クリスティアン・ダンネマン・エリクセン (Christian Dannemann Eriksen , 1992年 2月14日 - )は、デンマーク ・南デンマーク地域 メデルファード (英語版 、デンマーク語版 ) 出身のサッカー選手 。プレミアリーグ ・マンチェスター・ユナイテッドFC 所属。デンマーク代表 。同国代表 歴代最多出場数保持者である。ポジションはMF (DMF , VOL )。
クラブ経歴
初期
メデルファードに生まれ、2008年までデンマークのオーデンセBK のユースチームに所属した。2008年にデンマークのU-17ヤングプレイヤーオブザイヤー に選ばれると、チェルシーFC やACミラン などビッグクラブからコンタクトがあったが、2008年10月17日、アヤックス・アムステルダム に移籍した。
アヤックス
最初はユースチームに所属し、2010年にトップチームに昇格。1月17日のNACブレダ 戦で先発し、エールディヴィジ デビューを果たした。2011-12シーズンは15アシスト、翌2012-13シーズンはリーグ戦で13アシストを記録。2013年のシーズン、リーグ戦、4試合をアヤックスでプレーした後、シーズン途中トッテナムへ移籍。アヤックス在籍時はエールディヴィジ 3連覇の原動力となった。
トッテナム
2013-14シーズン
8月30日、シーズン途中にトッテナム・ホットスパーFC への移籍が決定[ 3] 。2013年9月14日のノリッジ・シティ 戦でプレミアリーグデビューを果たし、同試合でアシストを記録した[ 4] 。12月26日、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンFC 戦でフリーキックからプレミアリーグ初ゴールを決めた[ 5] 。
2014-15シーズン
ハリー・ケイン 、ナセル・シャドリ と共にリーグ戦では、二桁得点を記録。2015年10月4日のスウォンジー 戦ではフリーキックから2得点を決めた[ 6] 。
2015-16シーズン
リーグ2位となる13アシストを記録し[ 7] 、プレミアリーグの優勝は逃したが、チャンピオンズリーグ出場権獲得に貢献した。10月4日、スウォンジー・シティ 戦では2ゴールを決めたが、チームは引き分けに終わった。1月16日、サンダーランド 戦では先制点を含む2ゴールを決め、チームに勝利をもたらし[ 8] 、2月14日、マンチェスター・シティ 戦では決勝ゴールを決めた[ 9] 。
2016-17シーズン
12月3日、スウォンジー・シティ 戦では2得点を決めると[ 10] 、12月14日、ハル・シティAFC 戦でも2得点を決め、マンオブザマッチに選ばれた[ 11] 。2017年1月4日首位のチェルシーFC との試合ではデレ・アリ の2ゴールをアシストし、勝利に貢献した[ 12] 。2016-17シーズンは8得点15アシストを記録、チームの2位、2年連続のチャンピオンズリーグ出場権獲得に貢献[ 13] 、再びプレミアリーグのアシストランキングでは2位となった。またスカイスポーツが選ぶ、プレミアリーグファンタジーイレブンにも選出された[ 14] 。
2017-18シーズン
8月13日の開幕戦となったニューカッスル 戦では、クロスでデレ・アリ のゴールをアシストするなど2アシストの活躍で開幕戦の勝利に貢献し[ 15] 、9月9日、エヴァートンFC との対戦で、こぼれ球を押し込んで2017-18シーズンの初ゴールを決めた[ 16] [ 17] 。11月1日、UEFAチャンピオンズリーグ グループH、ウェンブリー・スタジアム で行われたレアル・マドリード との対戦では、後半チームの3点目を決め、3-1での勝利に貢献、トッテナムのCLグループステージ突破に貢献した[ 18] [ 19] 。2018年1月31日、マンチェスター・ユナイテッド 戦では試合開始僅か11秒足らずの時間帯に先制点を決め、2-0での勝利に貢献した[ 20] 。チャンピオンズリーグ決勝トーナメントラウンド16、ユヴェントスFC との1stレグの対戦では1-2とリードされたなか、後半ブッフォン の意表を突く低い弾道の直接FKを決め、敵地での2-2での引き分けに貢献した[ 21] 。3月17日、FAカップ準々決勝スウォンジー・シティ 戦、カーブを描くシュートでの先制点を含め2ゴールの活躍でチームに勝利をもたらし、準決勝進出に貢献した[ 22] 。
4月1日、チェルシー 戦では1-1の同点とするゴールをドライブをかけたシュートで決め、3-1での勝利に貢献、同ゲームのマンオブザマッチにも選出された[ 23] 。またこのゴールは無回転ミドルとしてアンリ らから称賛を集めた[ 24] 。次節4月7日のストーク・シティ 戦でも先制点を挙げ、またケインのゴールをアシストし、2-1での勝利をもたらし、2試合連続のマンオブザマッチに選出され[ 25] 、マンチェスター・シティ 戦でも3試合連続となる得点を決め、2013-14シーズン以来の2桁ゴールを達成、2018年4月14日、リーグで2桁ゴールを決めるなどの活躍が評価され、初のPFA年間ベストイレブン に選出されるなど[ 26] 、10ゴール10アシストとチームの3期連続チャンピオンズリーグ出場確保に貢献した。
2018-19シーズン
3月31日、リヴァプールFC 戦でプレミアリーグの歴史ででこれまでデビッド・ベッカム のみが達成していた、4シーズン連続10アシスト以上という記録を達成した[ 27] 。4月3日のクリスタル・パレス 戦でソン・フンミン のスパーズ新スタジアムにおける第1号となるゴールをアシスト、その後自身もソンに次ぐ新スタジアム第2号となるゴールを決めた[ 28] [ 29] 。チャンピオンズリーグ決勝 では直接フリーキックからゴールを脅かしたが、アリソン の好セーブにより得点は奪えず、リヴァプールFCに2-0と敗れ準優勝に終わっている。
2019-20シーズン
このシーズンは契約が最終年だったこともあり移籍が噂され、特にレアル・マドリード とマンチェスター・ユナイテッドFC の名が挙がっていたが、クラブ間合意に達することなく残留した。しかし、一連の騒動の影響からかシーズンに入ってからも調子は上がらず、9月1日のアーセナルとのノースロンドンダービーでは先発しゴールを決めたが、シーズン途中に監督がマウリシオ・ポチェッティーノ からジョゼ・モウリーニョ に交代して以降はベンチ要員に降格。更に2020年に入ってからはインテルナツィオナーレ・ミラノ からの関心が報じられ[ 30] [ 31] 、実際に移籍する事となった。
トッテナム在籍中の約6シーズン半に渡り、プレミアリーグを代表する司令塔の一人として通算305試合出場、69得点89アシストを記録し[ 32] 、チームメイトのケイン、ソン、デレと形成する攻撃陣は"DESK"の名で親しまれた。また、4期連続のチャンピオンズリーグ出場権獲得や、2018-19シーズンのチャンピオンズリーグ準優勝に貢献した。
インテル
2020年1月28日、インテル・ミラノ におよそ2000万ユーロの移籍金で2024年6月30日までの契約で移籍した[ 33] 。背番号は24。ヨーロッパリーグ 決勝トーナメント1回戦1stレグ、ルドゴレツ 戦で決勝ゴールとなった移籍後初ゴールを決めた[ 34] 。リーグ第29節のブレシア 戦でセリエA初ゴールを決めたが[ 35] 、セリエA のスタイルに馴染めず、リーグ戦でのフル出場は僅か2試合と、多くの出場時間を与えられなかった[ 35] 。
2020-21シーズン になっても変わらず、監督アントニオ・コンテ の構想外となり、11月には早くも移籍の噂が浮上[ 36] [ 37] 。更に12月に入ってからは、ボルシア・ドルトムント やヘルタ・ベルリン に加え、古巣トッテナムの宿敵アーセナルFC などが、エリクセンの獲得を検討しているとも報じられた[ 38] [ 39] 。しかし、 コッパ・イタリア準々決勝のミラン戦で試合終了間際にFKを決め、調子を取り戻す。以降、監督のコンテに信頼されてスタメン出場が増加、リーグ第34節のクロトーネ戦では途中出場からゴールを決めてチームの勝利に貢献した。[ 40] チームの約11シーズン振りのリーグ優勝に貢献した。
2021年6月、UEFA EURO 2020 で試合中に心停止 で倒れたことで、治療の一環として植え込み型除細動器 (ICD)を装着する手術を受けたが、イタリアの規定によりICDを装着してのプレーは認められず[ 41] 、2021年12月17日、インテルとの契約解消に合意し、退団したことが発表された[ 42] 。
ブレントフォード
2022年1月31日、ブレントフォードFC と2021-22シーズン終了までの契約を締結した[ 43] [ 44] 。リーグ27節、ニューカッスル・ユナイテッドとの対戦に後半約7分から出場。実戦復帰を果たした[ 45] 。3月13日、バーンリーとの対戦で加入後公式戦初アシストを決めた[ 46] 。
2022年4月4日、チェルシー戦で移籍後初ゴールを決め、4-1の大勝に大きく貢献した。
マンチェスター・ユナイテッド
2022年7月15日、マンチェスター・ユナイテッドFC はエリクセンの獲得を発表。契約は2025年6月30日までの3年間[ 47] 。10月30日、リーグ第14節のウェストハム 戦では正確なクロスからラッシュフォード の通算100ゴール目をアシストした[ 48] 。11月14日、リーグ第16節のフルハム 戦で移籍後初ゴールを挙げ、更にガルナチョ の決勝ゴールもアシストした[ 49] 。2023年1月FAカップ4回戦、レディング戦でアンディ・キャロル から悪質なタックルを受けて負傷、シーズン最終盤までの長期離脱を強いられる見込みとなった[ 50] [ 51] 。
代表経歴
デンマーク代表でプレーするエリクセン(2012年)
U-17デンマーク代表に15歳で選出。U-17代表時代は現在ブレントフォードの監督であるトーマスフランクの教え子であった。
2010年2月、デンマーク代表 に初招集され、3月のオーストリア との親善試合でデンマーク代表史上4番目の若さで代表デビュー[ 52] [ 53] 。2010 FIFAワールドカップ ではグループリーグ第1戦のオランダ 戦、第3戦の日本 戦で途中出場して[ 54] [ 55] 、同大会の最年少出場選手となった。
2011年6月4日のUEFA EURO 2012予選 アイスランド 戦で代表初得点を挙げた。2016年6月7日のキリンカップ 、ブルガリア 戦ではハットトリック を達成した[ 56] 。
2018 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選 では8得点、更に2017年11月14日のアイルランド との2018 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選プレーオフ 2ndレグでは0-1とアイルランド にリードされる状況からハットトリックを達成し、デンマークのワールドカップ出場権獲得の立役者となった[ 57] [ 58] 。
2018 FIFAワールドカップ のグループリーグ初戦のペルー 戦ではユスフ・ポウルセン の決勝ゴールをアシストした。第2戦のオーストラリア 戦は引き分けに終わるが、先制点を決めマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。決勝トーナメント1回戦のクロアチア 戦では1-1のまま試合は動かずPK戦に突入。1番手のキッカーを務めたが、ダニエル・スバシッチ にセーブされ失敗、後の2人も止められたことでチームは敗退した。
UEFA EURO 2020予選では全8試合に出場し、チーム最多の5ゴールを決め、大会出場に貢献した。2020年10月14日のイングランド戦で代表通算100試合出場を達成した[ 59] 。
2021年6月12日のUEFA EURO 2020 グループリーグ初戦フィンランド 戦の前半終盤、味方のスローインに合わせて走っている時に突如心停止 で倒れた[ 60] [ 61] [ 62] 。近くにいた複数の選手がすぐに基本的な気道確保等を行いつつ、その間に到着したチームドクターの判断で、そのままピッチ上でAED による蘇生処置が行われ、一度目の除細動で心拍が復帰し、そのまま病院に緊急搬送された。後に意識が回復して症状が安定しており、また本人からも世界中の人々へ感謝するメッセージをメディアを通じて発している[ 63] [ 64] [ 65] 。
2022年3月26日、オランダ との親善試合で代表に復帰。後半開始から途中出場すると、2分後にこの試合のファーストタッチでゴールを挙げた[ 66] 。
その後、11月8日にはカタールW杯 に臨むメンバーの1人に選ばれた[ 67] 。
2024年、UEFA EURO 2024 グループリーグ初戦スロベニア との対戦で1得点を記録、プレーヤーオブザマッチに選出された[ 68] 。
評価
ポジションやプレースタイルに共通する点があるところからメスト・エジル と比較されることがある[ 69] [ 70] 。
デンマーク代表 監督のモアテン・オルセン はエリクセンについて、「ファン・デル・ファールト やスナイデル が同じ年齢だった頃よりも、多くの部分でより優れていると思う。ファン・デル・ファールトやスナイデルがキャリアの同じ段階にいた頃と同じくらいゴールを決めている」と語っている[ 71] 。
過去に数度、FCバルセロナ からの関心が伝えられたことがあった[ 72] [ 73] 。
個人成績
クラブ
2023-24シーズン終了時点
クラブ
シーズン
リーグ戦
国内カップ
リーグカップ
国際大会
その他
合計
ディビジョン
出場
得点
出場
得点
出場
得点
出場
得点
出場
得点
出場
得点
アヤックス
2009-10
エールディヴィジ
15
0
4
1
-
2
0
-
21
1
2010-11
28
6
6
1
-
12
1
1
0
47
8
2011-12
33
7
2
0
-
8
1
1
0
44
8
2012-13
33
10
4
2
-
8
1
-
45
13
2013-14
4
2
-
-
-
1
0
5
2
通算
113
25
16
4
-
30
3
3
0
162
32
トッテナム・ホットスパー
2013-14
プレミアリーグ
25
7
1
0
1
0
9
3
-
36
10
2014-15
38
10
2
0
4
2
4
0
-
48
12
2015-16
35
6
4
1
1
0
7
1
-
47
8
2016-17
36
8
3
1
1
2
8
1
-
48
12
2017-18
37
10
3
2
1
0
6
2
-
47
14
2018-19
35
8
0
0
4
0
12
2
-
51
10
2019-20
20
2
2
0
1
0
5
1
-
28
3
通算
226
51
15
4
13
4
51
10
-
305
69
インテル
2019-20
セリエA
17
1
3
1
-
6
2
-
26
4
2020-21
26
3
4
1
-
4
0
-
34
4
通算
43
4
7
2
-
10
2
-
60
8
ブレントフォード
2021-22
プレミアリーグ
11
1
0
0
-
-
-
11
1
マンチェスター・ユナイテッド
2022-23
プレミアリーグ
28
1
4
0
4
1
8
0
-
44
2
2023-24
22
1
2
0
0
0
4
0
-
28
1
通算
50
2
6
0
4
1
12
0
-
72
3
キャリア通算
443
83
44
10
17
5
103
15
3
0
610
113
代表
出場大会
2011年 - UEFA U-21欧州選手権2011 (グループステージ敗退)
2010年 - 2010 FIFAワールドカップ (グループステージ敗退)
2012年 - UEFA EURO 2012 (グループステージ敗退)
2018年 - 2018 FIFAワールドカップ (ベスト16)
2020年 - UEFA EURO 2020 (ベスト4)
2022年 - 2022 FIFAワールドカップ (グループステージ敗退)
2024年 - UEFA EURO 2024
試合数
2024年6月16日現在
国際Aマッチ 131試合42得点(2010年 - )[ 74]
デンマーク代表 国際Aマッチ
年 出場 得点
2010
10
0
2011
10
2
2012
11
0
2013
11
2
2014
7
1
2015
8
1
2016
9
6
2017
9
9
2018
10
4
2019
10
6
2020
8
5
2021
6
0
2022
11
3
2023
6
1
2024
5
2
通算
131
42
代表での得点
タイトル
クラブ
アヤックス・アムステルダム
インテルナツィオナーレ・ミラノ
マンチェスター・ユナイテッドFC
個人
脚注
関連項目
外部リンク
タイトル・受賞歴
1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
2000年代 2010年代 2020年代
* 受賞後にドーピングが発覚 したため受賞剥奪。