「エイト・デイズ・ア・ウィーク 」(Eight Days a Week )は、ビートルズ の楽曲である。レノン=マッカートニー の作品で、ポール・マッカートニー のアイデアをベースにジョン・レノン と2人で書いた。イギリスでは1964年12月4日に発売された4作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ビートルズ・フォー・セール 』のB面1曲目に収録され、アメリカではシングル盤として発売され、Billboard Hot 100 で第1位を獲得[ 2] するなどのヒットを記録した。
2016年9月22日には本曲のタイトルを冠したドキュメンタリー映画『ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK - The Touring Years 』が公開された。映画内にはレコーディング風景も含まれており、エンディング曲としても使用されている。
背景
曲のタイトルについて、マッカートニーは2つの異なる由来を語っている。1984年の『プレイボーイ 』誌のインタビューでは、当時多忙を極めていたグループの実情を、リンゴ・スター が「週に8日も仕事だなんて…」と嘆いていたのがきっかけだとマッカートニーが語っている[ 注 1] 。その後、『ザ・ビートルズ・アンソロジー 』では、当時ウェイブリッジにあったレノンの家に向かう際に、マッカートニーが車の運転手に忙しいかどうかを尋ねた際に運転手が発した「週に8日も働かされてるよ」という言葉が元になっていると語っている。
楽曲はマッカートニーのアイデアをベースとして、ジョン・レノン との2人で書かれた。このことについて、1980年にレノンは「『エイト・デイズ・ア・ウィーク』は『ヘルプ!』というタイトルを思いつくまで、あの映画『ヘルプ!』の仮りのタイトルだった。ぼくもかなり手伝ったけど、これはもっぱらポールのたまものだ」と語っている[ 5] 。
後述のようにアメリカでヒットした楽曲であるが、メンバーは本作をよく思っておらず、とくにレノンは「お粗末な曲」と酷評している。このため、バンド活動期でのライブ演奏は、1965年4月3日に放送されたイギリス向けのITV シリーズ『Thank Your Lucky Stars 』で披露(マイム演奏)されたのみで、それ以外の番組やコンサートでは一切演奏されなかった。発表から50年近く経った2013年、ポール・マッカートニー が「アウト・ゼアー」ツアーでオープニング・ナンバーとして演奏し[ 7] 、ライブ初披露となった。
レコーディング
この曲は1964年10月6日にEMIレコーディング・スタジオ のスタジオ2にて録音が開始された。テイク1はアコースティック・ギター でのシンプルな演奏で、テイク2は「Oo」のコーラスから始まるアレンジとなっており、テイク6でギターのイントロに変更された。10月18日に曲のエンディング部分が録音され、これが10月6日に録音されたテイク13に繋げられて完成した。
完成した曲はイントロは、ビートルズの楽曲では初となるフェード・イン で、同時にポップ・ソングにフェード・インが採り入れられた初の例でもある。後に発売された『リボルバー 』に収録の「アイ・ウォント・トゥ・テル・ユー 」でも採用された。マッカートニーは、イントロとエンディングで、ベース による三連符弾きをしている。トラック上の楽器は、アコースティック・ギター 、エレクトリック・ギター 、ベース、ドラム 、そしてオーバー・ダビング で加えられたハンドクラップ (英語版 ) で構成されている。フェードインとコーダには、ジョージ・ハリスン がリッケンバッカー・360/12 で演奏したフレーズがオーバー・ダビングされている。
リリース
「エイト・デイズ・ア・ウィーク」は、イギリスで1964年12月4日に発売されたオリジナル・アルバム『ビートルズ・フォー・セール 』のB面1曲目に収録された。
アメリカでは、1965年2月15日にシングル曲としてリリースされた(B面は「パーティーはそのままに 」)。1965年3月13日付のBillboard Hot 100 で第1位を獲得し、2週連続で第1位を独占した[ 16] 。『ビルボード』誌の1965年度年間ランキングでは第36位を記録。『キャッシュボックス 』誌では3週連続第1位を記録し、年間ランキング55位だった。アメリカでは100万枚以上のセールスを記録している。後にキャピトル・レコード から発売されたアルバム『ビートルズ VI 』に収録された。
日本では、1965年2月5日に発売されたシングル盤『ノー・リプライ 』のB面曲としてリカットされ、オランダでは「ノー・リプライ」との両A面シングルとして発売された。
クレジット
チャート成績
年間チャート
チャート (1965年)
最高位
US Billboard Hot 100[ 23]
55
US Cash Box [ 24]
55
認定
カバー・バージョン
脚注
注釈
出典
^ Unterberger, Richie. Eight Days a Week - The Beatles | Song Info - オールミュージック . 2020年7月24日 閲覧。
^ a b “The Hot 100 Chart ”. Billboard (1965年3月13日). 2020年7月24日 閲覧。
^ 『ジョン・レノンPlayboyインタビュー』集英社 、1981年、166頁。ASIN B000J80BKM 。
^ “ポール・マッカートニー 11年ぶり来日!東京D最高齢公演” . スポーツニッポン (スポーツニッポン新聞社). (2013年7月17日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2013/07/17/kiji/K20130717006232090.html 2013年7月17日 閲覧。
^ “Beatles Book. Downloadable Ebook Analyzing "Meet The Beatles" and "Introducing The Beatles." Twist And Shout. Love Me Do. ”. DKR Products. 2019年9月10日 閲覧。
^ "Ultratop.be – The Beatles – Eight Days a Week" (in French). Ultratop 50 . 2020年9月21日 閲覧。
^ "Ultratop.be – The Beatles – Eight Days a Week" (in Dutch). Ultratop 50 . 2020年9月21日 閲覧。
^ “Top RPM Singles: Issue 5710 ”. RPM . Library and Archives Canada . 2020年9月21日 閲覧。
^ "Dutchcharts.nl – The Beatles – Eight Days A Week / Baby's In Black" (in Dutch). Single Top 100 . 2020年9月21日 閲覧。
^ “Offizielle Deutsche Charts – The Beatles – Eight Days a Week ”. Offizielle Deutsche Charts . 2020年9月21日 閲覧。
^ “Top Singles of 1965” . Billboard 1966 International Record & Talent Showcase : 23-24. (December 25, 1965). https://www.americanradiohistory.com/Archive-Billboard/60s/1965/Billboard-1965-International-Record-&-Talent.pdf .
^ “Cash Box Year-End Charts: Top 100 Pop Singles, December 25, 1965 ”. 2015年6月1日時点のオリジナル よりアーカイブ。2020年7月24日 閲覧。
^ "American single certifications – The Beatles – Eight Days a Week" . Recording Industry Association of America . 2020年9月21日閲覧 。
^ And Now... The Runaways - The Runaways | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック . 2020年8月8日 閲覧。
^ The Punkles [Wolverine] - The Punkles | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック . 2020年8月8日 閲覧。
^ Leave the Light On - Lorrie Morgan | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック . 2020年8月8日 閲覧。
^ “RELEASE / リリース ” (日本語). UP-FRONT WORKS . UP-FRONT WORKS Co.,Ltd.. 2021年12月8日 閲覧。
^ The Test of Time - Ken Navarro | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック . 2020年8月8日 閲覧。
参考文献
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Castleman, Harry; Podrazik, Walter J. (1976). All Together Now: The First Complete Beatles Discography 1961-1975 . New York, NY: Ballantine Books. ISBN 0-345-25680-8 . https://archive.org/details/alltogethernowfi0000cast
Everett, Walter (2001). The Beatles as Musicians: The Quarry Men through Rubber Soul . New York, NY: Oxford University Press. ISBN 0-19-514105-9
Hertsgaard, Mark (1996). A Day in the Life: The Music and Artistry of the Beatles . London: Pan Books. ISBN 0-330-33891-9
Hoffmann, Frank (1983). The Cash Box Singles Charts, 1950-1981 . Metuchen, NJ & London: The Scarecrow Press, Inc
Lewisohn, Mark (1988). The Complete Beatles Recording Sessions . London: Hamlyn. ISBN 0-600-61207-4
Miles, Barry (2001). The Beatles Diary Volume 1: The Beatles Years . London: Omnibus Press. ISBN 0-7119-8308-9
Sheff, David (2000). All We Are Saying: The Last Major Interview with John Lennon and Yoko Ono . New York: St. Martin's Press. ISBN 0-312-25464-4 . https://archive.org/details/allwearesayingla00lenn
外部リンク
UK盤・US盤共通
1963年 1964年 1965年 1966年 1967年 1968年 1969年 1970年 1978年 1982年 1995年 1996年 2023年
UK盤 (パーロフォン /アップル )
US盤 (ヴィージェイ /スワン /トリー /キャピトル /アップル )
1963年 1964年 1965年 1966年 1970年 1976年
その他 (オデオン /パーロフォン /アップル )
1963年 1964年 1965年 1966年 1968年 1969年 1970年 1972年 1978年 1981年