オムロン株式会社(英: OMRON Corporation)は、日本の京都府京都市に本社を置く大手電気機器メーカー。
創業者は立石一真。センシング&コントロール技術を核とした産業向け制御機器やシステム、電子部品のほか、ヘルスケア製品等を展開する「オムロングループ」の中核企業の役割を担っている。東京証券取引所プライム上場(証券コード:6645)、米国預託証券上場(証券コード:OMRNY)。日経平均株価及びTOPIX Large70の構成銘柄の一つ[2][3]。
概要
制御機器・ファクトリーオートメーション(FA)システム事業、健康医療機器・サービス事業、社会システム事業、電子部品事業、データソリューション事業、の主要5事業を、一部分社化を含め、カンパニー制で展開している。
世界初の無接点近接スイッチを開発するなど産業用オートメーション機器に強みを持つが、一般消費者には健康医療機器で知られる。家庭用電子血圧計は世界トップシェアを誇る。また、自動改札機、ATM(現金自動支払機)の開発のほか、近年では、液晶テレビのバックライトが知られる。かつてはプリントシール機の開発の大手でもあり、グループ会社だったオムロンエンターテインメント(現・フリュー)がOEMおよび自社ブランドで販売を行っていた。なお、現在はグループを離脱している。
社名は、立石電機株式会社時代に本社を置いていた京都市右京区花園の通称「御室」(おむろ)から。創業地としても知られる。なお、現在その跡地は住宅地となっているが、創業記念碑が建立されている。
世界7極に地域統括本社を設置(日本、アメリカ、オランダ、中国、シンガポール、インド、ブラジル)。中国を中心とした海外へのビジネス展開に積極的で、既に連結での海外売上比率は5割を超えている。
沿革
- 1930年 - 立石一真が京都市下京区で「彩光社」を設立。
- 1933年5月10日 - 大阪市都島区東野田に「立石電機製作所」を創業。レントゲン撮影用タイマの製造開始。
- 1936年7月 - 大阪市西淀川区に工場を新設して移転。
- 1945年6月 - 工場を京都市右京区花園土堂町に移転。
- 1948年5月19日 - 株式会社に改組し「立石電機株式会社」を設立。
- 1955年1月 - 販売部門・研究部門を分離・独立して「立石電機販売株式会社」「株式会社立石電機研究所」を設立。同時期に生産子会社「株式会社西京電機製作所」を設立。
- 1959年
- 1月 - 商標を「OMRON」と制定する。社憲制定。
- 2月 - 「株式会社立石電機研究所」を合併。
- 1960年2月 - 世界初の無接点近接スイッチを開発。
- 1960年10月 - 京都府乙訓郡長岡町(現・長岡京市)に中央研究所を竣工。
- 1962年4月 - 京都証券取引所、大阪証券取引所(両市場とも現在は市場統合)第二部に上場。
- 1964年
- 4月 - 世界初の電子式自動感応式信号機を開発。
- 10月 - 生産子会社を「株式会社西京電機立石製作所」に一本化する。
- 1965年
- 4月 - 「立石電機販売株式会社」および「株式会社西京電機立石製作所」を合併。
- 8月 - 大阪証券取引所第一部へ指定替え。
- 1966年9月 - 東京証券取引所、名古屋証券取引所各第一部に上場。
- 1967年3月 - 世界初の無人駅システムを開発。
- 1968年11月 - 英文社名をOMRON TATEISI ELECTRONICS CO.に決定。
- 1969年3月 - 世界最小の卓上電子計算機「CALCULET-1200」を発表。
- 1971年6月 - 世界初のオンライン現金自動支払機を開発。
- 1972年2月 - 日本初の福祉工場である「オムロン太陽株式会社」を設立。
- 1974年9月 - 立石ライフ・サイエンス研究所を設立[4]。
- 1983年 - 電子体温計「けんおんくん」を発売。
- 1987年7月 - 世界初の超高速ファジィコントローラを開発。
- 1988年
- 9月 - オランダに欧州地域統轄会社「OMRON EUROPE B.V.」を設立。
- 10月 - シンガポールにアジア・パシフィック地域統轄会社「OMRON ASIA PACIFIC PTE.LTD.」を設立。
- 1989年4月 - アメリカに北米地域統轄会社「OMRON MANAGEMENT CENTER OF AMERICA,INC.」を設立。
- 1990年1月 - 「オムロン株式会社」に商号変更。
- 1991年3月 - 本社事務所を京都市下京区[注釈 1] に移転。インライン検査機器「画匠」を開発。
- 1994年5月 - 中国に地域統轄会社「OMRON(CHINA)CO.,LTD.」を設立。
- 1995年 - 車間距離警報装置を開発。
- 1999年4月 - 事業部制からカンパニー制へ移行。
- 2000年8月 - 本店と本社事務所を現在の「オムロン京都センタービル」に移転。
- 2003年
- 2004年10月 - 共同新設分割により、ATM等の情報機器事業を「日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社」へ継承。
- 2006年5月 - 中国・上海に制御システムのグローバル中核拠点が開業。新企業理念制定。
- 2006年8月 - パイオニア子会社の「パイオニア精密株式会社」の全株式を取得し、「オムロン プレシジョンテクノロジー株式会社」に商号変更。
- 2007年
- 3月 - 生産現場でのセーフティ事業を本格展開。
- 4月 - セイコーエプソン子会社の半導体事業の事業用資産を譲り受け「オムロン セミコンダクターズ株式会社」を設立。
- 6月 - 中国における新研究開発拠点を開所。
- 7月 - 「オムロン京都センタービル啓真館」を開設[注釈 3]。
- 9月 - 世界初のリアルカラー3次元視覚センサ3次元画像センシングを実用化。オムロン プレシジョンテクノロジー株式会社の樹脂成形品部門をパイオニアファインテック株式会社(パイオニア100%出資)に分割。
- 2008年7月 - 「オムロン セミコンダクターズ株式会社」を吸収合併。
- 2009年11月 - 名古屋証券取引所上場廃止。
- 2009年12月 - 専門コンサルタントのノウハウを組み込んだ世界初の省エネルギー自動分析システム「CO2見える化システムene-brain」を発売。
- 2010年
- 2011年 - 長期ビジョン『VG2020』(Value Generation 2020)を発表。機械制御に必要な機能を統合したマシンオートメーションコントローラ、Sysmac NJシリーズを発売。サポート拠点「オートメーションセンタ」を日本(8月)と中国(9月)に設立。
- 2012年
- 1月 - インド地域本社「OMRON MANAGEMENT CENTER OF INDIA」を設立。
- 6月 - ブラジル地域本社「OMRON MANAGEMENT CENTER OF LATIN AMERICA」を設立。
- 2013年7月 - 大阪証券取引所の統合に伴い上場廃止。
- 2017年 - 取締役会長を除く役付取締役を廃止、社長を執行役員の役位に変更。
- 2019年
- 4月 - 無停電電源装置(UPS)事業をオムロンソーシアルソリューションズ株式会社へ移管。
- 10月 - 車載電装部品を手掛ける、「オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社」の全株式 を、日本電産(現・ニデック)に譲渡。
- 2020年
- 1月 - 工場自動化のPR施設を「オートメーションセンター」東京・品川に開設(世界37カ所中で最大規模)[5]。
- 4月 - 簡易吸収分割により、当社環境事業本部をオムロンソーシアルソリューションズ株式会社へ移管、同社のエネルギーソリューション事業本部とする。同時にパワーコンディショナの生産拠点であるオムロン阿蘇株式会社の株主を、当社からオムロンソーシアルソリューションズ株式会社に変更。
- 2021年
- 3月31日- 当社が保有する日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社の株式全てを日立製作所に譲渡(同社は同年7月1日付で日立チャネルソリューションズ株式会社へ商号変更される)[6]。
- 2022年
- 10月18日- キリンテクノシステムを子会社化することでキリンビールと株式譲渡契約を合意した[7]。オムロンが60%、キリンビールが40%の割合で出資する。
- 2023年
- 3月1日- グループ会社であるオムロンフィールドエンジニアリング株式会社よりボトル検査システム事業を譲受、当社のインダストリアルオートメーションビジネスカンパニーの事業とする。
- 4月3日- キリンテクノシステムへの出資が完了。同社は「オムロン キリンテクノシステム株式会社」に商号変更。
- 10月16日- 株式会社JMDCを子会社化[8]。
歴代社長
代 |
氏名 |
就任日 |
退任日 |
備考
|
立石電機
|
1 |
立石一真 |
1948年 |
1979年 |
|
2 |
立石孝雄 |
1979年 |
1987年 |
|
3 |
立石義雄 |
1987年 |
1990年 |
社名改称
|
オムロン
|
3 |
立石義雄 |
1990年 |
2003年 |
|
4 |
作田久男 |
2003年 |
2011年 |
|
5 |
山田義仁 |
2011年 |
2023年 |
|
6
|
辻永順太
|
2023年
|
現職
|
|
主な製品
- 制御機器・FAシステム事業
- 電子部品事業
- 車載電装機器事業 (オムロン オートモーティブエレクトロニクスに分社、後に日本電産(現・ニデック)へ事業売却)
- 健康医療機器・サービス事業 (オムロン ヘルスケアに分社)
- 社会システム事業
- ATM、現金自動両替機(日立オムロンターミナルソリューションズ(現・日立チャネルソリューションズ)に移管)
- 自動券売機、自動改札機、自動速度違反取締装置、交通管制システム、セキュリティカメラシステム、セグメントセンサ、CAT端末(オムロン ソーシアルソリューションズに分社)
- 無停電電源装置・組込みシステム事業(オムロン ソーシアルソリューションズに移管)
- 環境関連機器・ソリューション事業(オムロン ソーシアルソリューションズに移管)
受賞
- 「誠実な企業」賞 最優秀賞(「誠実な企業」賞審議会)(2012年)
- 東京証券取引所主催「企業価値向上表彰」大賞(2015年)
- 日本証券アナリスト協会主催 「ディスクロージャー優良企業」(2015年)
- 経済産業省主催「知財功労賞(経済産業大臣表彰 知的財産権制度活用優良企業等)」(2015年)[10]
国内関連会社
オムロンが企業名の先頭につくもの
その他の名前の企業
グループから離脱した企業
- アルファテック・ソリューションズ株式会社(旧・オムロンアルファテック株式会社) ※1992年に日本・データゼネラル株式会社を買収。2002年に日本IBMに売却され2003年より現社名。現在はダイワボウ情報システム傘下。
- フリュー株式会社(旧・オムロンエンタテイメント株式会社) ※2007年のMBO実施により現在は独立の別会社。
- フクダコーリン株式会社(旧・オムロンコーリン株式会社) ※オムロンヘルスケアの子会社だったがフクダ電子に譲渡。2017年1月1日より現社名。
- 愛のタクシーチケット株式会社(旧・オムロンクレジットサービス株式会社) ※2017年に事業譲渡され現社名に変更。2022年6月1日よりMobility Technologies(現・GO)傘下。
- ニデックモビリティ株式会社(旧・オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社) ※2019年に日本電産(現・ニデック)へ売却。
- TOWAレーザーフロント株式会社(旧・オムロンレーザーフロント株式会社) ※2007年にNECのレーザ事業が母体であるレーザーフロントテクノロジーズ株式会社の株式の95%を取得、2019年2月にTOWA株式会社へ売却。
現存しない企業(生産子会社の統合は省略)
- オムロンマイコンシステムズ株式会社 ※1998年にソフトバンクに売却後、同社に吸収合併。事業としては現在のSB C&S。
- オムロンマーケティング株式会社 ※2018年にオムロンに事業譲渡して解散。
- オムロンテクノカルト株式会社 ※2012年にオムロンフィールドエンジニアリングに吸収合併。
- オムロンティー・エー・エス株式会社 ※2014年にオムロンフィールドエンジニアリングに吸収合併。
- オムロンフィールドエンジニアリング九州株式会社 ※2018年にオムロンフィールドエンジニアリングに吸収合併、同社の九州支社となる。
- (旧)オムロンフィールドエンジニアリング西日本株式会社 ※2020年10月にオムロンフィールドエンジニアリング近畿に吸収合併。同日、社名を(新)オムロンフィールドエンジニアリング西日本に変更。
- (新)オムロンフィールドエンジニアリング西日本株式会社 ※2024年8月1日付でオムロンフィールドエンジニアリングに吸収合併。
- オムロンネットワークアプリケーションズ株式会社 ※日本IBMとの合弁企業。オムロンのグローバルビジネスプロセス&IT革新本部に統合され解散。
- オムロンビジネスアソシエイツ株式会社 ※2018年にオムロンパーソネル株式会社と合併、オムロンエキスパートリンク株式会社となる(存続法人はオムロンパーソネル株式会社)。
- オムロンファイナンス株式会社 ※同上。
- オムロンプレシジョンテクノロジー株式会社 ※2020年3月バックライト事業撤退に伴い事業停止。2022年現在法人格は残っている。
- オムロン直方株式会社 ※2019年に台湾Advantechグループに売却されアドバンテックテクノロジーズ株式会社に商号変更。2022年1月1日付でAdvantechの日本法人である「アドバンテック株式会社」に吸収合併。
- オムロン住倉ロジスティック株式会社 ※1997年オムロンの子会社として設立[注釈 5]、2007年に住友倉庫との合弁化。2022年4月1日付でオムロンのグローバル購買・品質・物流本部に事業譲渡して解散。
代理店
上場している代理店
テレビ番組
書籍
関連書籍
脚注
注釈
- ^ 「ニッセイ京都駅前ビル」を一棟借りしていた。当ビルには現在も関連会社が入居している。
- ^ 当社と「株式会社オムロンライフサイエンス研究所」による共同新設分割の形を取っている。
- ^ 「啓真館」はそれまで上京区にあった研修センタの名称が継承されたもの。
- ^ エプソンから買収した旧オムロンセミコンダクターズの事業である。
- ^ 設立時の社名は「オムロンロジスティッククリエイツ株式会社」。
nobekdhcbsisgsbalauajiudhdudhdidjdnskziugb&ocondkskn3j(3l
出典
関連項目
外部リンク
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