国鉄タキ10450形貨車
国鉄タキ10450形貨車(こくてつタキ10450がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。 概要本形式はタキ7500形の後継車として1968年(昭和43年)4月26日より1974年(昭和49年)3月20日にかけて24両(アコタキ10450 - アコタキ10473)が日立製作所、富士車輌、川崎重工業、三菱重工業、日本車輌製造の5社にて製造された35t積(後に32t積)の濃硝酸専用のタンク車である。 タンク体は腐食防止のため、純アルミ製であり、「純アルミ」「連結注意」と表記される。 記号番号表記は特殊標記符号「アコ」(純アルミ製タンク車、全長 12 m 以下)を前置し「 アコタキ」と標記する。 落成時の所有者は日産化学工業、宇部興産、住友化学工業、日本水素工業(後に日本化成に社名変更)、旭化成工業の5社であり、それぞれの常備駅は速星駅、宇部港駅、桜島駅、宮下駅、南延岡駅であった。 1974年(昭和49年)1月17日に住友化学工業所有車4両(アコタキ10458 - アコタキ10461)が日本石油輸送へ名義変更された。 1973年(昭和48年)頃に濃硝酸専用タンク車の発煙・滴下事故が多発したため、1974年(昭和49年)に保安対策による荷重見直しを行い、35t積から32t積に変更された。 1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「侵(禁水)84」(侵食性の物質、水と反応する物質、腐食性物質、禁水指定のもの)が標記された。 塗色は銀色であり、全長は10,200 mm、全幅は2,590 mm、全高は3,860 mm、台車中心間距離は6,400 mm、実容積は23.3 m3、自重は14.6 t、換算両数は積車5.0、空車1.4、最高運転速度は75 km/h、台車はベッテンドルフ式で、アコタキ10450 - アコタキ10466は板ばね式のTR41Cであったが、後にコイルばね式のTR41DS-12に改造されている。アコタキ10467以降は製造時からコイルばね式のTR41E-12である。更にその後、三菱化学が所有する一部の車両は他車から転用したTR225へ換装した車両もあった。 1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には全車(24両)の車籍がJR貨物に継承されたが、1990年(平成2年)にタキ10462が事故廃車され、1995年(平成7年)度末時点では23両が現存していたが、1998年(平成10年)度から淘汰が始まり、その後は老朽化や輸送体系の変化により、廃車が進み、2009年(平成21年)度に形式消滅した。 改造アコタキ10453、アコタキ10461は保冷のために遮熱用の外板(キセ)を取り付ける改造を受けている。 アコタキ10461は1974年(昭和49年)に日立製作所にて改造を受けた。当初は4両(アコタキ10458 - アコタキ10461)が改造を受ける予定となっていたが、実際に改造されたのはアコタキ10461のみである。アコタキ10453はJR化後に改造された。 年度別製造数各年度による製造会社と両数は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)
ギャラリー
参考文献
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