大平 武洋 (おおひら たけひろ、1977年 5月11日 - )は、将棋棋士 。棋士番号243。桐谷広人 七段門下。東京都 北区 出身。
棋歴
1990年 、第15回中学生名人戦で優勝し、13歳で奨励会 に入会。1996年 後期から三段リーグ に参加し、リーグ11期目となる2001年 後期に16勝2敗(歴代1位タイ)の成績を収め、四段に昇段した(プロ入り)。この時大平は24歳であった。同期にプロになった棋士は熊坂学 。
2003年 に王位戦 で予選を勝ち抜き挑戦者決定リーグ入り。リーグでは初参加ながら健闘し、3勝2敗と勝ち越すも、残留決定戦で中川大輔 に敗れ、リーグ陥落。
2006年に第19期竜王戦 の成績に基づき五段に昇段したが、これは、竜王戦 の規定による昇段の条件(の一つ)が「竜王ランキング戦2回連続優勝 」から「竜王ランキング戦2回連続昇級 」へ緩和された後に適用された初のケースであった[ 1] 。
2005~2006年度は研修会幹事を務めた。
2009年度順位戦 でC級2組で9勝1敗の成績(参加者43名中1位)でC級1組へ昇級した。
2013年度には、第7回朝日杯 二次予選の決勝で中村太地 を破り本戦トーナメント出場。
2016年度C級1組順位戦 では1回戦から5連敗と不調で、後半調子を挽回したが3勝7敗に終わり、C級2組へ降級が決まった。
順位戦においては、その後も不調が続き、2018年度C級2組順位戦 、2019年度C級2組順位戦 は1勝9敗で2期連続で降級点を喫することとなった。降級点2で臨んだ2020年度C級2組順位戦 では第9局の時点で1勝8敗となり、順位の関係上、最終局を待たずして降級点を喫し、フリークラス編入となった。
棋風
居飛車党で、特に矢倉を得意とする[ 2] 。
普及活動
東京出身であるが、「地方への将棋の普及のために、もっと地方在住の棋士がいてもいいはず」と語り、一時期新潟県 に在住していた。新潟で彼の指導を受けた中には中学生名人戦や小学生将棋名人戦 の優勝者になった者がいる。2007年夏に東京に移住して以降も定期的に新潟を訪れ、交流の様子を自身のブログで報告している。
「将棋世界 」誌の企画「Xは誰だ」[ 3] の第9代担当者で、一月で119局対局を行った。ちなみに119は自身が好んでいたガールズバンド ・MARIA に所属するメンバーの当時の年齢を合計した値で、本人は最初から119局対局する予定だったとのこと。
2016年、著書「ネット将棋攻略!早指しの極意」で第28回将棋ペンクラブ大賞 優秀賞を受賞[ 4] 。
連盟での委員会活動
人物
アイドル
女性アイドルに造詣が深く数々の逸話を残す。アイドルと将棋の橋渡し役になることも多い[ 7] [ 8] 。
MAIKOの熱狂的ファン
2005年 に解散したバンド・ZONE の MAIKO の熱狂的なファンである。対局で負けが込んだときに、「MAIKOが芸能界を引退したら自分も将棋をやめる」とブログで発言したこともある。
2005年 3月18日 の第18期竜王戦 昇級者決定戦1回戦・児玉孝一 戦において、当日夜に行われる ZONE の解散コンサートに行きたいがため、すべての手を1手1分未満で指し、持ち時間 を1分も使わずに勝利した。将棋の公式戦で自らの持ち時間を1分も使わずに勝利したのは史上3人目[ 9] の快挙であった。この対局は大阪で行われたが、午前中に終局したため、埼玉県三郷市 で行われた解散コンサートに駆けつけることができた。その後も全国各地で開催された ZONE の解散コンサートをすべて回った。このエピソードは、2006年6月7日放送のテレビ番組「トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜 」で紹介された。番組内で「たまたまテレビで ZONE を見て勇気づけられ、プロ棋士になる夢を達成できた。今の自分があるのは ZONE のおかげ」「将棋より ZONE のほうが大事」と発言している。同番組で本人に内緒で MAIKO との対談がセッティングされ、サプライズ的な形で MAIKO と対面した大平は直後に「今日死んでも悔いはないです」とコメントした。番組内の補足では、「再びコンサートと対局が重なったときは、対局を拒否する」とコメントした旨が、同番組司会者の八嶋智人 に読み上げられた。ちなみに大平は当期竜王戦で昇級者決定戦2回戦以降も勝ち続け、翌第19期の5組昇級を遂げた。
48グループ
自身のTwitterで(2019年2月時点)HKT を中心に48グループのファンであることを公表している。
弟子
棋士となった弟子
名前
四段昇段日
段位、主な活躍
長谷部浩平
2018年4月1日
五段
(2022年10月13日現在)
主な著書
昇段履歴
1990年 6級 =奨励会 入会
1993年 初段
2002年4月1日 四段 =プロ入り
2006年9月19日 五段(竜王ランキング戦 連続2回昇級) 6組3位(第18期)→5組3位(第19期)→4組(第20期)
2016年1月8日 六段(勝数規定)
主な成績
在籍クラス
脚注
^ 当期竜王戦では、山崎隆之 及び片上大輔 も同じ条件で昇段した。
^ 携帯中継・第64期王座戦 一次予選(2015年12月14日)など
^ 将棋倶楽部24 上で匿名のプロ棋士が利用者を相手に平手で対局し、その棋士が誰かを当てるというもの。プロ棋士は一月ごとに交代する。
^ 将棋ペンクラブログ「第28回将棋ペンクラブ大賞贈呈式のご案内」(2016.9.10)
^ 日本将棋連盟公式web・将棋ニュース「対局規定委員会設置のお知らせ」(2017年03月30日 17:30 )
^ 「大平武洋の自由な日々」2017.2.24
^ “SKE鎌田菜月「将棋好き」は本当なのか 「二歩」「飛車4枚」ツッコミ続出 ”. J-CASTニュース (2016年11月22日). 2017年7月2日 閲覧。
^ ““藤井聡太”四段人気で即完売も…棋士グッズがすごいことになっている! ”. 週プレNEWS (2017年6月25日). 2017年7月2日 閲覧。
^ 大平の前に灘蓮照 ・関谷喜代作 が記録した。
^ 「名人戦・順位戦 」『日本将棋連盟』。
^ 「竜王戦 」『日本将棋連盟』。
外部リンク
日本将棋連盟所属棋士 (
現役棋士 および 2024年度引退棋士)
タイトル 保持者 【九段 6名】 【七段 1名】
九段 【26名】 八段 【34名】 七段 【44名】 六段 【28名】 五段 【20名】 四段 【15名】 2024年度 引退棋士
九段 青野照市 (2024年6月13日 引退)
八段 室岡克彦 (2024年6月18日 引退)
八段 中座真 (2024年6月19日 引退)
七段 伊奈祐介 (2024年5月10日 引退)
現役棋士 全174名(2025年1月16日時点、日本将棋連盟 所属) / △ は2024年度 の昇段 / 引退棋士の()は引退日 / 詳細は将棋棋士一覧 を参照
竜王 1組【 ▼降級 4名 】 2組
3組
4組
5組
【在籍 31名(棋士30名・奨励会員1名) / 定員 32名 (欠員1) 】
6組【 △昇級 5名 】
次期から出場
2025年4月昇段者(2-3名)
2025年10月昇段者(2-3名)
(いずれも第39期からの出場)
★挑戦者 / △次期昇級 / ▼次期降級 / 初 初参加棋士(棋士として初参加) / 詳細については将棋棋士の在籍クラス を参照。
名人 A級 B級1組 B級2組 C級1組 C級2組 フリー クラス
宣言 棋戦限定 出場
2024年度 引退者
伊奈祐介 (2024年5月10日 引退)
青野照市 (2024年6月13日 引退)
室岡克彦 (2024年6月18日 引退)
中座真 (2024年6月19日 引退)
次期から の出場者
フリークラスからの昇級者 2024年10月1日昇段者
先頭の数字は順位(名人、フリークラス以外)/ フリークラスの数字 は在籍可能残り年数(2024年度開始時点) B級2組 - C級2組の * は降級点の数(B級2組・C級1組は降級点2回で降級、C級2組は降級点3回で降級) 詳細については将棋棋士の在籍クラス を参照