千代田化工建設株式会社(ちよだかこうけんせつ、英文名称:CHIYODA Corporation)は、神奈川県横浜市西区に本社を置く、日本の建設会社、エンジニアリング会社である。東京証券取引所スタンダード市場上場。三菱商事が筆頭株主。本社は横浜市西区みなとみらい。
国内向けに千代田エクスワンエンジニアリング株式会社を持つ。
概要
石油精製、石油化学、天然ガス液化などの大規模プラントの設計、調達、建設一括請負(Engineering、Procurement、Constructionの頭文字をとってEPC契約と称する)業務で国内外に多くの実績を持つ。日揮、東洋エンジニアリングと併せて「エンジニアリング御三家・専業三社」と呼ばれる[1]。当初は独立色が強かったが、バブル崩壊後に一度経営が傾き、長らくの間三菱グループや米ケロッグ・ブラウン・アンド・ルート(KBR)社の支援を受けて再建、再び民族系のエンジニアリング会社となり現在に至る。(この関係から実質、三菱グループの一員扱いとなっている)。
沿革
- 1948年(昭和23年)1月 - 三菱石油の工事部門が独立、東京都港区に設立。初受注:食料油油脂抽出装置[2]。
- 1949年(昭和24年) - 初めて石油精製装置(興亜石油熱分解装置)受注。
- 1954年(昭和29年) - 大阪事務所設置。
- 1957年(昭和32年)3月19日 - 店頭公開[3]。
- 1960年(昭和35年) - 三菱石油(水島)グラスルーツ・リファイナリー受注。
- 1961年(昭和36年)10月 - 東京・大阪・名古屋の各証券取引所に上場。
- 1966年(昭和41年) - サウジアラビア・ペトロミン(ジェッダ)製油所受注。
- 1968年(昭和43年)9月 - 横浜市鶴見区に本店事務所を移転。
- 1972年(昭和47年) - 環境宣言書「21世紀への遺産」発表。
- 1973年(昭和48年) - LNGプラント初受注(アブダビ・ダス島)。
- 1984年(昭和59年) - 米国にてCT-121排煙脱硫装置初受注。
- 1994年(平成11年) - インドに設計会社設立。
- 1994年(平成11年)3月 - 第三者割当増資を実施。
- 1995年(平成12年) - フィリピンに設計会社設立。
- 1999年(平成16年) - カタールLNGプロジェクトにて米国PMI「International Project of the Year」受賞。
- 2000年(平成17年) - 地球環境大賞受賞。新再建計画発表。
- 2001年(平成13年)2月 - 無償減資を実施。
- 2001年(平成13年)3月 - 第三者割当増資を実施。
- 2001年(平成13年) - ガスバリューチェーン本格展開。
- 2003年(平成15年)1月 - 名証上場廃止。
- 2003年(平成15年)3月 - 大証上場廃止。
- 2003年(平成15年) - サハリンⅡLNGプロジェクト受注。国内プロジェクトで年間無事故・無災害を達成。
- 2004年(平成16年) - 新再建計画達成。2005年にかけてカタールガス社、ラスガス社向け世界最大LNGプラント6系列受注。
- 2008年(平成20年) - 創業60周年を迎える。三菱商事と資本業務提携。
- 2012年(平成24年)6月 - みなとみらい地区のみなとみらいグランドセントラルタワーへ本社を移転(千代田化工建設グローバル本社)[4]。
- 2017年(平成29年)6月 - それまで執行役員を務めていた三菱商事の山東理二が社長就任。三菱商事出身者が同社の社長に就くのはこれが初めて。
- 2019年(令和元年)7月1日 - 三菱商事が第三者割当増資を実施し、A種優先株式(1億7500万株)を700億円で取得[5]。
- 2019年(令和元年)8月1日 - 債務超過に伴い東証2部に指定替え(降格)[6]。同時に日経平均株価構成銘柄からも除外[7]。
- 2019年(令和元年)9月10日 - 先述のA種優先株式がすべて普通株式へ転換可能な状態となり、三菱商事の連結子会社となる[8][9]。
- 2022年(令和4年)4月1日 - 山東理二社長が特別顧問に退き、榊田雅和会長が社長職を兼任する[10]。
歴代社長
事業分野
- エネルギー分野
- 石油製造プラント、接触分解装置、潤滑油プラント、LNG液化プラント、LNG受入基地、天然ガス処理プラント、LPGプラント、GTLプラント、水素製造プラント、備蓄基地、各種原子力関連施設など
- 石油化学・化学分野
- エチレンプラント、アンモニアプラント、アロマティクスプラント、プロピレンプラント、ポリカーボネート樹脂プラントなど
- 医薬品・ファインケミカル分野
- 原薬・中間体製造プラント、個体・注射・バイオ各種製造プラント、研究施設など
- 環境保全分野
- 排煙脱硫装置、水処理施設、灰処理装置、ピンチテクノロジーによるコンビナート省エネ、高効率化発電設備IGCC、軽油超深度脱硫装置など
- 産業設備分野
- FA・加工組立・物流施設、電子材料・半導体工場、食品工場、非鉄精錬プラントなど
特色
近年クリーンエネルギーとして注目されているLNGの製造プラントにおいて48%という驚異的なシェアを誇る。
プラント建設実績国が40ヵ国以上であり、世界ブランドとしても揺ぎ無い地位を確立している。
その他
イラク北部の都市ベイジ(ar:بيجي)にあるイラク最大の石油精製所は千代田化工が建設し、施設改修の入札にも参加した。[21]
ものづくり日本大賞(海外展開部門)経済産業大臣賞を受賞(2009年)[22]
2019年1月、1000億円規模の金融支援の要請を行なっていることを、日経ビジネスが報じた。[23]
脚注
関連項目
- 玉置明善 - 同社の黎明期において社長・会長を務めた。
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