名鉄バス株式会社(めいてつバス)は、愛知県名古屋市中村区に本社を置く名鉄グループのバス事業者。名古屋鉄道100%出資の完全子会社で、名鉄グループに属する[1]。
2004年(平成16年)5月11日付で名古屋鉄道自動車事業本部から分社化され設立[1]、同年10月1日に営業開始した[1]。名古屋鉄道からの分社化以前は、名古屋鉄道直営のバス事業が「名鉄バス」と呼ばれていた。愛知県内では最大規模のバス事業者のひとつである。
本社は名古屋市中村区名駅の名鉄バスターミナルビルの近くに所在する[1]。2022年(令和4年)3月31日現在、営業キロ程は6104.91km、営業所数は9箇所、保有車両数は696両である[1]。
乗合バス事業(一般路線バス、高速バス、中部国際空港への空港連絡バスの運行)、特定バス事業、貸切バス事業を行っている[3]。路線バスの運行エリアは愛知県内の主要都市と岐阜県の一部で、高速バスは名鉄バスセンターを主な起点として全国各地へ展開している[3]。近年は高速道路網の整備に伴い、名古屋近郊都市を結ぶ都市間高速バス路線も開業している[3]。特定バス事業では契約輸送として県内の自治体・企業・学校の送迎バス等を運行する[3]。名鉄グループの観光バス事業者と連携した貸切バス事業も行っている[3]。
名古屋市交通局から、市バス大森営業所・野並営業所の運行を受託している。愛知県内の各自治体のコミュニティバスも受託しており、名鉄バスの路線が廃止されてコミュニティバス化された例もある。イオンが運営するショッピングセンターへの無料シャトルバスの運行も受託する。
バス部門の分社化に際し、岐阜営業所(高富)は名鉄バスでなく、同じく名鉄グループである岐阜乗合自動車(岐阜バス)へ移管された。分社化以前は犬山、鵜沼、西可児地区にも路線が存在したが、犬山、鵜沼地区の路線は岐阜バスへ、西可児地区の路線は同じ名鉄グループの東濃鉄道へ移管された。また分社化当初は、一部の高速バス路線は名鉄観光バスが運行していたが、2009年(平成21年)2月1日に名鉄バスが全路線を譲受した。
名古屋鉄道直営時代は、名鉄が運行していた鉄軌道線の廃止に伴うバス転換で路線を拡大したが、名鉄バスではなく岐阜バスの路線となったものもある(Category:名古屋鉄道の廃線も参照)。
2008年7月1日より、地域運行会社「名鉄バス東部株式会社」「名鉄バス中部株式会社」の2社を設立し、効率化のため名鉄バス岡崎営業所・豊田営業所の担当路線を名鉄バス東部株式会社、名鉄バス名古屋営業所の担当路線を名鉄バス中部株式会社へ管理委託していたが、上記2社は2018年7月1日に名鉄バス本体へ吸収合併された[4]。
愛知県・岐阜県・石川県・宮城県の一部バス会社は、名鉄グループと資本提携をしている。
営業所・管理所名の後に( )で書かれているのは、バス車体の前輪横に小さく表示される所属の略号。
なお、春日井営業所の一部の路線と岩倉駅 - 小牧駅の路線は、名鉄バスの路線ではあるが東濃鉄道小牧営業所が運行を担当する。[要説明]
瀬戸営業所(晩年は名古屋営業所所管の管理所となっていた)は、2005年頃まで基幹バス(名鉄バスセンター - 栄 - 引山 - 三軒家。名鉄バスセンター - 栄 - 引山 - 四軒家 - 長久手高校前 - 瀬戸駅前 - 赤津。名鉄バスセンター - 栄 - 引山 - 四軒家 - 長久手高校前 - 菱野団地)も担当していた。
また、小牧営業所は2007年より春日井営業所と名古屋中央営業所の共同所管による管理所となった。
合理化に伴い、瀬戸営業所(赤津)は名古屋営業所(長久手車庫)に、国府宮管理所と三条営業所は一宮営業所(印田)に、足助管理所は豊田営業所に、西尾営業所と安城管理所は岡崎営業所(旧西尾営業所担当路線は大幅に縮小の上、名鉄東部交通へ管理委託の後、路線譲渡)にそれぞれ統合された。
犬山管理所は小牧営業所(当時)所管の管理所であり、2000年より担当していた犬山・鵜沼地区路線を岐阜バスコミュニティ(各務原)、西可児地区路線を東濃鉄道(可児)へそれぞれ管理委託、2007年より路線譲渡後、閉鎖された。また、犬山管理所開設以前は今渡管理所(岐阜県可児市)が存在した。
交通系ICカード「manaca」が2011年2月11日から導入され、高速バス・空港特急バスを除く各路線において利用可能となった。名古屋高針線、名古屋桃花台線、名古屋多治見線(東鉄バスを除く)でも利用できる。これに伴い、名鉄バス独自のバスカードとトランパス対応カードは発売終了となり、2012年2月29日をもって利用不可となった。
蒲郡地区では長らくストアードフェア乗車カードが利用できなかったが、2018年7月1日に名鉄バスが名鉄バス東部を合併したことにより、同日から交通系ICカードが利用可能となり[12]、2020年10月1日からはコミュニティバス「ふれんどバス」でも利用可能となった[13]。
名鉄バスでは、バス営業所で定期券を発売しておらず(蒲郡管理所を除く)、以下の窓口で取り扱っている。
名鉄バスセンター、名鉄バス藤が丘出札(藤が丘駅付近)、名鉄バス東岡崎出札(東岡崎駅構内)、名鉄バス一宮出札(名鉄一宮駅構内)、高蔵寺インフォメーション(高蔵寺駅構内)
本宿駅、美合駅、東岡崎駅、新安城駅、豊田市駅、日進駅、知立駅、前後駅、鳴海駅、名鉄名古屋駅(名鉄線きっぷうりば・サービスセンターの2箇所)、金山駅、神宮前駅、栄町駅、大曽根駅、尾張旭駅、新瀬戸駅、尾張瀬戸駅、国府宮駅、名鉄一宮駅、津島駅、西春駅、岩倉駅、江南駅、小牧駅
東岡崎駅旅行センター、刈谷支店(刈谷駅付近)、栄地下支店、一宮支店、桃花台支店
蒲郡地区の定期券は、名鉄バス蒲郡管理所と名鉄観光バス蒲郡支店(蒲郡駅構内)で販売し、これらの場所では蒲郡地区以外の定期券を販売しない。
括弧内は共同運行会社。
昼行高速バスと重なるものは省略。カッコ内は共同運行会社。
名鉄バスでは、中部国際空港および県営名古屋空港にアクセスする空港特急バスを運行している。車両は基本的には全て日野・セレガを使用するが、西春・空港線のみ一般路線であるため一般路線車を使用する。
詳細は各営業所・管理所の記事を参照。
名鉄バスでは2019年4月より段階的に系統番号を導入しており、基幹バス本地ヶ原線、津島営業所管内、蒲郡管理所管内の路線に導入された[18]。同年10月からは名古屋営業所の残りの路線、一宮営業所、春日井営業所、豊田営業所管内の路線に系統番号を導入、翌2020年4月から知立営業所管内の路線に系統番号が導入された。
岡崎営業所管内では、2009年3月より岡崎市の総合交通政策の一環として先に系統番号を導入していたが[19]、2020年4月に系統番号の変更が行われた。
一般路線と都市間高速バス路線で運行される。基本的には片道運行。出発時刻は23:00以降である。行き先表示には「深夜」「深夜バス」の表記がある。運賃は通常の2倍の場合が多い。乗車区間の定期券の場合は定期券を提示した上で乗車区間の普通運賃を支払う。基本的には平日(月 - 金曜日)の運行だが、土曜日も運行する路線もある。
2020年4月から運行日減便
各市町村などから、コミュニティバスの運行を委託している。
など
グラバー号・不知火号は1999年2月より当社の運用を離れ系列子会社(日本急行バス→名古屋観光日急→名鉄観光バス)に移管されていたが、2009年に名鉄グループのバス事業再編に伴い同年2月1日より当社の運営に戻されていた。
かつては名古屋市内に同社のバスを製造する三菱自動車工業名古屋製作所(のち三菱ふそうトラック・バス大江バス工場)があったことに加え、名鉄グループ内に名古屋三菱ふそう自動車販売があったことから、地元製造の三菱ふそうに調達を一本化していた。さらに大型車の車体は大半が名古屋自動車製作所製だった。このような経緯から、近年まで高速・路線・貸切車を問わず、大半が三菱ふそう製の車両で占められていた。
名古屋自動車製作所のリストラに伴い、路線バスは1998年から、観光・高速バスは1999年以降、富山県富山市の三菱ふそうバス製造(旧・呉羽自動車工業)製ボディに移行した。一方、名古屋三菱ふそうは2006年、ふそうの販売会社が全国規模で本体へ吸収統合された際に資本関係を解消。三菱ふそうトラック・バス国内販売本部隷下の「名古屋ふそう」を経て、「東海ふそう」となっており、現在はメーカーのふそうから直接購入するようになった。現在もふそうが発注の中心になってはいる[注 4]ものの、近年は一般路線車と近距離特急車を中心に、ふそう製以外の車両も導入されるようになっている。
日野自動車は2004年(平成16年)から取引を始めた。日野がトヨタグループに属することもあってか、大型車は当初は全車両が豊田営業所に新製配置されていた。その後導入された小型車(日野・ポンチョ)や2019年以降に導入された中型車(日野・レインボー)は、現在小型車や中型車を製造しているメーカーがジェイ・バスのみという事情もあり、その他の営業所にも配置されている。
ジェイ・バスで日野と協業を組んでいるいすゞ自動車は、2016年(平成28年)からそれまで導入されてきた日野・ブルーリボンに代わってエルガが導入された。ただしそれ以前にも、いすゞ・エルガとの統合車種である日野・ブルーリボンIIの路線バス仕様が豊田営業所と知立営業所に、近距離高速バス仕様が名古屋営業所に導入された。2022年からはこれまで導入されてきた日野・レインボーに代わってエルガミオも導入されている。
輸入車は1985年に開催された「名古屋インポートフェア」の際には、中型ワンステップバスのバンホールAU138Jを輸入し、会場へのシャトルバス専用車として運用後、各営業所へ分散配置し運用したが、新車投入から10年経たないうちに全廃された。なお、2023年より中国・比亜迪汽車製の電気バス(J6・K8)が導入されている。
路線車の大型車は基本的に標準尺で、前中扉で導入されていた。過去には一部団地など多客路線を持つ営業所には長尺車の導入もあった。また、中扉は基幹バスや長尺車を中心に4枚折戸も存在した。中型車は前後扉を基本としていたが、ワンステップバス導入以降は前中扉となった。また、コミュニティバス受託用など単発的に小型車やマイクロバスの導入もあった。
貸切高速車は大型長尺が基本であったが、貸切車の一部には上高地仕様車や小型車の導入もあった。なお、名鉄バスセンターの高さ制限もあり、三菱ふそう・エアロキングなどのダブルデッカー車の導入は現在までない。
現在はほとんどが自社発注された車両で占められているが、近距離高速バスと一般路線バスのごく一部には、名鉄東部観光バス(現:名鉄観光バス)からの移籍車もある。かつては名古屋観光日急からの移籍車も在籍していたほか、2005年の愛知万博開催時には当時名鉄グループに属していた大鉄観光バス・名鉄クレハ観光バス・おんたけ交通などから一時的に貸切バスが編入されたこともあった。また2021年にはワクチン接種会場へのシャトルバスとして 岐阜バスと宮城交通から8台移籍した。
2005年後半の新車からは、名鉄グループ統一仕様で導入されている。これは名鉄グループ全体で一括して発注し、仕様を統一することによりコストダウンを図るとともに、短期間で大量の車両を更新するものであり、岐阜バスや宮城交通のほか、カラーなどが異なるが北陸鉄道などのグループ会社でも導入されている。同種の事例としては、小田急グループのバス事業者向け統一仕様として小田急グループマテリアルズ仕様があり、小田急バスのほか神奈川中央交通や立川バスなどに導入されている。
路線車の塗装は赤と白を基調とした塗装であり、名鉄グループのバス会社の路線バス車両の大多数もこの塗装に準じている(会社オリジナル塗装を使用することもある)。現在は2004年以前の「旧名鉄色」、2005年のみの「新名鉄バス色」、2006年以降の「新グループ共通色」の3種が存在し、新グループ共通色は「岐阜塗り」の通称で呼ばれる「前面が岐阜乗合自動車(岐阜バス)の意匠、側面が旧名鉄色」の組み合わせのものである。
かつては独自仕様の車両を三菱自動車工業と共同で数多く手がけており、また三菱自動車の試作車を導入する例もあった。
この傾向は近年も続き、2004年に試験的に電気式ハイブリッドバス(三菱ふそう・エアロスターノンステップHEV)を2台導入。その後、2008年・2009年には一般路線用としては全国で初めて三菱ふそう・エアロスターエコハイブリッドを導入し、基幹バスにおいて営業運行に使用していたこともあった。
また車内外の装備品も独自のものを採用する傾向が強く、いわゆる「名鉄仕様」と呼ばれるものであった。
冷房化は、1962年桑名線にサブエンジン式冷房車を投入したのが始まりだが、その後期間が空き、1976年に津島線・岐阜市内線にて運行開始した。1978年にはサブエンジン式冷房車から前述の涼風車がまとまって投入されるようになり、1985年大型車が三菱ふそうエアロスターMに代替わりした時から直結冷房車が標準となった。
車両更新の目安は16年80万キロとしている[25]。
廃車後の車両は、宮城交通や岐阜乗合自動車、北陸鉄道、東濃鉄道、福井鉄道[注 5]、網走バス[注 6] などのグループ会社に移籍して引き続き使用されているほか、一部はグループ外の事業者に譲渡されたり、海外へ輸出される車両もある。
名鉄バスでは全車両に4桁の社番が付されている。
出典:『S97 名鉄バス』BJエディターズ/星雲社〈バスジャパン・ハンドブックスシリーズ〉、4頁。ISBN 978-4-434-23060-8。
以上の法則から、社番1606を例にすると、「大型低床一般路線車でxxx6年式の06号車」ということになる。
一般路線車には座席定員を示す記号が書かれている。高速車には全車表記がなく、一部の一般路線車にも表記がない車両が存在する。
以上の例から、定員記号がB9だと座席定員は29名ということになる。
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★名鉄海上観光船
☆○TOICA(JR東海) - ☆○ICOCA(JR西日本) - ☆○PiTaPa加盟各社(電子マネーを除く) - ☆○PASMO加盟各社(一部事業者を除く) - ☆○Suica加盟各社 - ☆○Kitaca(JR北海道) - ☆○SUGOCA(JR九州) - ☆○nimoca加盟各社 - ☆○はやかけん(福岡市交通局)
▽EX-IC/スマートEX(東海道新幹線/山陽新幹線/九州新幹線、全線全区間)- ▽新幹線eチケット(北日本方面「在来線/JR西日本/北海道区間を含め」全線) > 〇タッチでGo!新幹線(JR東日本管内全線、ただし盛岡駅を超えられない・新在通し不可・V字乗車不可)
桃花台新交通 - 名鉄西部観光バス
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記号の意味