大嶋 和也(おおしま かずや、1987年4月30日 - )は日本のレーシングドライバー。群馬県出身。
プロフィール・人物
略歴
父親が全日本ラリー選手権のドライバーであった影響もあってか、8歳(小学校2年生)の時にカートを始める。
1997年、カートレースにデビューを果たす。その後、GKT榛名シリーズSクラスおよびFRクラス・全日本ジュニアカート選手権でシリーズチャンピオンを獲得するなど、カートレースに於いて実績を積み重ねた。
2003年、カートレースに参戦を継続する一方で、フォーミュラトヨタレーシングスクール(FTRS)を受講し、スカラシップを獲得した。
2004年にはエッソ・フォーミュラ・トヨタシリーズに参戦し、シリーズランキング2位となった。なおこの年高校へと進学しているが、レース活動で不足する出席日数を補うために、東京・堀越高校の芸能コースに入学している。
2005年、トヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム(TDP)契約ドライバーとして、引き続きフォーミュラ・トヨタシリーズに参戦しシリーズチャンピオンに輝いた。この年にはマカオGPのフォーミュラ・ルノーレースに出場し、2位表彰台を獲得した。
2006年、全日本F3選手権にステップアップ。当年度は優勝者が6名も誕生するという近年ではまれに見るシリーズであったが、シリーズランキング2位(優勝3回)と好成績を収めた。特筆すべきは、彼の速さを強烈に印象付けたことであり、ポールポジション4回・ファステストラップ5回を獲得し、この記録はシリーズチャンピオンのエイドリアン・スーティル(F1のMF1・テストドライバー、翌年スパイカーよりF1デビュー)よりも上回っている。また、F3マカオGPにも出場し、決勝レースでは7位(この年の日本人最高位)となった。なお、この年はSUPER GT・GT300クラス(梁山泊 apr MR-S)に田中実とコンビを組んでデビューした(シリーズランキング15位)。また、このシーズン最終戦でGT300クラスでの最年少ポールポジション記録を更新した(19歳)。
2007年、引き続き全日本F3選手権およびSUPER GT・GT300クラスに参戦しており、全日本F3選手権では、最終戦(もてぎ)において逆転でシリーズチャンピオンを獲得した(総合ポイントではロベルト・ストレイトが上回ったが、有効ポイントで大嶋が上位となった。)。日本人としては、小暮卓史以来5年ぶりのチャンピオンであり、FTRS出身およびTDP参加ドライバーとして、初めて全日本F3選手権を獲得した。SUPER GTでは石浦宏明とのコンビ、いわゆるヤングガンズで参戦。第2戦(岡山)にてGT300クラスでの初優勝し、第4戦(セパン)でも優勝し、史上最年少でGT300クラスのドライバーズチャンピオン(2位高橋一穂・加藤寛規組とは同ポイントであったが、優勝回数の差でチャンピオンになった)に輝いた。また、F3マカオGPにも参戦し3位に入賞した。
2008年、マノー・モータースポーツ(現在のヴァージン・レーシング)よりユーロF3シリーズにフル参戦し、第8戦(カタロニア)レース2で初優勝したが、シーズン全体としては成績は低調。初優勝以外では8位入賞が1回のみで、ランキング19位(7ポイント)に終わった。
2009年、日本国内の最高峰カテゴリーであるフォーミュラ・ニッポン(トムス)およびSUPER GT・GT500クラス(チームルマン)に参戦。
2010年、フォーミュラ・ニッポン第5戦(菅生)では、燃費的にリスクが高い無給油作戦を敢行し初優勝を飾った(同様の作戦を取ったジョアオ・パオロ・デ・オリベイラはトップに立つが最終ラップでガス欠となった)。
2011年、フォーミュラ・ニッポンでSUPER GTと同じチームルマンに移籍。フォーミュラ・ニッポンでは第2戦(オートポリス)で2位表彰台を獲得し、ランキング5位につけた。
2012年、第4戦(菅生)でGT500初優勝を挙げ、フォーミュラニッポンでも第4戦(富士)で表彰台に登った。
2013年、SUPER GTのパートナーが伊藤大輔から国本雄資へ交代。フォーミュラ・ニッポンのシートを失ったが、SUPER GT最終戦(もてぎ)で優勝を挙げた。
2016年、SUPER GTのパートナーが国本雄資からアンドレア・カルダレッリに交代。2016、2017年と最終戦までチャンピオン争いをしたが、その安定感の高さに反して優勝を挙げることはできなかった。2014年にはマザーシャシーのトヨタ・86をドライブしてタイのスーパーカーレースにスポット参戦、GT3勢を破って2レースで優勝を挙げている[6]。スーパーフォーミュラにトムスから代役スポット参戦した。
2017年、チームルマンから5年ぶりにスーパーフォーミュラにフル参戦。シーズン通してルーキーでありチームメイトのフェリックス・ローゼンクビストの後塵を拝したが、第5戦(オートポリス)では戦略が当たって3位表彰台に登った。
2018年、SUPER GTのパートナーがスーパーフォーミュラでもコンビを組んだローゼンクビストに変更された。この年の4月、F3時代から目をかけられていた山田健二エンジニアが急逝している。この影響もあってか表彰台わずか1回と成績は伸びず、ランキング10位と低迷した。
2019年、山下健太とコンビを組み、チーム無限でスーパーフォーミュラのチャンピオンに貢献した阿部和也エンジニアを迎えた。大嶋が的確なコメントでセッティングを決め、山下が自慢の速さで圧倒するという役割分担が功を奏し、タイで優勝を挙げると続く富士でもピット戦略の成功で2連勝を飾った[7]。ポイントリーダーで迎えた最終戦ではオープニングで順位を落とすも、山下の果敢な走りで2位に入って念願のGT500シリーズチャンピオンを獲得した。またスーパーフォーミュラでも第2戦で3位表彰台を獲得している。
レース戦績
- 1997年 - GKT榛名シリーズSクラス参戦
- 1998年 - GKT榛名シリーズSクラス(シリーズチャンピオン)
- 1999年
- GKT榛名シリーズFRクラス(シリーズチャンピオン)
- 全日本ジュニアカート選手権(シリーズチャンピオン)
- 2000年 - 全日本カート競技選手権ICAクラス(シリーズ2位)
- 2001年 - 全日本カート競技選手権FAクラス(シリーズチャンピオン)
- 2002年 - 全日本カート競技選手権FSAクラス参戦
- 2003年
- 全日本カート競技選手権FSAクラス参戦
- フォーミュラ・トヨタ・レーシング・スクール(FTRS)受講・(スカラシップ獲得)
- 2004年 - エッソ・フォーミュラ・トヨタシリーズ(TOM'S SPIRIT #8 ウルトラフロースカラシップFT/FT30)(シリーズ2位・3勝)
- 2005年
- エッソ・フォーミュラ・トヨタシリーズ(TOM'S SPRIT #8 TDPスカラシップFT/FT30)(シリーズチャンピオン・3勝)
- マカオGPフォーミュラ・ルノー参戦(2位)
- 2006年
- 全日本F3選手権(TOM'S #36 TDPトムスF305/ダラーラF305 3S-GE)(シリーズ2位・3勝)
- SUPER GT・GT300クラス(apr #777 梁山泊apr MR-S/TOYOTA MR-S ZZW30 2GR-FE)(シリーズ15位)
- F3マカオGP(TOM'S #8 ダラーラTOYOTA-TOM'S /ダラーラF305 3S-GE)(決勝レース7位)
- 2007年
- 全日本F3選手権(TOM'S #36 TDPトムスF307/ダラーラF307 1AZ-FE)(シリーズチャンピオン・6勝)
- SUPER GT・GT300クラス(apr #101 TOY STORYapr MR-S/TOYOTA MR-S ZZW30 2GR-FE)(シリーズチャンピオン・2勝)
- F3マカオGP(TOM'S #6 ダラーラTOYOTA-TOM'S/ダラーラF307 1AZ-FE)(決勝レース3位)
- 2008年
- F3ユーロシリーズ(Manor Motorsport #29 ダラーラF308 Mercedes)(シリーズ19位)
- F3マカオGP(Manor Motorsport #22 ダラーラF308 Mercedes)(決勝レース16位)
- 2009年
- 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(PETRONAS TEAM TOM'S #37/スウィフト017.n RV8K)(シリーズ9位)
- SUPER GT・GT500クラス(LEXUS TEAM KRAFT #35 KRAFT SC430/LEXUS SC430 UZZ40 RV8KG)(シリーズ9位・1勝)
- 2010年
- 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(PETRONAS TEAM TOM'S #37/スウィフト017.n RV8K)(シリーズ6位)
- SUPER GT・GT500クラス(LEXUS TEAM KRAFT #35 MJ KRAFT SC430/LEXUS SC430 UZZ40 RV8KG)(シリーズ6位・1勝)
- ニュルブルクリンク24時間レース ディビジョン2・SP8クラス(GAZOO Racing #50 レクサス・LFA/1LR-GUE)(総合18位・クラス優勝)
- 2011年
- 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(Team LeMans #7/スウィフト017.n RV8K)(シリーズ5位)
- SUPER GT・GT500クラス(LEXUS TEAM Le Mans ENEOS #6 ENEOS SUSTINA SC430/LEXUS SC430 UZZ40 RV8KG)(シリーズ11位)
- 2012年
- SUPER GT・GT500クラス(LEXUS TEAM Le Mans ENEOS #6 ENEOS SUSTINA SC430/LEXUS SC430 UZZ40 RV8KG)(シリーズ10位・1勝)
- ニュルブルクリンク24時間レース ディビジョン2・SP3クラス(GAZOO Racing #166 トヨタ・86/FA20)(総合46位・クラス優勝)
- バンセン4時間耐久レース Division 1(GAZOO Racing #38 トヨタ・ヴィオス)(総合優勝)
- 2013年
- SUPER GT・GT500クラス(LEXUS TEAM Le Mans ENEOS #6 ENEOS SUSTINA SC430/LEXUS SC430 UZZ40 RV8KG)(シリーズ5位・1勝)
- ニュルブルクリンク24時間レース ディビジョン2・SP8クラス(GAZOO Racing #79 レクサス・LFA/1LR-GUE)(総合37位・クラス2位)
- 2014年
- SUPER GT・GT500クラス(LEXUS TEAM Le Mans ENEOS #6 ENEOS SUSTINA RC F/LEXUS RC F RI4AG)(シリーズ7位)
- ニュルブルクリンク24時間レース ディビジョン2・SP8クラス(GAZOO Racing #48 レクサス・LFA/1LR-GUE)(総合15位・クラス優勝)
- ニュルブルクリンク耐久レースシリーズ VLN2・SP8クラス(GAZOO Racing #48 レクサス・LFA/1LR-GUE)(総合18位・クラス優勝)
- 2015年
- SUPER GT・GT500クラス(LEXUS TEAM Le Mans ENEOS #6 ENEOS SUSTINA RC F/LEXUS RC F RI4AG)(シリーズ9位)
- ニュルブルクリンク24時間耐久レース SP-PROクラス(GAZOO Racing #53 レクサス・LFA Code X/1LR-GUE)(総合14位・クラス優勝)
- 全日本選手権スーパーフォーミュラ<Rd.2スポット参戦>(PETRONAS TEAM TOM'S #1/ダラーラ・SF14 RI4A)
- 2016年
- SUPER GT・GT500クラス(LEXUS TEAM LEMANS WAKO'S #6 WAKO'S 4CR RC F/LEXUS RC F RI4AG)(シリーズ2位)
- ニュルブルクリンク24時間耐久レース SP-PROクラス(TOYOTA GAZOO Racing with TOM'S #36 レクサス・RC F/2UR-GSE)(総合24位・クラス優勝)
- 2017年
- SUPER GT・GT500クラス(LEXUS TEAM LEMANS WAKO'S #6 WAKO'S 4CR LC500/LEXUS LC500 RI4AG)(シリーズ3位)
- 全日本スーパーフォーミュラ選手権(SUNOCO TEAM LEMANS #8/ダラーラ・SF14 RI4A)(シリーズ12位)
- 2018年
- SUPER GT・GT500クラス(LEXUS TEAM LEMANS WAKO'S #6 WAKO'S 4CR LC500/LEXUS LC500 RI4AG)(シリーズ10位)
- 全日本スーパーフォーミュラ選手権(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS #8/ダラーラ・SF14 RI4A)(シリーズ12位)
- 2019年
- SUPER GT・GT500クラス(LEXUS TEAM LEMANS WAKO'S #6 WAKO'S 4CR LC500)(シリーズチャンピオン)
- 全日本スーパーフォーミュラ選手権(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS #8/ダラーラ・SF19 Biz-01F)(シリーズ14位)
- 2020年
- SUPER GT・GT500クラス(TGR TEAM WAKO'S ROOKIE #14 WAKO'S 4CR GR Supra)(シリーズ7位)
- 全日本スーパーフォーミュラ選手権(ROOKIE Racing #14/ダラーラ・SF19 Biz-01F)(シリーズ19位)
- 2021年
- SUPER GT・GT500クラス(TGR TEAM ENEOS ROOKIE #14 ENEOS X PRIME GR Supra)(シリーズ5位)
- 全日本スーパーフォーミュラ選手権(NTT Communications ROOKIE #14/ダラーラ・SF19 Biz-01F)(シリーズ19位)
- 2022年
- SUPER GT・GT500クラス(TGR TEAM ENEOS ROOKIE #14 ENEOS X PRIME GR Supra)(シリーズ5位)
- 全日本スーパーフォーミュラ選手権(NTT Communications ROOKIE #14/ダラーラ・SF19 Biz-01F)
- 2023年
- SUPER GT・GT500クラス(TGR TEAM ENEOS ROOKIE #14 ENEOS X PRIME GR Supra)(シリーズ7位)
- 全日本スーパーフォーミュラ選手権(docomo business ROOKIE #14/ダラーラ・SF23 Biz-01F)(シリーズ14位)
- 2024年
- SUPER GT・GT500クラス(TGR TEAM ENEOS ROOKIE #14 ENEOS X PRIME GR Supra)
- 全日本スーパーフォーミュラ選手権(docomo business ROOKIE #14/ダラーラ・SF23 Biz-01F)
フォーミュラ
全日本フォーミュラ3選手権
フォーミュラ3・ユーロシリーズ
(key)
フォーミュラ・ニッポン/スーパーフォーミュラ
SUPER GT
脚注
関連項目
外部リンク
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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スーパーフォーミュラ・ライツ |
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フォーミュラ・リージョナル ジャパニーズ・チャンピオンシップ |
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全日本GT選手権 |
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SUPER GT |
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- 194 - 95年まではGT1クラス。
- 294 - 95年まではGT2クラス。
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