宮本 充(みやもと みつる、1958年9月8日[8] - )は、日本の俳優、声優。東京都大田区大森生まれ[3][2]、大阪府堺市出身[4]。劇団昴所属[7]。
来歴
大阪府立泉陽高等学校、北海道大学工学部合成化学科卒業[4]。
東京都大田区大森で生まれる[2]。その後すぐに横浜市に転居するも、親の都合で引っ越しが多く、小学校だけで5度、中学校で1度の転校を経験した[3]。
学生時代から典型的な長男気質で、神経質で友人もいないような子供であった[5]。母から「大学だけでももっと自然のある所に行ったらどうだ」と言われて、北海道大学に進学することにしたという[5]。
昔から洋画が好きで、小学校の頃から大学ノートに洋画の感想を書いていた。中学後半から高校までの間大阪府に在住。北海道大学時代は恵迪寮に入寮していた。当時は水谷豊主演の『熱中時代』に感動して教師を目指していた[9]。工学部では教員免許は取れず、小学校教員資格認定試験を受けて取得しようとするも不合格[9]。このまま研究者になるか教員を目指すかと悩んでいたころに、三重県出身の寮の仲間から誘われた演劇鑑賞会にて文学座の『ショートアイズ』という芝居を見て感動[4][5]。
卒業後に役者の道を志して文学座の試験に合格したが、一年間所属した後に査定で落とされ、文学座同期生に誘われて劇団昴へ移る[4]。舞台活動の傍ら、同じ劇団の久米明を見て、声優にも憧れていた[10]。
役柄について
| この節の 加筆が望まれています。 主に: 俳優としての経歴が不足。 |
声優としては1985年のアメリカ映画『マイ・サイエンス・プロジェクト』におけるバンダイ版の日本語吹き替えでデビュー[4]。ディズニー映画『ライオン・キング』のシンバ(青年)で主役を演じ、『H2』の橘英雄で初レギュラー。当初はアニメのアフレコのテンポの早さについていけず苦難したが、「『H2』ではゆっくりのペースでよかった」と話している[10]。
その後も『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の中川圭一、『犯罪捜査官ネイビーファイル』のハーモン・ラブ、『THE ビッグオー』のロジャー・スミス、ディズニー映画の複数のシリーズで主役の吹き替えを担当し、声優としてのキャリアを積む。
吹き替えではエイドリアン・ブロディをはじめ、ガイ・ピアース、マシュー・モディーン、デヴィッド・アークエット、イーサン・ホーク、イーキン・チェン、エドワード・ノートン、ルーク・ウィルソンなどを担当。過去にはキアヌ・リーブス[11][12]やブラッド・ピット、アンドリュー・マッカーシーも数多く担当していた[13]。堀内賢雄、森川智之、平田広明と並んでキアヌ・リーブスとブラッド・ピット、トム・クルーズとジョニー・デップの両者の吹き替えを経験している数少ない人物である[14]。
『マイ・プライベート・アイダホ』や『JM』など、デビュー初期に代表作を多く吹き替え、当時はフィックスとなっていたキアヌ・リーブスについては『ハートブルー』(宮本は日本テレビ『金曜ロードショー』版で担当)を劇場で鑑賞した際に「なんて綺麗な俳優だろう」とその整った容姿に驚き、まさか自分が吹き替えを担当するようになるとは想像もしなかったと述懐している。中でも『スピード』(テレビ朝日『日曜洋画劇場』版[15]、日本語吹替完全版Blu-rayBOX収録)は「宮本の持つ“少年らしさ”が初のアクション大作に挑み、タフガイになりきろうとした当時のリーブスのイメージと重なった」と評されるなど高い評価を受けた。本作は宮本自身にとっても当時必死に演じた思い出深い作品であり、現在も台本を保存しているとのことである[4]。
担当俳優による違いについて問われた際には、キアヌ・リーブスとイーサン・ホークを吹替がやりやすい俳優として挙げ、ホークについては「(台詞を発する上での感情が)スッと入ってくる。きっとどこか僕に似ているところがある」と話している。一方で、吹替がやり難かった俳優にはブラッド・ピットとエイドリアン・ブロディを挙げ、この2名については芝居を読み取り、台詞に感情を込める上で苦労したと述べている。なお、俳優ごとに声のトーンを変えるようなことはあまりしないという[4]。
2018年、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』のドグラニオ・ヤーブン役で特撮作品に初出演した[16]。
人物・エピソード
声優デビューを務めた上述の作品では出演者の大半が所属する昴のメンバーで固められていたが、その内の一人で劇団での先輩筋にあたる牛山茂がアフレコ前日の稽古中のアクシデントで頭部に重傷を負ったにもかかわらず、応急処置を施した上で収録に臨む姿に感銘を受けたという[17]。同期には伊藤和晃や林佳代子、武藤与志則などがいる。
関西育ちであるため、訛りで相当なハンディがあったという。アクセント辞典を買って参考にすることを考えたものの、結局は分からない時には周りの共演者に聞いて済ませるようにしたと語っている[18]。
田中敦子のブログにて「少年がそのまま大人になったような人」と紹介された[19]。また、本人曰く「凝り性な性格」で、趣味の面でよく凝ることから、劇団の先輩からよく冗談交じりに「その情熱の十分の一でも芝居にかけたら名優になれる」と言われるという[20]。
多趣味であり、版画、野球、囲碁、麻雀など様々な趣味を持つ[21]。子供の頃はプラモデルをよく作っていたという[22]。
既婚者であり、二児の父[23]。弟は高級珍味・料理材料を取り扱う京都トヨタヤの社長を務めている[24]。
吹き替えを担当したい役として、「自分とはかけ離れた悪役やエキセントリックな役、『ロッキー・ホラー・ショー』のティム・カリーみたいな役をやってみたい」と述べている[25]。『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』で悪のボス役のオファーを受けた際は、とても嬉しかった反面、本当に自分でよいのかという不安もあったと述べている[16]。
共にキアヌ・リーブスを持ち役としている小山力也とは親交があり、ラジオCD「TVアニメ『血界戦線&BEYOND』技名を叫んでから殴るラジオVol.2」では両者がキアヌを吹き替えていることについて触れたジョークが展開された。
出演
太字はメインキャラクター
テレビアニメ
- 1993年
-
- 1995年
-
- 1996年
-
- 1997年
-
- 1998年
-
- 1999年
-
- 2000年
-
- 2001年
-
- 2002年
-
- 2003年
-
- 2004年
-
- 2005年
-
- 2006年
-
- 2007年
-
- 2008年
-
- 2009年
-
- 2010年
-
- 2011年
-
- 2012年
-
- 2013年
-
- 2014年
-
- 2015年
-
- 2016年
-
- 2017年
-
- 2018年
-
- 2019年
-
- 2020年
-
- 2021年
-
- 2022年
-
- 2023年
-
- 2024年
-
- 2025年
-
劇場アニメ
- 1993年
-
- 1995年
-
- 1999年
-
- 2002年
-
- 2003年
-
- 2004年
-
- 2005年
-
- 2008年
-
- 2009年
-
- 2010年
-
- 2012年
-
- 2014年
-
- 2017年
-
- 2018年
-
- 2019年
-
- 2020年
-
- 2021年
-
OVA
- 1992年
-
- 1994年
-
- 1996年
-
- 2000年
-
- 2001年
-
- 2005年
-
- 2007年
-
- 2017年
-
Webアニメ
ゲーム
- 1996年
-
- 1997年
-
- 1999年
-
- 2000年
-
- 2002年
-
- 2003年
-
- 2004年
-
- 2005年
-
- 2006年
-
- 2008年
-
- 2010年
-
- 2011年
-
- 2012年
-
- 2014年
-
- 2015年
-
- 2017年
-
- 2018年
-
- 2019年
-
- 2020年
-
- 2021年
-
- 2022年
-
- 2023年
-
- 2024年
-
ドラマCD
ラジオドラマ
吹き替え
担当俳優
- アンドリュー・マッカーシー
-
- イーキン・チェン
-
- イーサン・ホーク
-
- エイドリアン・ブロディ
-
- エドワード・ノートン
-
- ガイ・ピアース
-
- 金城武
-
- キアヌ・リーブス
-
- クリス・オドネル
-
- ジョン・ボン・ジョヴィ
-
- ダーモット・マローニー
-
- チョン・ジュノ
-
- デヴィッド・アークエット
-
- バリー・ペッパー
-
- ヒュー・グラント
-
- ブラッド・ピット
-
- マイケル・J・フォックス
-
- マシュー・モディーン
-
- マット・デイモン
-
- ユアン・マクレガー
-
- ルーク・ウィルソン
-
- レイフ・ファインズ
-
- レオン・ライ
-
- ロバート・ショーン・レナード
-
映画(吹き替え)
ドラマ
アニメ
デジタルコミック
舞台
- 劇団昴 アメリカの日々(1986年) - 客、他
- 劇団昴 マクベス(1986年) - ドヌルベイン
- 劇団昴 十二夜(1987年) - フェスティ
- 劇団昴 オセロー(1987年) - 役人
- 劇団昴 父親の肖像(1988年) - ジョージ[93]
- 劇団昴 ロミオとジュリエット(1988年) - ロミオ
- 劇団昴 リチャード三世(1989年) - ドーセット候
- 劇団昴 じゃじゃ馬ならし(1990年) - ルーセンショー
- 劇団昴 夏の夜の夢(1991年) - フランシス・フルート
- 劇団昴 お気に召すまま(1993年) - オーランド―
- 劇団昴 機械じかけのピアノのための未完成の戯曲(1993年) - セルゲイ
- 劇団昴 ザ・カヴァルケイダーズ(1995年) - テッド
- 劇団昴 三人姉妹(1998年) - ソリョーヌイ
- 劇団昴 スィート・パニック(1999年) - マーティン
- 劇団昴 空騒ぎ(1999年) - クローディオー
- 劇団昴 怒りの葡萄(2000年、2003年、2004年、2006年) - トム・ジョード
- 劇団昴 クリスマス・キャロル(2002年 - 2005年) - ボブ・クラチット、他
- 劇団昴 花嫁付き添い人の秘密(2003年) - ジェームス・デイヴィス
- 劇団昴 コリオレイナス(2004年) - コリオレイナス、タラス・オーフィディアス
- 劇団昴 うつろわぬ愛(2007年) - エルマー・マズグローブ
- 劇団昴 隣で浮気?(2009年、2013年) - ウィリアム・フェザーストン
- 劇団昴 親の顔が見たい(2009年、2011年 - 2015年) - 長谷部亮平
- 劇団昴 スタア(2010年) - 島本匠太郎
- 劇団昴 エデンの東(2011年) - アダム・トラスク
- 劇団昴 危機一髪(2012年) - 舞台監督
- 劇団昴 石棺 -チェルノブイリの黙示録-(2012年) - 査問官
- 劇団昴 汚れた手(2012年) - ルイ
- 劇団昴 イノセント・ピープル(2013年、2014年) - キース・ジョンソン
- 劇団昴 ホテル・スイート(2015年) - シドニー・ニコルズ
- 劇団昴 ヴェニスの商人(2016年) - アントーニオー
- 劇団昴 チャリング・クロス街84番地(2016年) - フランク・ドエル
- 劇団昴 ポーランドの人形遣い(2017年) - シュワルツコフ
- 劇団昴 アルジャーノンに花束を(2017年、2019年、2020年) - ストラウス博士
- 劇団昴 評決 The Verdict(2018年、2023年) - フランク・ギャルビン
- 劇団昴ザ・サード・ステージLABO 南吉野村の春(2019年) - アナウンサー(声の出演)
- 劇団昴 クリスマスキャロル(2021年 - 2023年) - エベニーザ・スクルージ
- 劇団昴 (朗読劇)とりつくしま[94](2024年) - 「白檀」「ロージン」とりつくしま係
- 俳優座劇場 ファニーマネー(2002年) - ヴィック
- 木山事務所 慶応某年ちぎれ雲(2006年) - 石
- 日本劇団協議会主催・オールスタッフ 音楽劇 モリスの藍工房 いちご泥棒のうた(2010年) - モリス
テレビドラマ
映画
特撮
ナレーション
その他コンテンツ
脚注
注釈
シリーズ一覧
- ^ 第1期『first season』(1999年 - 2000年)、第2期『second season』(2003年)
- ^ 『最遊記RELOAD』(2003年 - 2004年)、『最遊記RELOAD GUNLOCK』(2004年)、『最遊記RELOAD -ZEROIN-』(2022年)
- ^ 第1期(2007年 - 2008年)、第2期『天界の七竜』(2008年 - 2009年)
- ^ 第1期『屍姫 赫』(2008年)、第2期『屍姫 玄』(2009年)
- ^ 第1期『〜the Aegis of URUK〜』(2008年)、第2期『〜the Sword of URUK〜』(2009年)
- ^ 第1期(2014年)、第2期『新章』(2017年 - 2018年)
- ^ 第1期(2015年)、第2期『血界戦線 & BEYOND』(2017年)
- ^ 第1シーズン(2016年)、第2シーズン(2016年)、第3シーズン(2019年)、第4シーズン(2023年)、第5シーズン(2023年)
- ^ 第3期・最終章『:re』(2018年)
- ^ 第1期『-#000000-』(2021年)、第2期『-#FFFFFF-』(2022年)
- ^ 第2期『2nd Season』(2022年)、第3期『3rd Season』(2024年)
- ^ 『F』(2000年)、『F.I.F』(2001年)、『GENESIS』(2016年)
出典
参考文献
- 『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー公式完全読本 LUPINRANGER VS PATRANGER VS ULTIMATE COLLECTION』ホビージャパン〈ホビージャパンMOOK 937〉、2019年6月24日。ISBN 978-4-7986-1953-8。
外部リンク