国鉄タ900形貨車
国鉄タ900形貨車(こくてつタ900がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した私有貨車(タンク車)である。 本形式より改造され別形式となったタ10900形についても本項目で解説する。 タ900形タ900形は、揮発油(ガソリン)専用の10t 積タンク車として1932年(昭和7年)3月24日から1937年(昭和12年)8月13日にかけて22両(タ900 - タ921)が日本車輌製造および新潟鐵工所にて製造された。 貨物列車の最高速度引き上げが行われた1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正対応のため、大半の車輌の軸ばね支持方式が二段リンク式に改造され、最高運転速度は65km/hから75km/hへ引き上げられた。 塗色は、黒であり、全長は8,000mm、全幅は2,006mm、全高は3,675mm、軸距は3,900mm - 4,000mm、実容積は13.9m3 - 14.0m3、自重は9.1t - 11.0t、換算両数は積車1.8、空車0.8、車軸は12t長軸であった。 1972年(昭和47年)8月29日に最後まで在籍した1両(タ911)が廃車となり同時に形式消滅となった。 タ10900形
タ10900形はガソリン専用の10t 積み私有貨車(タンク車)である。 当初タ900形の軸ばね支持装置は一段リンク式であったが、貨物列車の最高速度引き上げが行われた1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正対応のため、大半の車は二段リンク式に改造したが、北海道地区ではスピードアップが見送られたため、二段リンク化の対象外となった車両が3両(タ902,タ919,タ920→ロタ10902,ロタ10919,ロタ10920)残り、区別のため別形式(タ10900形)とした。車番は現番号に「10000」を加える形となった。改造内容は標記類の書き換え以外何もなく、むしろ本形式の方が本来のタ900形ともいえる。 識別のため記号に「ロ」を丸で囲んだ通称マルロが追加され「ロタ」となり黄色(黄1号)の帯を巻いている。タンク体には同色で「道外禁止」と標記された。 所有者は日本石油であり、その常備駅は本輪西駅、北埠頭駅であった。 塗色は、黒であり黄色(黄1号)の帯を巻いている。全長は8,200mm、実容積は12.1m3、自重は11.2t、換算両数は積車2.6、空車1.0、最高運転速度は65km/h、車軸は12t長軸であった。 1970年(昭和45年)7月2日に3両そろって廃車となり、同時に形式消滅となった。 参考文献
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