貫地谷 しほり(、1985年〈昭和60年〉12月12日 - )は、日本の女優。本名、同じ[1]。愛称は、しーちゃん[2][3][4]、しほりん、貫ちゃん。
東京都荒川区出身[5]。大妻女子大学文学部中退[6]。ABP inc.所属。
来歴
中学生の時に新宿駅のホームでスカウトされ芸能界入り[7]。伊藤正次演劇研究所(現:Ito・M・Studio)の研究生として演劇の指導を受ける[8]。
2002年、『修羅の群れ』で映画デビュー[1]。映画『スウィングガールズ』(2004年)への出演で注目を集め[1]、フジテレビドラマ『大奥〜華の乱〜』(2005年)、映画『夜のピクニック』(2006年)、NHK大河ドラマ『風林火山』(2007年)などに出演する。
2007年、3回目のオーディション挑戦で同年度後期のNHK連続テレビ小説『ちりとてちん』のヒロインに選出され[9]、初主演を務める[10]。放送終了後には2008年4月期『キミ犯人じゃないよね?』(テレビ朝日)、同7月期『あんどーなつ』(TBS)と、民放の連続ドラマで2クール続けて主演。2008年、第32回エランドール賞新人賞を受賞[11]。また、『アジアンスマイル』(NHK-BS1)などの番組でナレーションを務める。
21歳のときに在学していた大妻女子大学文学部を退学し、女優業に専念する[6]。
2009年、チェコのアニメ映画『屋根裏のポムネンカ』やNHKの連続人形劇『新・三銃士』で声優を務め、自身の冠番組となるTOKYO FMのラジオドラマ『貫地谷しほりのラジオ劇団・小さな奇跡』では座長(主演とナビゲーター)を務める。
2010年、舞台『余命1ヶ月の花嫁』で舞台初主演。第7回The Beauty Week AwardでThe Best of Beauty 2010を受賞。
2013年、『くちづけ』で映画初主演。2014年、同作で第56回ブルーリボン賞主演女優賞を受賞。
2019年、朝ドラ100作目の節目の作品となる同年度前期の連続テレビ小説『なつぞら』に歴代ヒロインの1人として出演する[12]。
私生活では、かねてより交際していた一般男性と結婚したことを同年9月24日に発表した[13]。
2021年4月13日、新型コロナウイルスへの感染を公表[14]。出演が予定されていた舞台『月とシネマ-The Film on the Moon Cinema-』について、同月17日開幕予定の東京公演(PARCO劇場、5月9日まで)を28日まで中止することが発表された[14]。同舞台は緊急事態宣言の発出・延長を受け、残りの東京公演および大阪公演(5月12日 - 16日)もすべて中止となった[15][16]。
2023年、フランスの連続ドラマ『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』の日本語吹き替え版で主人公を担当し、第17回声優アワード外国映画・ドラマ賞を受賞[17]。
2024年12月12日、第1子を出産したことを自身のInstagramにて報告した[18][19]。
人物
特技は役柄で習得したトランペット[注 1]と、着物の着付け。
ラッキーナンバーは「12」。これは、本人の誕生日が12月12日であることからきており、「12」という数字にこだわっている。
SPEED、Mr.Children、レミオロメン、スキマスイッチのファンである。また、『ジョン・レノン スーパー・ライヴ』がきっかけでビートルズが好きになった。
NHKの連続テレビ小説『ちりとてちん』で共演した渡瀬恒彦からは、「女優になるために生まれたような子。頭が良いし、体も神経もタフだし、感受性が豊かで表現が的確。私のライバルです。」と評価された[20]。
作家の小林信彦は週刊文春連載コラム(のち単行本『B型の品格』に収録)で『キミ犯人じゃないよね?』を取り上げ、特に貫地谷のコメディエンヌぶりは海外ドラマでも比類がないと絶賛した。
映画『スウィングガールズ』で共演した本仮屋ユイカ、映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』、『ゴールデンスランバー』ドラマ『ミス・シャーロック/Miss Sherlock』で共演した竹内結子、フジテレビドラマ『ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜』で共演した北川景子とは親友[21]。元は同じ事務所であったLISSA[注 2]は高校の同級生。
憧れの女優は、舞台『労働者M』で共演した演技派の秋山菜津子(「週刊朝日」のカバーインタビューより)であると、朝ドラ『ちりとてちん』の主演・和田喜代美役を務めていた頃に答えている。ドラマ『あんどーなつ』で共演した風吹ジュンに対しても「女優としての展望が持てた」と敬意を表している[23]。
2007年9月に行われた連続テレビ小説のバトンタッチセレモニーでは、前作『どんど晴れ』のヒロインを務めた比嘉愛未から「ファンです」と告白された。
姓名に関して
「貫地谷」という名字は大変珍しく、本人の家族及び下記の親戚を合わせても日本国内に6世帯しかない[24]。このうちの大半は父親の実家のある広島県にある[25][26][27][注 3]。競艇選手の貫地谷直人(登録番号4097)とは二従兄妹の関係である[28]。
「しほり」は、母がファンというサザンオールスターズの楽曲「栞(しおり)のテーマ」にちなんだ名前。誕生当時(1985年)は人名に漢字の「栞」を使用できず[注 4]、かな表記が好ましいという姓名判断をうけ「しほり」で届出がされた[29]。
出演
テレビドラマ
レギュラー
単発・ゲスト
映画
Webドラマ
舞台
- 伊藤正次演劇研究所公演
- 父帰る(2001年) - おたね役
- 時の氏神(2001年) - 杉本芳子役
- 第3帝国の恐怖と貧困(2001年) - 女中役
- かんしゃく玉(2003年) - 彼女役
- 頼母しき求縁(2003年) - 十倉汲子役
- 伊藤正次追悼公演「麺麭屋文六の思案」、「秘密の代償」、「父帰る」(2005年6月17日、18日、19日)
- POOL-5公演 「新築HIMAWARI-A日記」(2004年6月) - 客演/雷葵役
- 理由なき反抗(2005年4月3日 - 24日、東京グローブ座) - ジュディ役
- 労働者M(2006年2月、シアターコクーン)
- 余命1ヶ月の花嫁(東京:2010年6月15日 - 27日、大阪:7月2日 - 4日) - 主演・長島千恵 役
- 泣き虫なまいき石川啄木(2011年10月7日 - 30日) - 石川節子 役
- 朗読劇『宮沢賢治が伝えること』(2012年6月1日)
- ユーミン×帝劇 vol.1 『8月31日〜夏休み最後の日〜』(2012年10月7日 - 31日、帝国劇場) - 主演・高木千佳 役
- ガラスの仮面(2014年8月15日 - 31日、青山劇場) - 主演・北島マヤ 役
- もとの黙阿弥(2015年8月1日 - 25日:新橋演舞場、9月1日 - 25日:大阪松竹座) - 長崎屋お琴 役
- ガラスの仮面(2016年9月1日 - 11日:大阪松竹座、16日 - 26日:新橋演舞場) - 主演・北島マヤ 役
- 幽霊でもよかけん、会いたかとよ(2016年12月21日 - 28日、下北沢 駅前劇場) - 主演・嬉里弥生 役
- ハムレット(2017年4月、東京芸術劇場プレイハウス) - オフィーリア 役[74]
- 頭痛肩こり樋口一葉(2022年8月、紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA) - 樋口夏子(樋口一葉) 役[75]
声の出演
- 屋根裏のポムネンカ(チェコ人形アニメ映画、2009年8月1日) - 主人公・ポムネンカ 役
- 連続人形活劇 新・三銃士(2009年10月 - 2010年5月、NHK教育) - コンスタンス 役
- RAINBOW-二舎六房の七人-(2010年4月 - 7月、日本テレビ) - 小池節子 役
- 雪女(チェコ短編アニメ映画、2012年8月8日より島根県立美術館で上映) - 雪女 役
- ビクトリアス(2012年10月 - 2014年3月、NHK教育) - 主人公・トリー・ベガ 役
- 西遊記〜はじまりのはじまり〜(日本語吹替、2014年11月21日公開) - 女妖怪ハンター・段 役[76]
- 西遊記2〜妖怪の逆襲〜(日本語吹替、2017年9月8日公開) - 女妖怪ハンター・段 役
- アストリッドとラファエル 文書係の事件録(NHK総合) -主人公 アストリッド・ニールセン(サラ・モーテンセン)役[77]
- 第1シーズン 日本語吹き替え版(2022年7月24日 - 2022年10月2日)
- 第2シーズン 日本語吹き替え版(2023年5月21日 - 2023年7月9日)
- 第3シーズン 日本語吹き替え版(2023年7月23日 - 2023年9月10日)
- 第4シーズン 日本語吹き替え版(2024年1月14日 - 2024年3月3日)
ラジオ
ドキュメンタリー
- アジアンスマイル(2008年4月6日、NHK-BS1) - ナレーション
- サクラガサイタ〜信州のスウィングガールズ ワシントンへ行く〜(2008年5月11日、BS朝日) - ナレーション
- ザ・ノンフィクション(フジテレビ) - ナレーション
- 「親子・乱歩に挑む〜幸四郎と染五郎〜」(2008年11月23日)
- 「上京物語2009〜ふるさとを離れる日〜」(2009年4月19日)
- 「上京物語2010〜夢がゆれる18歳〜」(2010年10月24日)
- 「上京物語2011〜すれ違う親子〜」(2011年10月2日)
- 「負けるな! 泣き虫三姉弟 2」(2012年4月15日)
- 「上京物語2012〜二十歳 夢の分岐点〜」(2012年11月4日)
- 「上京物語〜母との再会編〜」(2013年4月14日)
- 「上京物語2013〜『青い鳥』はどこにいる〜」(2013年10月6日)
- 「上京物語2014〜決断〜」(2014年12月21日)
- 「上京物語2015〜仲間〜」(2015年12月6日)
- 「上京物語〜その後ボクと父さんの8年間〜」(2016年3月20日)
- にほんの里100選(2009年1月 - 3月、テレビ朝日) - ナレーション
- 熱中時間 忙中"趣味"あり 「熱中人FILE〜岡本信人の野草〜」(2009年7月11日、NHK-BS2) - ナレーション
- FNSドキュメンタリー大賞「Home〜僕が田舎暮らしを始めた理由」(2010年5月27日、福島テレビ) - ナレーション
- プロフェッショナル 仕事の流儀(2010年10月 - 、NHK総合) - ナレーション
- プレミアム8「愛と胃袋・スペイン 角田光代のバスク」(2010年10月19日、NHK-BShi) - ナレーション
- アジア神秘紀行(2011年4月 - 2012年4月、BS朝日) - ナレーション
- 演劇特集「小さな劇場の大きな冒険〜行定勲、現代演劇を見る〜」(2012年3月17日、NHK教育) - ナレーション
- 貫地谷しほりの恋する惑星〜パリ・ウィーン・TOKYO 三都物語〜(2012年3月31日、BS朝日) - ナビゲーター
- ノンフィクションW・失われた琉球の魂を求めて(2012年6月15日、WOWOW) - ナレーション
- 世界ふれあい街歩き(NHK BSプレミアム) - ナレーション
- 青春舞台2012(2012年9月29日、NHK教育) - ナレーション
- アーシストcafe 緑のコトノハ(2012年10月 - 2021年3月、BS朝日) - ナレーション
- 第40回JALホノルルマラソン(2013年1月14日、TBS) - ナレーション
- 報道特別番組「0311、知られざる心の闘い」(2013年3月9日、フジテレビ) - ナレーション
- テレビ未来遺産「家族のチカラが奇跡を呼ぶ スポーツ“夢”SP」(2013年6月19日、TBS) - ナレーション
- 24時間テレビ36 「愛は地球を救う」(2013年8月24日、日本テレビ) - ナレーション
- ザ・ドキュメント「世界を触れ!〜見える人にこそ伝えたい〜」(2013年9月14日、関西テレビ) - ナレーション
- 壮絶人生ドキュメント 俺たちはプロ野球選手だった(2013年10月8日、TBS) - ナレーション
- 和の想い 世界遺産“アンコールワット”に響く!〜若き和楽器奏者とアジア音楽との共演〜(2013年12月22日、BS日テレ) - ナレーション
- 世界に誇る50人の日本人 成功の遺伝史(2013年12月30日、日本テレビ) - ナレーション
- ボクらの地球「奇跡の深海を潜る あなたの知らない東京湾 探検!"東京海底谷"の神秘」(2014年1月9日、BS朝日) - ナレーション
- 報道ステーション SUNDAY(2014年3月9日、3月16日、テレビ朝日) - ナレーション
- 地球ドック〜宇宙から今の地球を健康診断〜(2014年4月3日、テレビ東京) - ナレーション
- NHKスペシャル シリーズ故宮(2014年6月28日、6月29日、NHK総合) - ナレーション
- ザ・プレミアム プレシャス・ブルー「カリブ海・クジラの親子と出会う旅」(2014年7月19日、NHK BSプレミアム) - 朗読
- はじめてのおつかい(2014年7月21日、日本テレビ) - ナレーション
- はじめてのおつかい(2015年1月5日)
- はじめてのおつかい 夏の大冒険スペシャル(2016年7月18日)
- 古舘伊知郎 トーキングブルース 伝説のライブ 復活の舞台裏(2014年12月26日、BS朝日) - ナレーション
- 戦後70年特別番組 発掘!戦場の叫び〜元兵士1500人が伝えたい真実〜(2015年8月15日、BSジャパン) - ナビゲーター
- BS1スペシャル シリコンバレー戦国時代(2016年1月2日、NHK BS1) - ナレーション
- ザ・プレミアム「若冲 いのちのミステリー」(2016年4月30日、NHK BSプレミアム) - ナビゲーター
- 熱烈!ホットサンド!スペシャル てっぺんをめざして~旭丘高校合唱部104人の180日(2016年12月29日、STV・札幌テレビ放送) - ナレーション
- 新美の巨人たち(2019年4月 - 、テレビ東京)- Art Traveler
- 趣味どきっ! 浮世絵で体感!リアルな江戸LIFE(2022年、NHK Eテレ)
- 健求者〜こだわりの元気食〜(2023年10月4日 - 、テレビ朝日) - ナレーション[78]
CM
PV
その他
- DVD Grasshoppa! Vol.4 「言わなきゃよかった / 山岡先生」(2002年7月発売)
- 農林水産省 「花の国づくり協議会」ポスター(2004年 - 2005年)
- 「誕生日にお花を」のコピーと、花束を抱えた写真のポスター。
- 中央公論新社 マーブルブックス「キミト、ドコカヘ vol.1」(2006年8月発売)
- 鉄道風景を舞台にした写真物語。小湊鉄道に旅をする。
- 広告 「新潟県観光協会 / にいがた旅物語」ポスター(2006年5月 - 2008年4月)
- 広告 「浜ちりめんカレンダー2007」
- カードゲーム 「女子アナ出題!Theご当地問題DVD&カード」(タカラトミー、2007年9月27日発売)
- 「探偵事務所5」シリーズ
- 映画版に続き、ネット配信版でも宍戸瞳役として出演。
- 中央労働災害防止協会 「全国安全週間」ポスター(2008年6月 - 7月)
- 文春文庫 「秋の100冊フェア」 2008年イメージキャラクター
- 第60回 全国植樹祭2009ふくい(2009年6月7日)
- 福井県民代表と共に「未来への一筆啓上」を宣言。この模様はNHK総合テレビで生中継された。
- Wiiの間 不思議Wiiテレビ「未来は今」第1話主演(2009年6月14日配信)
- 東宝カレンダー(2009年版の7月、2010年版の7月、2011年版の6月)
- 東京国立博物館 「トーハク?」キャンペーン イメージポスター(2010年12月)
- DVD 「地球征服アパート物語」(2011年3月18日発売) - 宇宙人78号 役
- 東映スターカレンダー(2012年版の3月、2013年版の5月、2014年版の9月)
- 朝日新聞 求婚の日プロジェクト「ふたりの時計」(2014年1月25日配信) - 主演・ユカリ 役[80][81]
受賞
写真集
脚注
注釈
出典
参考文献
- 四本倫子『週刊朝日 2007年11月16日号(通巻4849号)』朝日新聞社、2007年11月16日。
外部リンク
業績 |
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1 - 10作 | |
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11 - 20作 | |
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21 - 30作 | |
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31 - 40作 | |
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41 - 50作 | |
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61 - 70作 | |
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71 - 80作 | |
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81 - 90作 | |
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91 - 100作 | |
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101 - 110作 | |
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111 - 120作 | |
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括弧内は作品年度を示す、授賞式の年は翌年(2月)
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主演男優賞 | |
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主演女優賞 | |
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主演声優賞1 | |
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助演男優賞2 | |
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助演声優賞1 | |
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新人男優賞 | |
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新人女優賞 | |
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新人声優賞1 | |
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歌唱賞 | |
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外国映画・ドラマ賞 | |
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ゲーム賞 | |
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インフルエンサー賞 | |
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MVS | |
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海外ファン賞 | |
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1第17回より各男女部門を統合。 2第1・2回は「サブキャラクター賞」。 3「もってけ!セーラーふく」の歌唱者として受賞。 |
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