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この項目では、現在の台中市について説明しています。1945年から2010年までの間存在した市については「台中市 (市)」をご覧ください。 |
台中市(たいちゅう/タイジョン/タイツォン[1]-し、繁体字中国語: 臺中市/台中市、英語: Taichung City)は、台湾中部に位置する、中華民国の直轄市。市域の人口では新北市に次ぐ2番目である。
概要
2010年12月25日、台中県と台中市が合併して新たに直轄市としての台中市となった。台湾屈指の工業都市として急速に発展を遂げ、2017年に人口が台湾第2位になった。2020年3月時点での人口は2,816,667人[2]。台湾第二の都市圏である台中都市圏の中枢都市である。
地名の由来
旧名は「大墩」で、日本統治時代に「台中」という名称が作り出された。
当時、静かで綺麗であるため、台中は「台湾の京都」と言われていた[3]。
台中市は台湾3大産業地区の一つ、「中部科学工業園区」を擁している。
地理
台中市は台湾中西部に広がる台中盆地に位置し、周囲を山地に囲まれているため、台風による直接的な被害を受けにくい。
気候
ケッペンの気候区分では温帯夏雨気候 (Cwa)(熱帯モンスーン気候またはサバナ気候 - 温暖湿潤気候移行部型)に属する。
台中市の気候
|
月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
|
最高気温記録 °C (°F)
|
31.3 (88.3)
|
32.9 (91.2)
|
34.7 (94.5)
|
34.7 (94.5)
|
35.8 (96.4)
|
36.8 (98.2)
|
39.9 (103.8)
|
39.3 (102.7)
|
39.0 (102.2)
|
38.3 (100.9)
|
34.0 (93.2)
|
31.7 (89.1)
|
39.9 (103.8)
|
平均最高気温 °C (°F)
|
21.9 (71.4)
|
21.8 (71.2)
|
24.2 (75.6)
|
27.4 (81.3)
|
30.2 (86.4)
|
31.7 (89.1)
|
32.8 (91)
|
32.4 (90.3)
|
31.9 (89.4)
|
30.0 (86)
|
27.0 (80.6)
|
23.5 (74.3)
|
27.9 (82.2)
|
日平均気温 °C (°F)
|
15.9 (60.6)
|
16.2 (61.2)
|
18.8 (65.8)
|
22.4 (72.3)
|
25.5 (77.9)
|
27.1 (80.8)
|
28.1 (82.6)
|
27.7 (81.9)
|
26.9 (80.4)
|
24.2 (75.6)
|
21.0 (69.8)
|
17.5 (63.5)
|
22.6 (72.7)
|
平均最低気温 °C (°F)
|
11.8 (53.2)
|
12.4 (54.3)
|
15.0 (59)
|
18.6 (65.5)
|
21.9 (71.4)
|
23.6 (74.5)
|
24.4 (75.9)
|
24.3 (75.7)
|
23.2 (73.8)
|
20.3 (68.5)
|
16.9 (62.4)
|
13.4 (56.1)
|
18.8 (65.8)
|
最低気温記録 °C (°F)
|
−0.7 (30.7)
|
−1.0 (30.2)
|
2.1 (35.8)
|
8.6 (47.5)
|
10.8 (51.4)
|
15.5 (59.9)
|
20.5 (68.9)
|
20.0 (68)
|
14.4 (57.9)
|
10.5 (50.9)
|
1.4 (34.5)
|
1.8 (35.2)
|
−1.0 (30.2)
|
雨量 mm (inch)
|
36.3 (1.429)
|
87.8 (3.457)
|
94.0 (3.701)
|
134.5 (5.295)
|
225.3 (8.87)
|
342.5 (13.484)
|
245.8 (9.677)
|
317.1 (12.484)
|
98.1 (3.862)
|
16.2 (0.638)
|
18.6 (0.732)
|
25.7 (1.012)
|
1,641.9 (64.642)
|
平均降雨日数 (≥0.1 mm)
|
7.4
|
9.9
|
11.5
|
11.1
|
12.7
|
14.9
|
12.7
|
15.1
|
8.2
|
3.5
|
3.8
|
4.9
|
115.7
|
% 湿度
|
76.1
|
77.6
|
77.9
|
78.2
|
79.5
|
79.5
|
76.8
|
79.3
|
76.8
|
74.8
|
74.1
|
74.0
|
77.1
|
平均月間日照時間
|
172.7
|
134.9
|
155.8
|
153.1
|
155.4
|
169.7
|
210.6
|
191.8
|
192.8
|
201.1
|
171.4
|
175.5
|
2,084.8
|
出典:中央気象局[4]
|
地域
行政区画
- 人口25万人以上:北屯区
- 人口20万人~25万人:西屯区、大里区
- 人口10万人~20万人:太平区、豊原区、南屯区、北区、南区、西区、潭子区
- 人口5万人~10万人:大雅区、沙鹿区、清水区、龍井区、東区、大甲区、烏日区、神岡区、霧峰区、梧棲区、大肚区、后里区、東勢区
- 人口5万人以下:外埔区、新社区、大安区、中区、石岡区、和平区
区名 |
面積 (km²) |
下轄 里数 |
下轄 鄰数 |
人口 |
人口 増減数 |
人口密度 (人/km²) |
郵便番号 |
地理区画
|
中区 |
0.8803 |
8 |
194 |
18,668 |
-73 |
21,289.33 |
400 |
市区
|
東区 |
9.2855 |
17 |
404 |
75,582 |
+39 |
8,135.59 |
401 |
市区
|
南区 |
6.8101 |
22 |
608 |
123,930 |
+123 |
18,179.91 |
402 |
市区
|
西区 |
5.7042 |
25 |
608 |
115,876 |
-17 |
20,317.13 |
403 |
市区
|
北区 |
6.9376 |
36 |
842 |
147,674 |
-56 |
21,294.11 |
404 |
市区
|
北屯区 |
62.7034 |
42 |
934 |
272,269 |
+386 |
4,336.02 |
406 |
市区
|
西屯区 |
39.8467 |
39 |
1,006 |
225,673 |
+148 |
5,659.82 |
407 |
市区
|
南屯区 |
31.2578 |
25 |
597 |
167,493 |
+340 |
5,347.56 |
408 |
市区
|
太平区 |
120.7473 |
39 |
714 |
187,221 |
+285 |
1,548.16 |
411 |
屯区
|
大里区 |
28.8759 |
27 |
767 |
210,958 |
+71 |
7,303.22 |
412 |
屯区
|
霧峰区 |
98.0779 |
20 |
354 |
65,027 |
+11 |
662.90 |
413 |
屯区
|
烏日区 |
43.4032 |
16 |
281 |
73,990 |
+33 |
1,703.95 |
414 |
屯区
|
豊原区 |
41.1845 |
36 |
737 |
166,864 |
+42 |
4,050.60 |
420 |
山線
|
后里区 |
58.9439 |
18 |
263 |
54,351 |
+26 |
921.64 |
421 |
山線
|
石岡区 |
18.2105 |
10 |
109 |
15,126 |
-1 |
830.67 |
422 |
山線
|
東勢区 |
117.4065 |
25 |
343 |
50,875 |
+5 |
433.28 |
423 |
山線
|
新社区 |
68.8874 |
13 |
174 |
24,827 |
-23 |
360.73 |
426 |
山線
|
潭子区 |
25.8497 |
16 |
321 |
107,819 |
+116 |
4,166.51 |
427 |
山線
|
大雅区 |
32.4109 |
15 |
358 |
94,889 |
+110 |
2,924.29 |
428 |
山線
|
神岡区 |
35.0445 |
16 |
280 |
65,605 |
+23 |
1,871.39 |
429 |
山線
|
大肚区 |
37.0024 |
17 |
298 |
57,266 |
-10 |
1,547.90 |
432 |
海線
|
沙鹿区 |
40.4604 |
21 |
412 |
91,920 |
+93 |
2,269.55 |
433 |
海線
|
龍井区 |
38.0377 |
16 |
290 |
77,267 |
+104 |
2,028.59 |
434 |
海線
|
梧棲区 |
16.6049 |
14 |
342 |
57,766 |
+9 |
3,478.31 |
435 |
海線
|
清水区 |
64.1709 |
32 |
496 |
86,440 |
+13 |
1,346.83 |
436 |
海線
|
大甲区 |
58.5192 |
29 |
376 |
77,724 |
-13 |
1,328.40 |
437 |
海線
|
外埔区 |
42.4098 |
11 |
187 |
31,995 |
+2 |
754.38 |
438 |
海線
|
大安区 |
27.4045 |
12 |
110 |
19,369 |
-19 |
707.48 |
439 |
海線
|
和平区 |
1037.8192 |
8 |
117 |
10,833 |
+3 |
10.44 |
424 |
原住民区
|
台中市 |
2214.8968 |
625 |
12,522 |
2,775,294 |
+1,767 |
1,252.22 |
|
|
歴史
台中市の起源は1705年、嘉義に駐留していた台湾北路営参将張国により犁頭店(今日の南屯)一帯が水資源に恵まれた肥沃な土地であることから開墾が開始されたことに遡る。1887年、台中市は鹿港を凌いで台湾の行政中心地となり、1890年には劉銘伝により当時の東大墩街を中心に官公庁を中心に都市計画が立案され、近代都市としての発展のスタートとなった。
日本統治時代には清代のインフラ遺産を継承し、鉄道や海運の整備により周辺地域との交流を発展させると共に、市内でも碁盤の目状の道路整備を推進し政治のみならず、台湾中部の経済文化の中心地としての近代都市の地位を獲得した。
1935年4月21日に発生した新竹・台中地震では、大きな被害を受け(台中州として)1600人以上の死者を出している[5]。
1950年には台中県と彰化市が台中・彰化・南投の3県に分割され、2010年に台中県と台中市を合併し、現在の台中市となった。
沿革
地域の変遷
- 1887年(光緒13年)- 台湾府及び台湾・彰化・埔里社・苗栗・雲林の5県が設置された。
- 1895年(明治28年)- 日本統治時代により、台湾民政支部(翌年台中県に改称)を設置。
- 1901年(明治34年)- 廃県置庁により、台中県が台中庁になる。
- 1920年(大正9年)- 市制施行により、台中州台中市となり、台湾で最初に市制施行した3市(台北・台中・台南)の中の一つとなった。
- 1945年 - 第二次世界大戦終戦により、台湾省へ移管。台中州が台中県・台中市・彰化市に分割される。
- 1947年 - 北屯庄、西屯庄、南屯庄が台中市に編入。
- 1950年 - 台中県と彰化市が台中、彰化、南投の3県に分割された。
- 2010年 - 台中県と台中市を合併して、新たに中華民国の直轄市となった。
政治
行政
歴代市長
対外関係
姉妹都市・提携都市
アジア
- 姉妹都市
- 友好都市
- パートナー都市
- その他
オセアニア
- 姉妹都市
北アメリカ
- 姉妹都市
- 友好都市
南アメリカ
- 姉妹都市
ヨーロッパ
- 姉妹都市
アフリカ
- 姉妹都市
経済
オフィス街
台湾大道二段と五権路交差点から台湾大道三段、七期再開発区(新市政中心)にかけての地域は台中最大のオフィス街として企業の本社、支社や台中市庁舎が立地し、台湾中部の経済・行政の中心地となっている。
他に文心路沿線、中清路の一部、国立美術館、草悟道付近などもオフィス街となっている。
商業地
百貨店や専門店、商業ビル、商店街、夜市が多数立地している商業地は台湾大道二段から台湾大道三段沿線、文心路沿線、台中一中地域、逢甲夜市地域、公益路沿線、台鉄台中駅付近、天津路服装商店街、北平路二段から北平路三段沿線などが挙げられる
高級住宅街
現在、七期再開発区(新市政中心)は台湾中部最大の高級住宅街となっている、2000年から区内に高層マンションなど次々建てられ、現在の住宅と土地価格は台湾の中で台北と新竹以外の地区では一番高くなっている。
他に八期、十二期再開発区などの地域が台中の高級住宅街となっている
-
台中七期再開発区1
-
台中七期再開発区2
-
台中七期再開発区3
-
台中七期再開発区4
金融機関
- 台中市に本社のある銀行
教育
大学
- 国立
- 私立
- 国立科技大学
- 私立科技大学
高級中学
高級中学以下の教育機関は下部行政区域の項目を参照
交通
空路
空港
鉄道
西部幹線を構成する山線を中心に、台鉄台中線、海岸線、成追線により台湾西部の主要都市と連絡されている。旧台中駅は日本統治時代1917年に建設されたヨーロッパ様式で、国定古跡に指定されている。
高速鉄道
台湾高速鉄道により高鉄台中駅が設置されている。
- 台湾高速鉄道(台湾高鐵)
在来線
- 台湾鉄路管理局(台鉄)
捷運
- 台中捷運(台中メトロ、台中MRT)
バス
路線バス
台中のバスは「台中市公車」と呼ばれ、数社のバス会社による共同運行。路線は全て距離による従量制である(台中市内ならどのバスでも悠遊カードと一卡通を使えば)
道路
国道
- 高速公路(国道)
- 高速道路1号(后里IC、台中JCT(>>)、豊原IC、大雅IC、台中IC、南屯IC、王田IC)
- フォルモサ高速公路(大甲IC、中港JCT(>>)、沙鹿IC、龍井IC、烏日IC、中投IC、霧峰IC(>>、)、霧峰JCT(>>))
- 国道4号(清水端IC、中港JCT(>>)、神岡IC、台中JCT(>>)、后豊IC、豊原IC)
- 国道6号(霧峰JCT(>>)、旧正IC)
省道
- 快速道路
- 一般省道
市道
航路
港湾
観光地
名所・旧跡
観光スポット
- 夜市
-
国立自然科学博物館
-
中華路夜市
-
台中公園
-
台中孔廟
-
国立台湾美術館
-
台中国家歌劇院
-
霧峰林宅(宮保第大花庁)
-
文化・名物
名産・特産
- 台中市の名物
音楽
- 楽団
スポーツ
- 台中市のプロスポーツのチーム
出身・関連著名人
脚注
注釈
出典
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
台中市に関連する
メディアおよび
カテゴリがあります。
外部リンク