『ミート・ザ・ビートルズ』(Meet The Beatles!)は、1964年1月にアメリカ合衆国で発売されたビートルズの2作目のアルバムである。
解説
『ミート・ザ・ビートルズ』は、キャピトル・レコードにおけるファースト・アルバムである。ファースト・アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』のアメリカにおける販売権はヴィージェイ・レコードが保有していたため、本作は『ウィズ・ザ・ビートルズ』収録曲を中心に編集された。ジャケット写真も同作のものに青みを持たせたものとなっている。
大ヒットした「抱きしめたい」を1曲目に据え、イギリス盤とは違った編集を施した初期の12曲が収録されている。アルバムの販売枚数を伸ばすためにヒットしたシングル曲は直後のアルバムに収録したり、アルバムの収録曲を12曲程度に留める[注釈 1]といったアメリカ音楽業界独自の通例、またアルバム数を増やし、更なる売上を得るという営業方針に基づき、キャピトルはビートルズのオリジナル・アルバムを独自に編集し続けた。こうした措置は1966年の『リボルバー』まで続けられた。しかし、ビートルズのメンバーが編集措置に対し不満を抱いていたため[注釈 2]、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』で初めて英米統一が図られた[注釈 3]。
『ウィズ・ザ・ビートルズ』収録の全14曲中、本作未収録の5曲は、1964年4月発売の『ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム』に収録された[2]。
ビートルズの本格的なアメリカ・デビュー・アルバムであるため、アメリカの聴衆にとっては非常に思い入れ深いアルバムであった。『ビルボード』誌アルバム・チャート(Billboard 200)では11週連続第1位を獲得[3]し、1964年度年間ランキングでは第8位、そして、1965年度年間ランキング31位を記録している。また『キャッシュボックス』誌でも11週連続第1位を獲得し、こちらでは1964年度年間ランキング第1位に輝いている。アメリカだけで500万枚以上の売上を記録しており、アメリカレコード協会によってプラチナ認定されている[4]。ビートルズのイギリス盤アルバムがCD化された際、アメリカ編集盤は廃盤になったが、2004年にボックスセットとして発売された『The Capitol Albums Vol.1』においてモノラルとステレオ両方が初CD化された。
ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・ベストアルバム500において59位にランクインしている[5]。
収録曲
特筆がないものは、英国盤公式オリジナルアルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』からの収録。また作詞作曲について、特記のないものはレノン=マッカートニーによるもの。
クレジット
- ビートルズ
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- 外部ミュージシャン・スタッフ
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チャート成績・認定
脚注
注釈
- ^ 当時のアメリカでは収録曲が12曲以上になると、加算される税金が増額されていた。
- ^ 『イエスタデイ・アンド・トゥディ』のオリジナル・ジャケット(「ブッチャー・カヴァー」と呼ばれている、白衣をまとったビートルズに肉片や分解されたキューピー人形をあしらった写真)は、リリース当時ビートルズのキャピトル独自編集に対する抗議の意向であったと言われていた。
- ^ ただしアメリカ盤『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』からは「サージェント・ペパー・インナー・グルーヴ」が削除されているため、厳密には『ザ・ビートルズ』が編集されなかった最初のアルバムとなる。
- ^ 既発シングル曲
- ^ アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』からの収録であるが、アメリカでは既にシングル曲(米国シングル盤『抱きしめたい』のB面曲)及びアルバム『イントロデューシング・ザ・ビートルズ』においてリリース済み。
- ^ 英国シングル盤『抱きしめたい』B面曲
出典
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