ズラノロン
ズラノロン
IUPAC命名法 による物質名
1-(2-((3R ,5R ,8R ,9R ,10S ,13S ,14S ,17S )-3-Hydroxy-3,13-dimethylhexadecahydro-1H -cyclopenta[a ]phenanthren-17-yl)-2-oxoethyl)-1H -pyrazole-4-carbonitrile
臨床データ 発音
zuu-RAN -ə-lohn 販売名
ズルズバエ ライセンス
US Daily Med :リンク 胎児危険度分類
法的規制
薬物動態 データ血漿タンパク結合 99.5% 代謝 CYP3A4 半減期 16–23 時間[ 2] [ 3] データベースID CAS番号
1632051-40-1 ATCコード
None PubChem
CID: 86294073 DrugBank
DB15490 ChemSpider
71117610 UNII
7ZW49N180B KEGG
D11793 ChEBI
CHEBI:228302 ChEMBL
CHEMBL4105630 別名
SAGE-217; S-812217; SGE-797; BIIB-125 化学的データ 化学式 C 25 H 35 N 3 O 2 分子量 409.57 g·mol−1
O=C(CN1N=CC(C#N)=C1)[C@H]2CC[C@@]3([H])[C@]4([H])CC[C@]5([H])C[C@](C)(O)CC[C@]5([H])[C@@]4([H])CC[C@@]32C
InChI=1S/C25H35N3O2/c1-24(30)9-7-18-17(11-24)3-4-20-19(18)8-10-25(2)21(20)5-6-22(25)23(29)15-28-14-16(12-26)13-27-28/h13-14,17-22,30H,3-11,15H2,1-2H3/t17-,18+,19-,20-,21+,22-,24-,25+/m1/s1 Key:HARRKNSQXBRBGZ-GVKWWOCJSA-N
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ズラノロン (英 : Zuranolonel )は、アメリカで産後うつ病の適応で認可されている抗うつ薬 のこと[ 4] [ 5] 。
GABAA 受容体 ポジティブアロステリックモジュレータ として作用する[ 6] [ 7] [ 8] 。セージ・セラピューティクスとバイオジェン によって開発され[ 9] 、2023年8月にアメリカで産後うつ病の治療薬として承認された[ 5] 。アメリカでの商品名は「ズルズバエ」[ 10] 。投与経路は経口[ 4] 。
医療用途
FDA により産後うつ病の適応で承認されている[ 4] [ 5] 。
うつ病の治療薬としても開発中であったが、この適応の申請は有効性の証拠が不十分であるとしてFDAからCLA(完全回答書:FDAが未解決の疑問点を抱えていることを意味し、現時点でこの適応を承認できないことを意味する書類)が提出された。
副作用
一般的な副作用としては、眠気、めまい、下痢、疲労、尿路感染症などがある[ 5] 。
特徴
ズラノロンは静脈内投与される神経ステロイド であるブレキサノロンの改良薬として開発され、経口バイオアベイラビリティが高く、生物学的半減期は1日1回の投与に適している[ 7] [ 11] 。半減期は約16~23時間で、ブレキサノロンの 約9時間と比較して長い[ 6] [ 7] 。
成人の産後うつ病に対するズラノロンの有効性は、2つのランダム化ダブルブラインド比較試験で実証されている[ 5] 。被験者は、精神障害の診断と統計マニュアル の大うつ病エピソードの基準を満たし、症状が妊娠第3期または出産後4週間以内に始まった産後うつ病の女性であった[ 5] 。研究1では、参加者は14日間、1日1回夕方にズラノロン50 mgまたはプラセボを投与された[ 5] 。研究2では、参加者は14日間、ズラノロン40 mgまたはプラセボを投与された[ 5] 。両方の研究の参加者は、14日間の治療後少なくとも4週間観察された[ 5] 。両研究の主要評価項目は、15日目に測定した17項目のハミルトンうつ病評価尺度 (HAMD-17)の合計スコアを用いたうつ病症状の変化であった[ 5] 。ズラノロン群の参加者は、プラセボ群の参加者と比較して症状の統計的に有意な改善を示した[ 5] 。治療効果は、ズラノロンの最後の投与から4週間後の42日目にも維持された[ 5] 。
歴史
2018年
6月14日 - 塩野義製薬 がセージ・セラピューティクスと「ズラノロン」の日本、台湾および韓国における開発、販売に関する契約を締結[ 12] 。
2020年
6月 - 塩野義製薬が日本国内において大うつ病性障害に対して「ズラノロン」の第2相臨床試験を開始[ 13] 。
2021年
9月 - 塩野義製薬が日本国内において大うつ病性障害に対して行っていた「ズラノロン」の第2相臨床試験終了[ 13] 。
2023年
8月4日 - FDA が「ズラノロン」を産後うつ病の適応で承認[ 12] 。
2024年
9月27日 - 塩野義製薬が「ズラノロン」をうつ病の適応で厚生労働省に製造販売承認申請[ 14] 。
研究
大うつ病性障害の治療における有効性と安全性を評価するためのランダム化比較試験第3相試験では、ズラノロン群(1日1回50mgのズラノロンを経口投与、14日間)の被験者は、治療期間と追跡期間を通じて、うつ病症状( HAMD-17スコアで評価)について統計的有意かつ持続的な改善を示した[ 15] 。
その他の研究対象疾患としては、不眠症、双極性うつ病、本態性振戦、パーキンソン病などがある[ 16] [ 17] 。
論文
脚注
^ “Schedules of Controlled Substances: Placement of Zuranolone in Schedule IV ”. Federal Register (2023年10月31日). 2024年3月5日 閲覧。
^ “GABAkines - Advances in the discovery, development, and commercialization of positive allosteric modulators of GABAA receptors” . Pharmacology & Therapeutics 234 : 108035. (2022). doi :10.1016/j.pharmthera.2021.108035 . PMC 9787737 . PMID 34793859 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9787737/ .
^ “Intravenous brexanolone for postpartum depression: what it is, how well does it work, and will it be used?” . Therapeutic Advances in Psychopharmacology 10 : 2045125320968658. (2020). doi :10.1177/2045125320968658 . PMC 7656877 . PMID 33224470 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7656877/ .
^ a b c “Zurzuvae (zuranolone) capsules, for oral use, [controlled substance schedule pending ]”. 5 August 2023時点のオリジナルよりアーカイブ 。5 August 2023 閲覧。
^ a b c d e f g h i j k l "FDA Approves First Oral Treatment for Postpartum Depression" . U.S. Food and Drug Administration (FDA) (Press release). 4 August 2023. 2023年8月4日閲覧 。 この記述には、アメリカ合衆国 内でパブリックドメイン となっている記述を含む。
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^ “Neuroactive Steroids. 2. 3α-Hydroxy-3β-methyl-21-(4-cyano-1H-pyrazol-1'-yl)-19-nor-5β-pregnan-20-one (SAGE-217): A Clinical Next Generation Neuroactive Steroid Positive Allosteric Modulator of the (γ-Aminobutyric Acid)A Receptor”. Journal of Medicinal Chemistry 60 (18): 7810–7819. (2017). doi :10.1021/acs.jmedchem.7b00846 . PMID 28753313 .
^ Saltzman, Jonathan (4 August 2023). “FDA approves postpartum depression pill from two Cambridge drug firms” . The Boston Globe . オリジナル の6 August 2023時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230806030238/https://www.bostonglobe.com/2023/08/04/business/fda-postpartum-depression-pill/ 5 August 2023 閲覧。
^ “経口の「産後うつ薬」が米で初承認 ”. 臨床ニュース | m3.com . m3 (2023年8月24日). 2024年8月9日 閲覧。
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^ a b “一般の方に向けた臨床試験結果の要約 ”. www.shionogi.com . 塩野義製薬. 2024年8月14日 閲覧。
^ “うつ病治療薬候補ズラノロンを申請 塩野義製薬 ”. 日刊薬業 - 医薬品産業の総合情報サイト . 株式会社じほう (2024年9月27日). 2024年10月10日 閲覧。
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^ “Zuranolone as an oral adjunct to treatment of Parkinsonian tremor: A phase 2, open-label study”. Journal of the Neurological Sciences 421 : 117277. (2021). doi :10.1016/j.jns.2020.117277 . PMID 33387701 .
アルコール バルビツール酸系 ベンゾジアゼピン 類ウレタン フラボノイド イミダゾール カヴァ 成分ウレイド (英語版 ) 神経ステロイド 非ベンゾジアゼピン系 フェノール 類ピラゾロピリジン 類キナゾリノン 類吸入麻酔薬 /ガスその他/未分類
3-ヒドロキシブタナール
アロガバト (英語版 )
アベルメクチン 類 (例:イベルメクチン )
臭化物 化合物 (例:臭化リチウム , 臭化カリウム , 臭化ナトリウム )
カルバマゼピン
クロラロース (英語版 )
クロルメザノン
クロメチアゾール (英語版 )
ダリガバト (英語版 )
DEABL (英語版 )
重水素化エチフォキシン (英語版 )
ジヒドロエルゴリン (英語版 ) 類 (例:ジヒドロエルゴクリプチン (英語版 ) , エルゴロイド (英語版 ) )
エタゼピン (英語版 )
エチフォキシン (英語版 )
フルピルチン (英語版 )
ホパンテン酸 (英語版 )
KRM-II-81 (英語版 )
ランタン
ラベンダー油 (英語版 )
リグナン 類 (例:4-O-メチルホノキオール (英語版 ) , ホノキオール (英語版 ) , マグノロール (英語版 ) , オボバトール (英語版 ) )
ロレクレゾール (英語版 )
イソ吉草酸メンチル (英語版 )
モナストロール (英語版 )
Org 25,435 (英語版 )
プロパニジド
レチガビン (英語版 )
サフラナール
スチリペントール (英語版 )
スルホニルアルカン (英語版 ) 類 (例:スルホンメタン (英語版 ) , テトロナール (英語版 ) , トリオナール (英語版 ) )
トピラマート
セイヨウカノコソウ 成分 (例:3-メチルブタン酸 , イソバレルアミド , バレレン酸 (英語版 ) )
未分類のベンゾジアゼピン部位陽性調節因子: MRK-409 (英語版 )
TCS-1205 (英語版 )