IUPAC命名法 による物質名
1,1,1,3,3,3-Hexafluoro-2-(fluoromethoxy)propane
臨床データ 販売名
Sojourn, Ultane, Sevorane Drugs.com
患者向け情報(英語) Consumer Drug Information 胎児危険度分類
法的規制
薬物動態 データ代謝 Hepatic by CYP2E1 代謝物質 Hexafluoroisopropanol 半減期 15–23 hours 排泄 Renal データベースID CAS番号
28523-86-6 ATCコード
N01AB08 (WHO ) PubChem
CID: 5206 IUPHAR/BPS (英語版 )
7296 DrugBank
DB01236 ChemSpider
5017 UNII
38LVP0K73A KEGG
D00547 ChEBI
CHEBI:9130 ChEMBL
CHEMBL1200694 化学的データ 化学式 C 4 H 3 F 7 O 分子量 200.06 g·mol−1
InChI=1S/C4H3F7O/c5-1-12-2(3(6,7)8)4(9,10)11/h2H,1H2 Key:DFEYYRMXOJXZRJ-UHFFFAOYSA-N
物理的データ 沸点 58.5 °C (137.3 °F) テンプレートを表示
セボフルラン (Sevoflurane)は、甘い香りをもつ、不燃性の高度にフッ素化されたハロゲン化エーテル であり、吸入麻酔薬 として全身麻酔 の導入 および維持に用いられる。デスフルラン に次いで、揮発性麻酔薬の中では最も効果の発現と消失が速い[ 1] 。吸入麻酔薬としてのカラーコードは黄色で、製品や専用の気化器 には黄色のラベルが貼られている。
適応
特に日帰り手術 麻酔[ 2] で、すべての年齢層のヒトの日常臨床および獣医学 領域で最も一般的に使用されている揮発性麻酔薬の1つである。デスフルラン とともに、セボフルランは現代の麻酔 でイソフルラン とハロタン に取って代わりつつある。亜酸化窒素 と酸素の混合物で投与されることもある。
セボフルランは優れた安全性の特性を持っている[ 2] 、ハロタン 肝毒性 と同様のまれな肝毒性については結論が出ていない。粘膜 への刺激が少ないため、マスク導入に適した薬剤である。
セボフルランはロス・テレル[ 3] によって、そしてバーナード・M・リーガンによって独立して発見された。その開発と特性の詳細なレポートは、1975年に、リチャード・ウォリン、バーナード・リーガン、マーサ・ナポリ、イワン・スターンが執筆した論文に掲載された。日本では1990年に丸石製薬株式会社 (大阪)により最初に臨床現場に導入された。世界中のセボフルランの権利はアッヴィ が保有していた。現在、ジェネリック医薬品 として入手可能である。
セボフルランは吸入麻酔薬であり、手術のために小児を眠らせるためによく使用される。薬から目覚める過程で、興奮やせん妄 を引き起こすことが知られている。これを防ぐことができるかどうかは明らかではない[ 4] 。
有害な影響
小児への投与について
重大な健康上の懸念を調査する研究、麻酔薬誘発性神経毒性(セボフルラン、特に子供と乳児を含む)は「交絡因子に満ちており、多くは統計的に力不足である」ため、「さらなるデータが必要である」と反論を受けた[ 5] 。
麻酔の安全性に関する懸念は、子供と乳児に関して特に深刻であり、関連する動物モデルからのエビデンス は、セボフルランを含む一般的な臨床的に重要な薬剤が発達中の脳に対して神経毒性を持ち、したがって長期的に神経行動異常を引き起こす可能性があることを示唆していた。セボフルランが使用されている場所を含む、乳児および幼児における全身麻酔の神経発達への影響に関する「重要な[さらなる]情報」を提供することを期待して、2つの大規模臨床研究(PANDAおよびGAS)が進められた[ 6] 。その結果、ヒトにおいて、臨床的には麻酔薬の神経毒性を証明するものではないと結論づけられた[ 7] 。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与について
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦(3カ月以内)又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与[ 8] 。子宮筋 を弛緩させる可能性があるので、産科麻酔 に用いる場合には、観察を十分に行い慎重に投与すること[ 8] 。
コンパウンドA
麻酔回路の強アルカリ性二酸化炭素吸収剤との反応によって生じる物質、コンパウンドA に腎毒性があるとされてきたが、現在の二酸化炭素吸収剤は強アルカリを含まないものが普及しており、コンパウンドAはほとんど発生しない。よって、腎機能障害のリスクは低い。新鮮ガス 流量を低流量にした場合、このリスクが高まるとしてアメリカ食品医薬品局 は動物実験からのエビデンス に基づき、セボフルラン使用時の新鮮ガス流量を2l/min以下にしないことを添付文書表示に義務づけてきた[ 10] 。2023年10月、アメリカ麻酔科学会 (英語版 ) は、この勧告にはエビデンスが乏しく、揮発性麻酔薬による環境汚染や不必要なコストの方が問題であるとして、0.5L/minまでの低流量麻酔 を許容する勧告を出した[ 10] 。
薬理学
全身麻酔薬の作用の正確なメカニズムは判明していない[ 11] 。セボフルランは、細胞電気生理学的研究において、GABAA 受容体 のポジティブアロステリックモジュレーター として作用することが報告されている[ 12] [ 13] [ 14] [ 15] 。しかし、それはまた、NMDA受容体 拮抗薬として作用し[ 16] 、グリシン受容体電流を増強し、AChR [ 17] 、および5-HT3 受容体電流を阻害する[ 18] [ 19] [ 20] 。
物理的特性
沸点 :
58.6 °C
(101.325 kPa)
密度 :
1.517 – 1.522g /cm³
(20 °C)
MAC :
2.1 %
分子量 :
200 u
蒸気圧 :
157 mmHg(20.9 kPa)
(20 °C)
197 mmHg(26.3 kPa)
(25 °C)
317 mmHg(42.3 kPa)
(36 °C)
血液:ガス分配係数:
0.68
油:ガス分配係数:
47
出典
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参考文献
外部リンク
アルコール バルビツール酸系 ベンゾジアゼピン 類ウレタン フラボノイド イミダゾール カヴァ 成分ウレイド (英語版 ) 神経ステロイド 非ベンゾジアゼピン系 フェノール 類ピラゾロピリジン 類キナゾリノン 類吸入麻酔薬 /ガスその他/未分類
3-ヒドロキシブタナール
アロガバト (英語版 )
アベルメクチン 類 (例:イベルメクチン )
臭化物 化合物 (例:臭化リチウム , 臭化カリウム , 臭化ナトリウム )
カルバマゼピン
クロラロース (英語版 )
クロルメザノン
クロメチアゾール (英語版 )
ダリガバト (英語版 )
DEABL (英語版 )
重水素化エチフォキシン (英語版 )
ジヒドロエルゴリン (英語版 ) 類 (例:ジヒドロエルゴクリプチン (英語版 ) , エルゴロイド (英語版 ) )
エタゼピン (英語版 )
エチフォキシン (英語版 )
フルピルチン (英語版 )
ホパンテン酸 (英語版 )
KRM-II-81 (英語版 )
ランタン
ラベンダー油 (英語版 )
リグナン 類 (例:4-O-メチルホノキオール (英語版 ) , ホノキオール (英語版 ) , マグノロール (英語版 ) , オボバトール (英語版 ) )
ロレクレゾール (英語版 )
イソ吉草酸メンチル (英語版 )
モナストロール (英語版 )
Org 25,435 (英語版 )
プロパニジド
レチガビン (英語版 )
サフラナール
スチリペントール (英語版 )
スルホニルアルカン (英語版 ) 類 (例:スルホンメタン (英語版 ) , テトロナール (英語版 ) , トリオナール (英語版 ) )
トピラマート
セイヨウカノコソウ 成分 (例:3-メチルブタン酸 , イソバレルアミド , バレレン酸 (英語版 ) )
未分類のベンゾジアゼピン部位陽性調節因子: MRK-409 (英語版 )
TCS-1205 (英語版 )