、ルヴァンは八角形のクラッカーとして販売された[2]。円形の「ルヴァンプライムスナック」は申し合わせ期間の切れる2017年12月1日から販売開始[3]。
- ^ 当初は2月23日に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染症に伴う管轄保健所からの大分へのチーム活動停止指示に伴い、Jリーグ試合実施要項に定めるエントリー下限人数を満たさなくなったため中止・延期となった[10]。
- ^ 当初は3月26日に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染症に伴う管轄保健所からの京都へのチーム活動停止指示に伴い、Jリーグ試合実施要項に定めるエントリー下限人数を満たさなくなったため中止・延期となった[11]。
- ^ 当初は2月23日に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染症に伴う管轄保健所からのFC東京へのチーム活動停止指示に伴い、Jリーグ試合実施要項に定めるエントリー下限人数を満たさなくなったため中止・延期となった[12]。
出典
関連項目
外部リンク
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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大会 - 優勝 |
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ナショナルチーム |
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国内リーグ |
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国内カップ |
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大学・育成年代 |
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国際大会 |
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関連項目 |
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