糠南駅
糠南駅(ぬかなんえき)は、北海道(宗谷総合振興局)天塩郡幌延町字問寒別にある北海道旅客鉄道(JR北海道)宗谷本線の駅である。駅番号はW67。電報略号はヌナ。 歴史1950年代にいわゆる仮乗降場として設置された駅の一つであった。その後の利用減少によって2016年(平成28年)と2019年(令和元年)の2回、JR北海道から廃止を打診されているが、2010年代に入り、いわゆる「秘境駅」として注目されていたことや、幌延町が2015年(平成27年)から町内の駅を活用したまちおこし事業を進めてきた経緯があり、2021年(令和3年)以降は幌延町が維持管理費用を負担して存続している[幌延町 2]。2024年(令和6年)現在、現存する仮乗降場に出自を持つ駅としては最も北にある。 年表
駅名の由来当駅の所在地近辺の地名より。以前は「ヌカナン」の字名が存在したが1959年(昭和34年)に周辺地区とともに「問寒別」に統合されている[幌延町 8]。 地名は問寒別川の支流、ヌカナン川に由来する[2]。この「ヌカナン」はアイヌ語由来とされ、野花南など類似の地名が道内各地にあるが、これらについてアイヌ語研究者の山田秀三は「どれも語義不明[3]」としている。 なお、更科源蔵や本多貢は、当地の「糠南」の由来として「原野の・冷たい・水(=流れ・川)」を意味する「ヌㇷ゚カナㇺペ(nupka-nam-pe)」という解釈を紹介している[2][4]。 駅構造単式ホーム1面1線を有する地上駅。開業時からの無人駅(幌延町管理)。分岐器を持たない棒線駅である[5]。ホームは線路の南側(稚内方面に向かって左手側)に1両分に満たない長さの板張りのものが設置され、稚内方のスロープで駅施設外に連絡している[5][6][幌延町 9]。 駅舎は無いが、ホームから板敷きの通路を渡ったホームと同じ高さの位置に、幌延町が管理する淀川製鋼所製のプレハブ物置(ヨド物置「あぜくら」)を改造した待合所がある[幌延町 9][幌延町 3][幌延町 4][5][6][注釈 2]。小屋の内部には椅子があり、時刻表やお知らせの掲示がある他に、積雪時に使用する除雪道具なども格納されている[6]。このほかに、かつてはホーム脇の地上部分に木造の待合所があったが、老朽化のため解体された。
利用状況乗車人員の推移は以下のとおり。乗降人員のみ判明している年については、2で除した値を括弧書きで記した。また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。 幌延町では2017年(平成29年)1月現在、地元の利用者は見受けられないとしており[幌延町 4]、JR北海道の調査においても、統計上0人の年が続いている。
駅周辺当地は1909年(明治42年)に2戸が入植したことに開拓がはじまり、2年後には10戸、10年後の1919年(大正8年)には12戸となり、当駅が仮乗降場として開設された15年後の1970年(昭和45年)時点では当駅含む問寒別西地区で11戸の居住がみられた[7]。 現在周囲は牧草地帯となっており、駅から見える範囲にある建物は2017年(平成29年)時点で、住民夫婦が住む1軒のみである[新聞 5]。 付近では天塩川の旧河道に沿って幌延町と天塩町の境界が設定されているが、当駅周辺には架橋されていないため、天塩町方面へ向かう場合、問寒別駅方面への迂回が必要である。 その他クリスマスパーティ2015年(平成27年)12月24日、栃木県在住の鉄道愛好家の男性が、当駅で12月24日(クリスマスイブ)を過ごす、と言うチャレンジ企画を開催し、この男性を含めた道外の愛好家5人、問寒別地区内から2人、その他道内から3人、幌延町役場からの協力者2人の計12人が糠南駅でクリスマスパーティーを開催した[幌延町 10][幌延町 1]。 翌2016年からは町の全面協力により継続開催されている[幌延町 1]。 キャラクター幌延町では、2016年(平成28年)に秘境駅キャラクターコンテストを実施。糠南駅のイメージキャラクターとして、前述の待合室を模した顔のネコのキャラクター「ぬかにゃん」が制定された[幌延町 11]。 隣の駅脚注注釈出典
JR北海道
幌延町
新聞記事
関連項目外部リンク
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