株式会社アニプレックス(英: Aniplex Inc.、略称:ANX)は、アニメを主とした映像作品の企画・製作・販売・映画配給及びソーシャルゲームの企画・製作等を主な事業とする日本の総合エンタテインメントカンパニー。株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント(SMEJ)の完全子会社。日本動画協会及びコンピュータエンターテインメント協会正会員、日本映像ソフト協会協賛会員、日本レコード協会賛助会員。
概要
ソニーミュージックグループのエンターテインメント企業として、アニメを中心とした映像ビジネスを行っており、アニメ制作会社及びゲーム会社を複数保有している。
ソニー・ミュージックレーベルズの当社製作作品に付随した名義貸しによるアニメ関連レーベルでもある。SMEの他レーベルに所属したアーティストを起用するのが製作作品の傾向としているため、出演声優によるキャラクターソングのみがアニプレックスレーベルで管理している楽曲となっている。
映画配給部門も有しており、製作したアニメ作品に加え、実写邦画やコンテンツリーグが制作したお笑い関連作品の配給も行っている。実際は共同配給作品を除き、姉妹企業のSPEJに実業務を委託した名義貸し配給で、同社の日本映画専用レーベルでもある[注釈 1]。
“Aniplex”の由来は、アニメーション(Animation)から派生する権利ビジネスの複合体(Complex)を意味する造語である[3]。
歴史
1995年4月にソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPEJ)の制作事業本部として発足し、1996年にはフジテレビ系列にて第1号となるテレビアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の放送を開始した[4]。
法人としては、1995年9月1日にSPEJの完全子会社として、株式会社SPE・ミュージックパブリッシングの商号で設立された[注釈 2]。
1997年1月にSPEJの制作事業本部を承継、同時にソニー・ミュージックエンタテインメント(SMEJ)が資本参加し、株式会社SPE・ビジュアルワークスに商号を変更[注釈 3]。1998年にはソニーミュージックグループのアーティストビデオを除く映像作品を集約し[5]、音楽・映像作品の出版事業の展開を開始した。その後、SMEJの完全子会社となり、2001年1月1日に株式会社SME・ビジュアルワークスに商号を変更した[注釈 4]。
2003年4月、SMEJの会社分割によりソニー・カルチャーエンタテインメント(SCU)が設立され、同社の子会社となったことに伴い、株式会社アニプレックスに商号を変更した。
また、2003年当時のアニプレックスはヒット作品に恵まれず、経営的にも非常に苦しい状況であった。当時執行役員であった夏目公一朗は、この苦境を打開するために、大手アニメ制作会社サンライズでガンダムシリーズをはじめとした様々なヒット作品を手掛け、当時フリーのプロデューサーとして活躍していた植田益朗を統括チーフ・プロデューサーとして招き入れた[6]。植田は様々な作品を手掛けた後、アニプレックス社長やA-1 Picturesの社長を歴任した[7]。同年10月にはTBS系列にてテレビアニメ『鋼の錬金術師』の放送を開始した[5]。
2005年には東京都杉並区に「株式会社A-1 Pictures」を設立してビデオメーカーながらアニメの実制作へも進出した。
2007年12月1日、初配給映画作品である『劇場版 空の境界 第一章 俯瞰風景』の公開を開始した[8]。
その後ソーシャルゲームの開発にも進出し、特に2015年8月に配信開始された『Fate/Grand Order』は大ヒットを記録、2016年3月期の最終利益は前年比91%増の73億9100万円と大幅増益し[9]、2017年3月期は最終利益が前年比2.2倍の165億6200万円、売上高も1032億4100万円となり、過去最高の大幅増益を果たした[10]。
2016年10月17日、秋元康及びソニー・ミュージックレコーズとの共同企画による、デジタル声優アイドルグループ『22/7』のプロジェクトが発表された[11]。
2019年、ソニー・ピクチャーズ テレビジョン(SPT)と海外配信事業を統合した。これに伴い、ファニメーション、ワカニム(英語版、フランス語版)及びマッドマン・アニメ・グループの3社を、SPT及びアニプレックスが共同保有する[12]。
2020年10月16日、東宝との共同配給により『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』を公開した。同作は日本国内で歴代興行収入第1位となる404.3億円を記録した[13]。
2021年8月9日に、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)との合弁会社のファニメーションを通じて、AT&Tよりクランチロールを運営するイレーション・ホールディングスの全株式を約1300億円で取得した[14]。2022年にサービスを統合し、ファニメーションはクランチロールに商号を変更した[15]。
2022年2月1日には、ディライトワークスの会社分割により、同社のゲーム事業を承継した子会社であるラセングルの全株式を取得した[16]。
沿革
- 1995年
- 4月 - 株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの部署として、制作事業本部を設置[4]。
- 9月1日 - 株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの全額出資により、株式会社エスピーイー・ミュージックパブリッシング(英: SPE Music Publishing Inc.)として設立[5][17]。
- 1997年
- 1998年
- 2000年
- 12月27日 - 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント(初代法人)の完全子会社となる[18]。
- 2001年
- 1月1日 - 株式会社エスエムイー・ビジュアルワークス(英: SME Visual Works Inc.)に商号を変更[18]。
- 2002年
- 2003年
- 2004年
- 6月16日 - 白川隆三が取締役会長を退任[22]。
- 2005年
- 2006年
- 4月12日 - 完全子会社として、株式会社番町製作所を設立[25]。
- 5月17日 - 株式会社ソニー・カルチャーエンタテインメント(初代法人)が株式会社エスシーユーに商号を変更。同社の会社分割により、株式会社ソニー・カルチャーエンタテインメント(二代目法人)が設立されたのに伴い、同社の傘下に異動[26]。
- 6月16日 - 竹内成和が代表取締役社長を退任し、北川直樹が代表取締役社長に就任[27]。
- 10月1日 - 北川直樹が代表取締役会長に、夏目公一朗が代表取締役社長に就任[28]。
- 12月1日 - 株式会社ソニー・カルチャーエンタテインメント(二代目法人)が株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントに吸収合併されたの伴い、同社の傘下に異動[29]。
- 2007年
- 4月1日 - 北川直樹が代表取締役会長を退任[30]。
- 2008年
- 4月 - 株式会社ボイスアンドハートの株式を株式会社ロードアンドスカイ・オーガニゼイションに譲渡。
- 2010年
- 2012年
- 9月30日 - 勝股英夫が代表取締役専務を退任[32]。
- 2013年
- 5月9日 - 直営セレクトショップとして、ANIPLEX+(アニプレックスプラス)を開設。
- 2014年
- 2015年
- 2016年
- 1月16日 - 夏目公一朗が取締役会長を退任[38]。
- 4月1日 - 植田益朗が取締役会長に、岩上敦宏が代表取締役社長に、今野敏博が代表取締役に就任[39]。
- 6月20日 - 植田益朗が取締役会長を退任し、今野敏博が代表取締役会長に就任[40]。
- 9月15日 - アニメのシナリオ制作及びテキスト作成等を目的とする部署として、スクリプトルームを設置[41]。
- 2017年
- 3月31日 - 株式会社アニメコンソーシアムジャパンの株式を株式会社バンダイナムコホールディングスに売却[42]。
- 4月1日
- 9月4日 - 株式会社リボルブとの資本業務提携を締結[46]。
- 2018年
- 3月28日 - 株式会社Live2Dとの資本業務提携を締結し、同社の株式の過半数を取得[47]。
- 6月18日 - 村松俊亮が取締役会長を退任し、竹中幸平が取締役会長に就任[48]。
- 10月1日
- 2019年
- 2020年
- 2021年
- 2022年
- 2023年
- 4月1日 - 完全子会社の株式会社リボルブが、株式会社クレーネルに商号を変更[61]。
- 6月1日 - オリガミクスパートナーズ株式会社の全株式を取得し、同社を完全子会社とする。同社は株式会社ミリアゴンスタジオに商号を変更[62]。
- 8月1日 - 株式会社リアルト・エンタテインメントを吸収合併[63]。
- 2024年
- 7月10日 - 『パルワールド』のライセンス事業推進を目的としたジョイントベンチャー「パルワールドエンタテインメント」をソニー・ミュージックエンタテインメントおよびポケットペアとの合弁により設立[64]。
- 10月1日 - 株式会社フォワードワークスおよび株式会社Quatro Aを吸収合併[65]。
レーベル
規格品番の販社コードはSVW。特記無き限り、実質的な販売元はソニー・ミュージックマーケティング( - 2019年3月31日)→ソニー・ミュージックソリューションズ(2019年4月1日 - )。
- 現行のレーベル
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- ANIPLEX(アニプレックス) - メインレーベル。
- 過去のレーベル
-
- 販売委託したレーベル
-
過去の所属アーティスト
- ANIPLEX(アニプレックス)
-
- Hacla Label(ハクラ・レーベル)
-
製作・販売作品
製作参加した作品及び初パッケージリリースされた作品を挙げる。規格品番の販社コードはSVW及びAN。特記無き限り、実質的な販売元はソニー・ミュージックマーケティング( - 2019年3月31日)→ソニー・ミュージックソリューションズ(2019年4月1日 - )。
テレビアニメ
あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や - わ行
Webアニメ
OVA
アニメーション映画
テレビドラマ
実写映画
人形劇番組
バラエティ番組
ドキュメンタリー番組
インターネット配信の情報番組
- アニプレックス48時間テレビ!(2020年3月21日 - 3月22日、AbemaTV)[68]
- アニプレックス NEXT(2020年7月2日 - 2021年1月31日、YouTube)[69]
- Aniplex Online Fest(2020年7月4日 - 7月5日、YouTube・bilibili)[70]
- Aniplex Online Fest 2021(2021年7月4日、YouTube)[71]
アニラジ番組
インターネット配信のアニラジ番組
ソーシャルゲーム
コンシューマーゲーム
トレーディングカードゲーム
舞台作品
行事・イベント
ゲームミュージックの発売
主に以下の会社が制作したゲームミュージックを発売。
その他の関与作品
テレビアニメ(その他)
OVA(その他)
アニメーション映画(その他)
テレビドラマ(その他)
実写映画(その他)
関連企業・団体
子会社
過去の関連企業・団体
関連人物
役員
2024年4月現在[77]。
- 代表取締役・執行役員社長・プロデューサー
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- 取締役
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- 監査役
-
- 執行役員
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- 落越友則(専務)
- 清水博之(常務)
- 三宅将典(常務)
- 清水広美
- 西本修
- 歴代代表取締役社長
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スタッフ
- 柏田真一郎(企画制作第1グループ副本部長兼スクリプトルーム室長)
- 高橋祐馬(プロデューサー、企画制作第1グループ企画制作部4課課長)
- 中山信宏(プロデューサー、企画制作第1グループ企画制作部5課課長)
- 鳥羽洋典(プロデューサー)
- 神宮司学(プロデューサー)
- 山内真治(プロデューサー)
- 若林豪(プロデューサー)
- 相川和也(宣伝プロデューサー)
- 伊藤智彦(専属脚本チーム「スクリプトルーム」ルーム長)
- 鈴木竜馬
脚注
注釈
出典
外部リンク
- ANIPLEX
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- ANIPLEX.EXE
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- ANIPLEX+
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- Aniplex of America
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レーベル | |
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アーティスト& ミュージックビジネス | |
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ビジュアル& キャラクタービジネス | |
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エンタテインメント ソリューションビジネス | |
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関連会社 | |
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過去のレーベル&グループ会社 | |
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関連項目 | |
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