H.U.グループホールディングス株式会社(英: H.U. Group Holdings, Inc.[注釈 1])は東京都港区赤坂に本社を置き、臨床検査と検査試薬を中心とした企業グループの持株会社である。2020年7月1日付で、旧社名のみらかホールディングス(英: Miraca Holdings Inc.)より変更した。東証プライム市場の上場企業。
子会社のエスアールエル(以下、「SRL」)は、ライバル会社のビー・エム・エル、LSIメディエンスなどともに「大手8社」に数えられる[2]。
社名の由来
新社名の「H.U.」は「Healthcare for You」を表し、「臨床検査を中心に医療を支え続けてきた存在」から一歩踏み出し、一人ひとりと向き合ってすべての人に最適なヘルスケアを届けたい、という思いが込められている[3][4]。
なお、旧社名の「みらか」は、今後とも「常に一歩先を見据えてサイエンス(科学)の応用と展開を図っていきたい」という思いのもと、「未来(みらい)+科学(かがく)」より名付けられた[5]。
沿革
参照:[6]
みらかホールディングス
- 2005年(平成17年)7月1日 - 純粋持株会社体制への移行。
- 新設分割により、富士レビオ(初代)の営業部門のすべてを富士レビオ(2代)に承継。
- SRLを持株会社の直接子会社化。
- 富士レビオ(初代)は、みらかホールディングス株式会社へ商号変更。
- 2007年(平成19年)6月29日 - 連結子会社のSRLが、シオノギバイオメディカルラボラトリーズ[注釈 3]の全株式を取得[7][8]。
- 2007年(平成19年)8月1日 - 連結子会社のシオノギバイオメディカルラボラトリーズが、エスアールエル関西に商号変更(後に、SRLに吸収合併)[7]。
- 2010年(平成22年)4月 - 連結子会社のSRLが、日本医学臨床検査研究所の全株式を取得。
- 2011年(平成23年)5月16日 - 連結子会社のSRLが、受託臨床検査事業を手掛けるツチヤ・エンタプライズ(現:北信臨床)の全株式を取得[10][11]。
- 2011年(平成23年)11月 - アメリカ現地法人として、Miraca USA, Inc.を設立。
- 2011年(平成23年)11月24日 - アメリカで病理検査や関連サービスを手掛けるCaris Diagnostics, Inc.(テキサス州)を買収[注釈 5][12][13]。
- 2011年(平成23年)12月1日 - 連結子会社のSRLが、群馬臨床検査センター(現:エスアールエル北関東)の全株式を取得[14][15]。
- 2015年(平成27年)2月 - 連結子会社のMiraca USA, Inc.が、ベイラー医科大学の遺伝子診断事業を譲り受けたBaylor Miraca Genetics Laboratories, LLC.の持分60%を取得[17][18]。
- 2015年(平成27年)7月 - 連結子会社のSRLが健康診断の受託業務など子会社として、エスアールエルウェルネスプロモーション(現:H.U.ウェルネス)を設立。
- 2017年(平成29年)7月3日 - 臨床検査の基礎研究を担う子会社として、みらか中央研究所(現:H.U.グループ中央研究所)を設立[19]。
- 2017年(平成29年)11月 - アメリカにおける病理検査事業を、現地の投資会社に譲渡[20][21]。
- 2018年(平成30年)3月1日 - 連結子会社のSRLが京都大学、椿本チエイン、シスメックス、アスクレップ、島津製作所、富士通、SCREENホールディングスとの共同で、KBBM(Kyoto Bridge for Breakthrough Medicine)を設立[22][23]。
- 2018年(平成30年)6月 - 連結子会社のSRLが国際事業子会社として、エスアールエル・インターナショナルを設立。
- 2018年(平成30年)10月3日 - 連結子会社のSRLが静岡県立静岡がんセンターとの共同がんクリニカルシーケンス事業会社として、エスアールエル・静岡がんセンター共同検査機構を設立[24]。
- 2018年(平成30年)10月19日 - 連結子会社のSRLがウェルビーとの間で、PHR(Personal Health Record)を活用した新サービスの共同開発会社として、MSWを設立[25]。
- 2019年(平成31年)2月1日 - 健康保険組合向けサービスを手掛けるセルメスタ(現:H.U.ウェルネス)の全株式を取得、子会社化[26]。
- 2019年(平成31年)2月15日 - 連結子会社のSRLが同社の物流機能を、クリニカルネットワークとして分社化[27]。
- 2019年(令和元年)6月3日 - 連結子会社のみらかヴィータス[注釈 6]が営業開始(食品・環境・化粧品検査事業へ再参入)[28]。
- 2019年(令和元年)10月1日 - コーポレートベンチャーキャピタル子会社として、MSFキャピタルパートナーズを設立[29]。
- 2019年(令和元年)10月15日 - 連結子会社のSRLとセルメスタが、太陽生命保険および味の素との間において、三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)予防に関する業務提携を締結[30]。
- 2019年(令和元年)11月29日 - 連結子会社のSRLが聖路加財団[注釈 7]との間で、聖路加医学生物学研究所(現:聖路加エスアールエル先端医療研究センター)に関する合弁契約を締結[31]。
- 2019年(令和元年)12月1日 - 連結子会社のエスアールエル・メディサーチが、同社の治験検査事業および臨床研究検査事業をSRLに統合[32]。
- 2019年(令和元年)12月16日 - 連結子会社のみらかヴィータスが、日本食品エコロジー研究所の全株式を取得[33]。
- 2020年(令和2年)2月1日 - 連結子会社のSRLが登録衛生検査所「メディカルラボ健康会館」より、同所の受託臨床検査事業を譲受け[34]。
- 2020年(令和2年)4月1日 - 日本ステリが、エスアールエルのサニタリー・パッケージ・システム・サービス事業を吸収分割により承継[35]
- 2020年(令和2年)6月17日 - メディパルホールディングスとの間で、医薬・ヘルスケア領域における戦略的業務提携の締結を発表[36][37]。
- 2020年(令和2年)6月5日 - PHRの開発・運営およびヘルスケアICTサービスの開発を担う新子会社として、医針盤を設立[38]。
H.U.グループホールディングス
- 2020年(令和2年)7月1日 - H.U.グループホールディングス株式会社へ商号変更[39]。
- 2020年(令和2年)9月4日 - いずれも連結子会社のSRL、富士レビオ、日本ステリの国内営業部門およびマーケティング部門を統合した新会社として、H.U.フロンティアを設立[40]。
- 2020年(令和2年)10月1日 - 連結子会社の日本食品エコロジー研究所が、みらかヴィータスを吸収合併[41]。
- 2021年(令和3年)2月24日 - 連結子会社のH.U.フロンティアとセルメスタが、太陽生命保険および味の素との間で、重大疾病予防に関する業務提携を締結[42]。
- 2021年(令和3年)6月10日 - 連結子会社のSRLが札幌臨床検査センターとの共同出資により、①札幌ミライラボラトリー(共同検体検査ラボ事業会社)と②札幌メディ・キャリー(臨床検査関連の共同物流事業)を設立[43]。
- 2021年(令和3年)7月1日 - 連結子会社のセルメスタがエスアールエルウェルネスプロモーションを吸収合併のうえ、H.U.ウェルネスに商号変更[44]。
- 2022年(令和4年)4月4日 - 東京証券取引所の市場区分見直し[45]に伴い、プライム市場へ移行。
- 2022年(令和4年)12月12日 - 新型コロナウィルスの検査キット関連の事業(POCT事業)を担う子会社として、H.U.POCkeTを設立[46]。
- 2023年(令和5年)1月 - 連結子会社のSRLが、東京セントラルパソロジーラボラトリーの全株式を取得。
- 2023年(令和5年)7月 - 港区赤坂1丁目8-1 赤坂インターシティAIRに本社移転。
- 2023年(令和5年)7月1日 - 連結子会社のH.U.POCkeTが、営業開始[47]。
- 2024年(令和6年)11月1日 - 連結子会社のエスアールエル・メディサーチが同社のCRO事業を、エイツーヘルスケア(伊藤忠商事子会社)へ譲渡[48]。
- 2024年(令和6年)12月20日 - 連結子会社のケアレックスが在宅事業に関し、ガイアメディケアとの経営統合を実施[49]。
- ケアレックスとS.O.W.ホールディングス(ガイアメディケアの親会社)の在宅事業の共同持株会社として、StarQガイアを設立。
- ケアレックスの在宅事業をStarQケアとして分社化ののち、StarQケアの全株式をStarQガイアに譲渡。
- StarQガイアが、ガイアメディケアの全株式を取得。
関連会社
参照:[6][50]。太字:主要子会社
営業統合会社
- H.U.フロンティア株式会社(H.U.GHD 100.0%)- H.U.グループ会社の提供する各種商品・サービスの営業・販売の代行業務
検査・関連サービス事業
- 株式会社エスアールエル(H.U.GHD 100.0%)- 病院を中心とした医療機関向けの臨床検査など
- 株式会社日本医学臨床検査研究所(SRL 100.0%)
- 株式会社エスアールエル北関東検査センター(SRL 100.0%)
- 株式会社KBBM(SRL 65.23%)
- 株式会社聖路加エスアールエル先端医療研究センター(SRL 80.0%)
- 株式会社札幌ミライラボラトリー(SRL 40.0%)
- 株式会社札幌メディ・キャリー(SRL 40.0%)
- 株式会社エスアールエル・インターナショナル(SRL 100.0%)
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- 株式会社北信臨床(SRL 100.0%)
- 株式会社東京セントラルパソロジーラボラトリー(SRL 100.0%)
- 合同会社クリニカルネットワーク(SRL 100.0%)
- 株式会社エスアールエル・メディサーチ(SRL 100.0%)
- エスアールエル・静岡がんセンター共同検査機構株式会社(SRL 77.8%)
- SRL (Hong Kong) Limited(SRL 100.0%)- 持株会社
- Ping An SRL Medical Laboratories(SRL HK 40.0%)
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- 株式会社医針盤(H.U.GHD 100.0%)- 健康・医療情報に関わるICTの運用など
- H.U.POCkeT株式会社(H.U.GHD 100.0%)- POCT関連事業
- H.U.セルズ株式会社(H.U.GHD 100.0%)- 再生医療・細胞治療領域の事業推進など
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- H.U.ウェルネス株式会社(H.U.フロンティア 100.0%)- 健康診断代行サービスなど
- H.U. America, Inc.(H.U.GHD 100.0%)- 持株会社
- Baylor Miraca Genetics Laboratories, LLC.(H.U. America 60.0%)
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臨床検査薬事業
- 富士レビオ・ホールディングス株式会社 - 国内外における臨床検査薬事業の統括(H.U.GHD 100.0%)
≪国内事業≫
- 富士レビオ株式会社(富士レビオHD 100.0%)
- 株式会社先端生命科学研究所(富士レビオHD 100.0%)
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- 富士レビオ・ダイアグノスティクス・ジャパン株式会社(富士レビオHD 100.0%)
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≪グローバル事業≫
- Fluxus, Inc.(富士レビオHD 100.0%)
- CanAg Diagnostics (Beijing) Co., Ltd.(富士レビオHD 100.0%)
- Fujirebio Germany GmBH(富士レビオHD 100.0%)
- Fujirebio France SARL(富士レビオHD 100.0%)
- Fujirebio Italia S.r.L.(富士レビオHD 100.0%)
- Fujirebio China Co., Ltd.(富士レビオHD 100.0%)
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- Fujirebio Diagnostics, Inc.(富士レビオHD 100.0%)
- Fujirebio Diagnostics AB(FDI 100.0%)
- Fujirebio Europe N.V.(富士レビオHD 100.0%)
- ADx NeuroSciences N.V.(Fujirebio Europe 100.0%)
- Fujirebio Iberia SL(富士レビオHD 100.0%)
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ヘルスケア関連サービス事業
- 日本ステリ株式会社(H.U.GHD 100.0%)- 病院における医療器具の滅菌業務、医療材料を中心とした物流管理・搬送サービスなど
- ケアレックス株式会社(H.U.GHD 100.0%)- 福祉用具のレンタル業務
- StarQガイア株式会社(ケアレックス 66.6%、S.O.W.ホールディングス 33.4%)- 持株会社
- StarQケア株式会社(StarQガイア 100.0%)- 訪問看護、訪問介護、居宅介護支援サービス
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- ガイアメディケア株式会社(StarQガイア 100.0%)- 訪問看護、居宅介護支援サービス
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全社共通部門
- 合同会社H.U.グループ中央研究所 (H.U.GHD 100.0%)- ライフサイエンス領域の研究開発等
- H.U.キャスト株式会社(H.U.GHD 100.0%)- 特例子会社
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- MSFキャピタルパートナーズ合同会社(H.U.GHD 100.0%)- コーポレートベンチャーキャピタルの運営
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脚注
注釈
- ^ 『H.U.グループホールディングス株式会社 定款』第1章第1条、令和5年6月20日改訂版
- ^ ティーエスエル、エスアールエル北海道、南信臨床検査研究所、エスアールエル静岡、生命情報分析センター、エスアールエル西日本、エスアールエル北陸
- ^ エスアールエルと塩野義製薬との合弁会社として設立(出資比率:エスアールエル 51.0%、塩野義製薬 49.0%)。
- ^ 1999年12月、SRLと三井物産との折半出資により設立。
- ^ 買収総額は7億2500万ドル(日本円で約580億円)
- ^ 同社は2018年8月1日、「みらかプロダクトアンドエコロジー準備株式会社」として設立。営業開始とともに新商号へ変更した。
- ^ 学校法人聖路加国際大学の関連法人
出典
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