「オール・トゥゲザー・ナウ」(All Together Now)は、ビートルズの楽曲である。1969年に発売された10作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『イエロー・サブマリン』に収録されたが、レコーディング自体は1967年の『マジカル・ミステリー・ツアー』のためのセッション期間中に行なわれた。レノン=マッカートニー名義となっているが、ポール・マッカートニーによって書かれた楽曲。
イギリスやアメリカでは、シングルとして発売されることはなかったが、ヨーロッパではビートルズ解散後の1972年にB面に「ヘイ・ブルドッグ」を収録したシングル盤として発売された。
背景・レコーディング
マッカートニーは、「子供向けの曲」として「オール・トゥゲザー・ナウ」を書いた。タイトルは聴衆に曲への参加を呼びかけるミュージックホールの慣習に触発されて付けたもの。オールミュージックの音楽評論家であるトム・マギニスは、「マッカートニーは『イエロー・サブマリン』が持つ『平等かつ陽気な精神』に合う曲を作った」と述べている[6]。
「オール・トゥゲザー・ナウ」のレコーディングは、『マジカル・ミステリー・ツアー』のセッションを行っていた時期である1967年5月12日に行なわれ、同日のうちにミキシングも行なわれたが、1969年1月13日に『イエロー・サブマリン』が発売されるまでの約2年間にわたって未発表となっていた。ジョージ・マーティンは、同日のセッションを欠席していたため、レコーディング・エンジニアであるジェフ・エメリックが代理を務めた。本作は9テイクで録音が終わり、最終テイクとなるテイク9にオーバー・ダビングを施して完成となった。
リリース、マッカートニーによるライブ演奏
1968年に公開されたビートルズのアニメ映画『イエロー・サブマリン』で、バケモノ軍団「ブルー・ミーニーズ」によって石に変えられてしまった愛の国「ペパーランド」を救うべくメンバーが「イエロー・サブマリン」に乗り込むシーンと、ラストの実写シーンで使用されている。このシーンで実写のビートルズはイエロー・サブマリンのモーター、穴の海の穴、「ブルー・ミーニーズ」をやっつけた武器である「LOVE」のアルファベット文字を観客に披露している。また映画のラストではこの曲に合わせて各国語で「All Together Now」を意味する言葉が現れる。
1999年に発売された『イエロー・サブマリン 〜ソングトラック〜』には、リミックスが施された音源が収録された。オリジナルで右チャンネルに定位していたマッカートニーのリード・ボーカルが、こちらでは中央に変更されており、2回し目の「A, B, C, D…」というフレーズに低音のコーラスのような音が加わっている[10]。
発売後、長らくライブ演奏されることがなかったが、マッカートニーが2013年から2015年にかけて行った「Out There」ツアーの初日にあたる5月4日のミネイロン公演で初めてライブ演奏された[11]。
クレジット
※出典
カバー・バージョン
「オール・トゥゲザー・ナウ」は、さまざまなアーティストによってカバーされており、以下のようなカバー・バージョンが存在する。
脚注
注釈
出典
- ^ “The Beatles - All Together Now - dutchcharts.nl”. dutchcharts.nl. 2020年11月30日閲覧。
- ^ Maginnis, Tom. All Together Now - The Beatles | Song Info - オールミュージック. 2020年11月30日閲覧。
- ^ 斉藤早苗・葉山真 (2012). イエロー・サブマリン 〜ソングトラック〜 (ブックレット). ビートルズ. Apple/UNIVERSAL MUSIC JAPAN.
- ^ “Paul McCartney sings unperformed Beatles tracks on tour”. BBC News (BBC). (2013年5月5日). https://www.bbc.com/news/entertainment-arts-22418745 2020年11月30日閲覧。
- ^ “さあみんなで | NHK みんなのうた”. NHK. 2020年11月30日閲覧。
- ^ “昭和の大人気子ども番組! ピンポンパン SONG COLLECTION歴代お姉さんの時代別に3枚同時発売決定!”. エキサイトニュース (エキサイト). (2019年8月10日). https://www.excite.co.jp/news/article/Rooftop_27270/?p=2 2020年11月30日閲覧。
- ^ Phares, Heather (2009年). “21 Really Cool Songs - Sugar Beats | Songs, Reviews, Credits”. AllMusic. All Media Group. 2020年11月30日閲覧。
- ^ “Kermit Unpigged - The Muppets | Songs, Reviews, Credits”. AllMusic. All Media Group. 2020年11月30日閲覧。
- ^ “The Bingo Kids Sing Beatles Hits for Kids, Vol. 2 - Bingo Kids | Songs, Reviews, Credits”. AllMusic. All Media Group. 2020年11月30日閲覧。
- ^ “André 3000 Releasing Beatles Cover on New 7"”. Pitchfork. Condé Nast (2017年3月21日). 2020年11月30日閲覧。
- ^ Griner, David. “Lizzo Covers The Beatles for Facebook's Ad Launching Messenger Rooms”. Adweek. https://www.adweek.com/creativity/lizzo-covers-the-beatles-for-facebooks-ad-launching-messenger-rooms/ 2020年11月30日閲覧。
参考文献
外部リンク
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UK盤・US盤共通 |
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US盤 (ヴィージェイ / スワン / トリー / キャピトル / アップル) |
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その他 (オデオン / パーロフォン / アップル) |
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